『プロローグ』
「俺、好きな人ができた」
「は!?」
ある日、主人公の橘真人は親友の藤本孝平から唐突な告白を聞くことになる。
最初こそ驚いた真人だったが親友の恋を応援し、アドバイスするのだった。
別の学校では件の人である佐倉真宵が親友の白石咲希に決意を伝えていた。
「私、あの人と友達になる」
「!?」
感情の種類こそ違うもののお互いが交流を深めたいと思っており、その恋路は順調なものになるかと思われたが――
「ダメよ! そんな男と友達になるのはやめなさい」
――その関係を邪魔する者が身近に存在した。
ある時、真人と咲希が相まみえる。
「私はあの男の存在を許すつもりはないわ。あの男は真宵に近づく害虫よ」
咲希は自身が見極めできていない者が真宵に近づくのを容認しなかった。
邪魔させるわけにはいかないと真人は提案を持ちかける。
「いい考えがある。オレが孝平のことを教えるからしばらく見守ってみないか?」
最初は拒否していた咲希だったが、最終的にそれを受け入れた。
元々男嫌いである咲希。
そのため孝平だけでなく真人への態度も厳しいものだった。
「あんたと私は契約関係よ。調子に乗らないことね」
「あんたのことなんてどうでもいいわ」
「キモ、何言ってんのよ」
しかし、交流を続けることでその態度にも変化が生まれる。
「……ありがとう。とても感謝してるわ」
「あんたが相手なら仕方なく我慢してあげるわよ」
「その……橘って呼ぶようにするから、あんたもちゃんと私のことを呼びなさいよ」
これは親友の恋路を応援しながら見守るお話。
そして、成就させるべく裏で奮闘する主人公と邪魔しようとする相手方の親友とが打ち解け、関係が変わっていくお話。
「た、橘って彼女いない……のよね?」
「そうだが? オレに彼女なんてできるかよ」
「そ、そう。いないのよね。……できると思っているから聞いてるんじゃない」
「?」
【作者より】
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