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召還されたら魔王城  作者: 苺のミルフィーユ


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第39話『果てなき道』ボス戦

別のサイトで練習したりしてました。




ギィ、ギィーー


ゆっくりと扉が開く。そこに見えるのはただ闇。何も見通すことが出来ない闇が広がっていた。



「あれ?、中が見えない」


「どうやら中の空間と外が隔絶されているようだね。扉の外からの不意打ちを防ぐためかな。これじゃあここから攻撃を打ってもこの闇で選別されるせいで飛ばせていかせて相手に当てるなんて無理だね。ちゃんと対策をしてるということは知恵が回るのか、このダンジョンの構造上そうなっているのかは分からないけど」


「へぇ~。結局、こちらから踏み込むしかないってことです?」


「うん、その認識で合ってるよ。早速行こうじゃないか」


「心の準備とかないんですか?!」


「ふっ、ふっ、ふっ、……ない!」


「無慈悲!!」



終はメルナに首根っこを捕まれ、引き摺られていく。

終がもがいて抵抗しようともその行動を阻害することは叶わない。

ズルズルと引き摺られ、闇のモヤの中に投げ込まれる。



「ああそうだ。ボスは一人で倒してもらうからね♪」


「ふざけんなぁぁぁ!!!」



放り込まれたことで終は転移する。絶叫をその場に残して。



「ふふ、これくらいやってもらわなきゃ、鍛えた対価に見合わないよ。最低でも覚醒はしてほしいな〜。いや、ここでするかな?まあ、もっと私の退屈を紛らわせてね、終」



そんな呟きはメルナの他にだれも聞くことなく宙に消えた。





◆◆◆◆





ズシャァァ!!




門から勢いをつけて現れることとなった終はろくに受け身を取ることができず、地面に身体を擦り付けながら止まった。



「あいててて、つー、こ、ここがボス部屋か。目に悪い色だな」



そこは極彩色にあふれた場所だった。地面は石畳だと思われるものが敷き詰められているが、問題はそれ以外だった。あちこちに空間がゆがんでいるのだろうと推し量れる亀裂、歪み。亀裂の中には宇宙を思わせる暗い色、亀裂以上に大量に存在する歪みは極彩色を纏う。

そんなこれまでのダンジョンの道中と同じように空間に関するダンジョンであると主張する場所にそれはいた。


人型であることは間違いない、ローブのようなものを羽織り、顔があるべき所には二つの白い光しかない。ローブの下にのぞくのは影が形をなしたかのような真っ黒な身体があるだけだ。さらに、奴の周囲にはバリアのようなものが時折光を反射し、輝いている。

それは明確に終へと殺気を向けていた。


「ふぅ~。やってやろうじゃん。メルナに扱かれた成果、見せてやるよ」


「ッッ!」



ローブの魔物が動く!急速に距離を詰める。



「!それくらいなら受け止めれ…」




グニィ!




魔物から放たれた蹴りは終が展開した『形闇(かたちやみ)』の防御を歪ませ、終へと遮るものなく直進する!



「!!」



もっともそれを無防備でくらう終ではない。咄嗟に身体をずらし、掠めるだけに留める。



「形闇が歪んだ。空間を操作してるって感じか。となると周りのやつも攻撃の起点になる可能性が高いな。あと纏ってる歪みで当たらなそうなんだよな〜。色々試すかッッ」



そんなことを呟いている時に辺りの空間の歪みから魔力の球が射出され、終に向けて殺到する。



「これらには歪ませるのは付いてないな。なら『形闇』でいい」



『形闇』で周りを囲い、防御するが、それが致命的だった。なんとボスがテレポートで中に侵入し、終に殴り掛かったのだ。終は形闇を維持しつつもボスとの格闘戦を強いられることとなる。


ボスが殴り掛かるが、受け流しカウンターを叩き込もうとする。しかし、纏っている空間のせいでボスに当たらない。逆にボスの攻撃は空間を纏っているため時に固く、時に断裂させる一撃必殺となっている。

これでは終だけがジリ貧となる。



「ちぃッ!」



このままではやられる。そう思った終はもっとも威力が高い技を使うことを決める。



「喰らえ!『極小黒点(ごくしょうこくてん)』!」




ズゥン!




ボスの間近で発生した小さなブラックホールはボスの身体の一部を容赦なく削り取った。



「!これはいける!」



しかし『極小黒点』は消耗が大きい。今の状態では使えるのはあと一回といったところ。使い所は慎重に見極めなければならない。


一方でボスは突如のダメージに警戒し様子見をしている。


勝つためにはボスが突っ込んできた時にカウンターでやり、ボスをまるまる削り取るしかない。



「ふーー」


「……」



共に睨み合う。

両者ともに相手の隙を狙う。


……


均衡を破ったのはボスだった。『形闇』で覆った中に入ったときにようにテレポートで背後に回っての奇襲。


それに終は背後に意識をやりながらしゃがみ、反転。



「ありったけだァァァ!!」



『極小黒点』を放つ!



「ッッ!」



しかし敵もさるもの終が回避し、攻撃するまでのわずかな時間でバックステップを始めたため、発生したブラックホールで倒すに至らない。



「ァァァ!」



力を込める。ここでやれなければ負けるのは自分だ。次はない!

決死の思いを込める。しかし、魔力は有限だ。どんどん出力が下がる。倒せない、倒しきれない。

ボスが喜悦の感情が浮かぶように思えた。










すると、



ギュルン!



一瞬、『極小黒点』が出力を取り戻す。それにボスは抗うことができなかった。

ボスはブラックホールに呑まれ消えていった。



◆◆◆◆



「はぁ、はぁ、はぁ、……」



いつの間にか形闇は解除されていた。ボスに勝った。ダンジョンクリアである。しかし、終にはそれを喜ぶ気力がなかった。先の戦いで魔力を使い果たし、意識が朦朧としていたかだ。




ドサリ




身体に力が入らず、思わず倒れる。そこを抱きとめてくれる人がいた。



「おっと、これはこれはかなり疲れてるね。まあ、ダンジョンクリアお疲れ様、ゆっくり休みなよ」



その言葉を最後に終の意識は深い微睡みに沈んでいった。



◆◆◆◆



「あらら、気絶しちゃった。仕方ないか、激戦だったしね。それにしても最後の一撃のとき覚醒の断片があったな。目覚めるのは結構早いかもね」



さらり、と終を一撫でし、メルナは終を抱えてダンジョンをあとにするのだった。





恋愛要素とかどうしようかな〜

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