epilogue
「……」
「…」
非常に気まずい。あれから少し経って落ち着いた伊藤さんと共にゴールとなる広場を目指しているのだが、僕も少し具合が悪い上に今彼女となにを話していいのかわからずに場の空気は最悪だと言えた。
「あ、いたいた!全くなにやってんのふたりとも」
その時、なんと道の向こうからライトの光と共にあきが現れた。進行方向から現れたということはわざわざ引き返してきたのだろうか?
「あ…立花?なんでここに…」
「…なんでって、ふたりがいつまで経っても来ないからみんな心配で探してたんだよ」
「あ…そうか……」
当然である。思えば、随分と時間が経っていたような気がする。それに整備されているとはいえ山道だ。万が一のことが起きてからでは遅いのだ。
「それにしてもどうしたの!?ふたりともすごい汚れてるけど…」
「いや…これは別に……」
どう言い訳すればいいのか…
「私が悪いんだ。陽満には無理をさせてしまった」
「伊藤さん?」
ここまで一言も喋らなかった伊藤さんが呟く。
「ふーん…まぁいいや、とにかくふたりとも広場まで行こう。先生たちも心配してるよ」
こうして、僕達は無事にクラスのみんなと合流できた。しかし伊藤さんとの間にはまだ埋めなければならない溝がある。
……でも、流石に精神的に疲れたので今日はゆっくり休みたい。




