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野菜炒めを作るだけ。

作者: 杉将

今日は昼の一時に目を覚ました。内容は思い出せないけれど、いい夢を見た感覚が残っている。空腹を感じ何か食べたいと思ったが、家には何もなかったので、靴下を履き、外に出た。外は雨の予感をはらんだ天気だった。スーパーマーケットに向かいながら、頭の中では小説のことを考えた。

もやし、ピーマン、キャベツ、牛肉、それらをカゴに入れて、今日は野菜炒めにしようと思った。惣菜のコーナーに寄ると、カニクリームコロッケが売っていて、それもカゴに入れた。

レジには見かけたことのない女性が立っていた。名札をみると研修中と書いてある。顔を見ると、肌が綺麗すぎて不自然に見えた。その顔をじっと見ていると、あっという間に会計は終わった。帰り道、ぽつりぽつりと雨が降り出してきた。傘を持っていなかったので、濡れながら帰った。ずぶ濡れにはならない程度に、空は踏ん張ってくれた。

靴を脱ぎ、靴下を脱ぎ、手洗いうがいをして、料理を始めることにする。僕は料理をするときは、決まってラジオを聴いているから、いつもの通りにラジオを付けた。野菜を切るのに少し時間が掛かった気がしたが、野菜炒めは出来上がった。塩胡椒のシンプルな味付けだ。冷凍庫からラップに包んだご飯を取り出し、電子レンジで解凍して、茶碗に盛った。腹はすぐに膨らんだ。

満たされた気持ちの中、僕は小説を書かなければ、と思った。そして、いま、今日一日のたわいもないことを書いている。こんなもの、小説じゃないかもしれない。けど、今はこれしかできない。

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