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私は報われない  作者: ねこまた
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私は報われない  第三話「彼、」

第三話「彼、」

 


放課後、結衣と工藤は一緒に下校している。


 工藤:「結衣、最近どうしてる?」


 結衣:「んー、最近はちょっと忙しくて疲れ気味だけど、元気だよ。工藤はどう?」


 工藤:「俺も最近はバタバタしてるけど、結衣と話すと気分がリフレッシュされるな。」


 結衣:「そう言ってくれると嬉しいな。工藤と話すと楽しいし、心が軽くなるんだよ。」


 工藤:「結衣の笑顔を見ると、俺も元気が湧いてくるんだ。本当に癒されるよ。」


 結衣:「工藤の優しさにいつも助けられてるよ。一緒にいると安心感があって、本当にありがたい。」


 工藤:「結衣がそう言ってくれると、俺も力が湧いてくるんだ。お互い支え合っていける仲間でいたいな。」


 結衣と工藤は互いに笑顔で見つめ合い、言葉にならない感謝と絆を感じながら、お互いを呼び捨てにするようになった。この瞬間、二人の絆はさらに深まり、これからも共に歩んでいく決意が生まれたのだった。


 結衣は次第に工藤への思いが深まり、彼に対して素直になれなくなっていました。彼女は自分の気持ちに戸惑いながらも、工藤との関係を大切に保とうと努力していました。


 ある日、結衣と工藤は公園で一緒に散歩していました。風が心地よく吹き抜け、まるで二人だけの世界が広がっているような気持ちになりました。


 結衣はふと、工藤に対しての気持ちを打ち明けたくなりましたが、言葉に詰まりました彼女は何度  も口を開けてはためらい、結局、素直になることができませんでした。

 しかし、そんな時、突然強い突風に煽られました。結衣はバランスを失い、倒れてしまいました。

 結衣:「あっ!」

 結衣は地面に打ち付けられましたが、痛みはあまり感じず、それどころか何か温かいものに包まれている感覚がありました。

 顔を上げると、そこには工藤の顔が間近にありました。結衣は工藤に抱きかかえられていたのです。工藤は結衣の身体をしっかりと支えながら、心配そうな表情で彼女の顔を覗き込んでいました。

 工藤:「結衣、大丈夫か?怪我はないかい?」工藤は心配そうな顔をして言うが結衣は顔を赤くして何も答えられずにいた。

 結衣:「だ、だだだだだだいじょうぶだよっ!!」

 あまりの動揺ぶりに、自分でも何を言っているのか分からなかった。工藤は苦笑しながら、そっと結衣を立たせてくれた。

 結衣:「あ、ありがとう…………」結衣はまだ赤面しながら言った。

 その後、二人はベンチに座って話し始めた。


 結衣:「そういえば工藤は高校決めた?」

 工藤「ああ俺は高校でも部活やりたいから、スポーツ推薦狙ってるんだ。」

 結衣:「へえ~。」

 工藤「結衣はどこの高校受けるんだい?」

 結衣:「私は……まだ決めてないんだ。」

 工藤:「そっか。だったら俺と同じ高校来いよ。一緒に勉強しようぜ。」

 結衣:「うん!分かった。」

 結衣:「じゃあさ、もし私が工藤と違う高校に行くことになったとしても、ちゃんと連絡してね。」

 工藤:「当たり前じゃないか。俺たちはもう友達なんだから。」


 結衣は友達の関係ではなくそれ以上の関係を持ちたいと思っていたが、なかなか言い出せずにいた。そして、とうとう中学3年生になってしまった。結衣は相変わらず、工藤との関係は曖昧なままだった。

どうしても一歩踏み出すことができなかった。それでも、一緒にいるだけで幸せを感じていた。

 そんなある日、結衣のクラスでは進路希望調査が行われた。結衣は担任の教師に呼ばれ、職員室に向かった。

 結衣:「失礼します。」

 結衣が職員室のドアを開けると、そこには結衣のクラスの担任がいた。彼は結衣のほうに歩み寄り、真剣な表情で話を始めた。


 先生:「結衣さん、あなたは進学するのですか?」

 結衣:「はい、そのつもりです。」


 先生:「結衣さんの学力ならもっといい高校に行けるのに、どうして地元の高校に進学しようと考えたんですか?」


 結衣:「それは、私の志望校は自宅からも近いですし、それに、家から一番近くの公立の学校なので……」


 先生:「なるほど。そういうことでしたか。でも、あなたの成績は優秀ですし」

 結衣は工藤と同じ高校に行きたいと思い、彼の通う公立高校を第一志望にした。そのことを結衣は両親に伝えていた。


 ある日、結衣は工藤と一緒に勉強するために彼の家を訪れました。彼女はドアをノックし、少し緊張しながら待ちました。工藤の家は静かで落ち着いた雰囲気が漂い、結衣は少し興奮しながらドアが開くのを待ちます。


 ドアが開くと、工藤が優しく笑顔で迎えてくれました。彼の家は明るくて居心地の良い感じで、結衣はリラックスし始めます。彼女は工藤の家に招かれたことに感謝しながら中に入りました。


 工藤の部屋は整然としており、勉強に適した環境が整っていました。結衣は机に座り、勉強の準備を始めます。工藤も隣に座り、教科書やノートを取り出して勉強に集中します。


 二人は真剣な表情で問題を解いたり、質問しあったりしながら勉強に取り組みます。時折、結衣が分からない部分を工藤に質問すると、彼は丁寧に説明してくれます。

結衣は工藤の優しさと的確なアドバイスに助けられながら、自信を持って問題に取り組むことができます。


 勉強の合間には軽い会話も交わされます。二人は笑いながらお互いの趣味や好きなことについて話し合います。結衣は工藤との会話の中で、ますます彼に惹かれていく自分に気づきます。


 勉強の時間はあっという間に過ぎていきました。結衣は工藤に感謝の気持ちを伝えながら、彼の家を後にしました。この日の勉強は結衣にとって充実したものであり、工藤との時間は彼女にとって特別なものとなりました。


 結衣はそろそろ工藤が好きな気持ちを工藤に伝えようと決心していました。

結衣は工藤に対する思いが日に日に強まり、ついに告白する覚悟を決めました。

彼女は胸の内に高鳴る鼓動を抑えながら、勇気を振り絞りました。


 ある日、学校の屋上に結衣と工藤が二人で立っていました。風がそよぎ、心地よい日差しが彼らを包み込んでいます。結衣は少し緊張しながら工藤の顔を見つめ、口ごもりながら告白の言葉を口にしました。


 結衣: 「工藤、私、最近ずっと考えていたことがあるんだけど…」


 工藤は驚きの表情を浮かべ、結衣の言葉に興味津々で聞き入っています。


 工藤: 「なんだい、結衣?何かあったのかな?」


 結衣は少し深呼吸をし、勇気を持って続けます。


 結衣: 「工藤、私、実は…あなたのことが好きなんです。ずっと心の中で抱えていた想いで、今、言葉にしたくて…」


 工藤の顔には驚きと喜びが交錯しています。彼は優しく微笑みながら結衣の手を取りました。


 工藤: 「結衣、本当に嬉しいよ。君の言葉、とても大切に受け止めるよ。」


 結衣の顔は緊張から安堵へと変わり、幸せそうな笑顔が広がります。


 結衣: 「本当に?私もあなたのことが大好きなんです。一緒にいる時間が本当に幸せで、これからもずっと一緒にいたいって思ってるんです。」


 工藤は優しく結衣の頬に手を添えて微笑みます。


 工藤: 「結衣、僕も君と一緒にいることが幸せだよ。これからもずっと支え合って、共に成長していけたらいいな。」


 結衣と工藤はお互いの手を握り合い、互いの想いを確かめ合います。二人の心は幸福と希望で満たされ、これからの未来への道が広がっていくのを感じます。


 結衣と工藤は恋人同士となり、初めてのデートを楽しみにしています。彼らは互いに特別な日を選んでデートプランを立てました。


 晴れた日曜日の午後、結衣と工藤は街中の公園で待ち合わせをします。結衣は可愛らしいワンピースを身にまとい、工藤はスマートなカジュアルスタイルで現れます。


 結衣: 「工藤、待った?」


 工藤: 「結衣、こんにちは!待ってたよ。」


 二人は笑顔で手を繋ぎながら公園を散策します。公園では子供たちが元気に遊んでおり、和やかな雰囲気が漂っています。


 結衣: 「工藤、どこに行きたい?」


 工藤: 「実は、映画館で新しい映画が上映されてるんだ。一緒に観に行かない?」


 結衣: 「いいね!楽しみだな。」


 二人は映画館に向かいます。映画館のロビーではポップコーンの香りが漂い、人々が映画を楽しむ様子が見受けられます。


 映画が始まる前に、結衣と工藤は劇場の席に座ります。結衣はワクワクしながら工藤の手を握ります。


 映画が始まり、二人は一緒に物語に没入していきます。笑いや感動の場面で手を握り合い、結衣は工藤との時間を大切に感じながら映画を楽しんでいます。


 映画が終わると、二人は外のカフェに向かいます。カフェではゆったりとした雰囲気の中、おしゃべりや甘いデザートを楽しむ時間を過ごします。

 結衣と工藤は楽しいひとときを満喫し、幸せな気分に包まれています。

 別の日は結衣と工藤は遊園地に行き、アトラクションを楽しみます。メリーゴーランドに乗り、コーヒーカップに乗って、観覧車にも乗ります。

 結衣ははしゃぎながら工藤に抱きつき、工藤は笑顔で彼女の行動を受け入れています。


 二人は無事志望校に合格し、クラスも同じになりました。結衣は工藤と一緒の授業が楽しくて仕方ありません。また、同じ部活に入り、放課後や休日も二人で過ごすようになりました。


 結衣はますます工藤が好きになっていきます。彼はいつも優しくて頼りがいがあり、彼女は彼の優しさに甘えてばかりです。そんな幸せな生活を送る結衣に最初の悲劇が起こる…

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