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フィクションなど存在しない

作者: 碧依 六花
掲載日:2021/05/05





世の中にフィクションなど存在しない。


   それを私が証明しよう。










非日常が好きだ。あっと驚く瞬間が好きだ。

積み上げたものも好きだ。私はフィクションをノンフィクションにすると決めた。


きっかけは多分、王道恋愛ドラマ。

屋上に行ったり、イケメンとイチャイチャしたり、学校のマドンナだったり色々。

小学生の頃からパンをくわえて道ゆく人にぶつかり、イケメンと呼ばれる男の子に好きですと告白をしたり、幼馴染の関係を作ったり、劇で主役をとって演じたりした。


でもアニメやドラマと違って順調にいかなくて、ズレてる子と言われ、誰も近づかなくなり、挙げ句の果てにいじめられた。


でもそれも非日常。

中学生の私は、ぼっち飯も、トイレで水をかけられることも、上履きの落書きも、2人1組でハブられる事もグループもぜーんぶ経験できた。

あぁ楽しい。いじめられっ子になれたんだね。「やめて」と泣きながらお願いしている自分も好きだ。



“いじめられた子が可愛くなって目を惹く人生逆転劇もあるよね“

中3の時、そんなことを思いついた私は、学校ではボサボサな女の子を演じながら女子力を磨いた。

パパとママにはいじめが広まるから他県に行きたい。とお願いした。あなたが幸せになれるなら、好きなようにしなさいと言ってくれた。


お陰で遠い遠い場所に行った私は、人生大逆転。成績優秀で顔面偏差値も女子力も高い学校のマドンナ。イケメンの男の子と付き合って、生徒会長なんてものもして。



…鼻歌を歌いながら螺旋階段を登る。

吹いた風は少し寒くて、それでもやっぱり体温は暖かくて。



マドンナが視線を浴びながら自殺をするなんてフィクション、叶えられると思う?


いや、叶えるわ。


非日常が好き、非日常が憧れ。

フィクションをノンフィクションにして生きてきた。希死念慮なんてない。

ただただ非日常に溺れたいだけ。狂ってる?知っている。



今日は聖なるクリスマスの夜。彼氏はきっと、真下のイルミネーションで私を待っている。…うるさいスマホの通知音をOFFにした。



ここはイルミネーションが溢れている都市の中心部。私がいる場所はその真上。





星を見上げながら、イエスのように、両手を広げ空を羽ばたく。



これが私の憧れ。






世の中にフィクションなど、

            






    存在しないのだから。








    『フィクションなど存在しない』


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