epilogue
『泉』
彼の声が延々と私の脳内に響く。その度に私の胸は満たされて、下腹部が疼く。
「ふふ……ふふふ…へへ………んっ…」
彼を触った手で自分を弄る。これほど気持ちのいいことはない。あと少し、あと少しだ。優しい彼はちひろのことをまだ忘れられないだろうし…私が手伝ってあげなくてはならない。
家に帰ってからもう何度果てただろう。布団は蹴飛ばされてベッドから落ちているしなんだか熱気がこもっている気がする。
「友達……友達…陽満さんの友達……」
顔が自然とにやけてしまう。ちひろなんてどうでもいい。私が陽満さんの中で大きな割合を占めることが大事なんだ。
「早く学校始まらないかな…泉ってまた呼んでほしい…早く会いたい…早く触りたい…」
欲しい。
彼が欲しい。
また下半身に手が伸びてしまう。
彼女でも…友達でも…体を求め合う関係でもなんでもいい。私は彼の望むものなら何にだってなってみせる。
恋心…と陽満さんには言ったけど…これはもう恋心なんて可愛いものではない。きっと私は彼に惹かれ続ける運命なんだ。欲しくてたまらない。欲望が止まらない。生活の全てを共にしたい。朝も昼も夜も…起きてから学校に行って帰って寝る時まで…死ぬまでずっと一緒にいたい。彼と繋がりたい。本当に彼を食べてしまいたいほどドロドロに溶けあいたい。
指を埋めて欲をかき混ぜても…もう治らない。
「やっぱり…陽満さんのじゃないと……」
私はやっと泉として彼の前に立てる。もう我慢しなくてもいいんだ。これからは……これからは彼のためだけに行動すればいい。
他はどうでも…いや、全員いなくなってもいい……




