フィクションなど存在しない
世の中にフィクションなど存在しない。
それを私が証明しよう。
非日常が好きだ。あっと驚く瞬間が好きだ。
積み上げたものも好きだ。私はフィクションをノンフィクションにすると決めた。
きっかけは多分、王道恋愛ドラマ。
屋上に行ったり、イケメンとイチャイチャしたり、学校のマドンナだったり色々。
小学生の頃からパンをくわえて道ゆく人にぶつかり、イケメンと呼ばれる男の子に好きですと告白をしたり、幼馴染の関係を作ったり、劇で主役をとって演じたりした。
でもアニメやドラマと違って順調にいかなくて、ズレてる子と言われ、誰も近づかなくなり、挙げ句の果てにいじめられた。
でもそれも非日常。
中学生の私は、ぼっち飯も、トイレで水をかけられることも、上履きの落書きも、2人1組でハブられる事もグループもぜーんぶ経験できた。
あぁ楽しい。いじめられっ子になれたんだね。「やめて」と泣きながらお願いしている自分も好きだ。
“いじめられた子が可愛くなって目を惹く人生逆転劇もあるよね“
中3の時、そんなことを思いついた私は、学校ではボサボサな女の子を演じながら女子力を磨いた。
パパとママにはいじめが広まるから他県に行きたい。とお願いした。あなたが幸せになれるなら、好きなようにしなさいと言ってくれた。
お陰で遠い遠い場所に行った私は、人生大逆転。成績優秀で顔面偏差値も女子力も高い学校のマドンナ。イケメンの男の子と付き合って、生徒会長なんてものもして。
…鼻歌を歌いながら螺旋階段を登る。
吹いた風は少し寒くて、それでもやっぱり体温は暖かくて。
マドンナが視線を浴びながら自殺をするなんてフィクション、叶えられると思う?
いや、叶えるわ。
非日常が好き、非日常が憧れ。
フィクションをノンフィクションにして生きてきた。希死念慮なんてない。
ただただ非日常に溺れたいだけ。狂ってる?知っている。
今日は聖なるクリスマスの夜。彼氏はきっと、真下のイルミネーションで私を待っている。…うるさいスマホの通知音をOFFにした。
ここはイルミネーションが溢れている都市の中心部。私がいる場所はその真上。
星を見上げながら、イエスのように、両手を広げ空を羽ばたく。
これが私の憧れ。
世の中にフィクションなど、
存在しないのだから。
『フィクションなど存在しない』




