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ヒミツ  作者: 爪楊枝
序章
1/109

prologue


「それ、私のタイツなんだけど」


そう声をかけられた。いや、状況的にはかけられてしまったと言った方がいいのかもしれない。雨の降り続く梅雨のある日、蒸せるように暑い女子新体操部の部室、その一角で僕……家内(家内)陽満はるまは自分の《ヒミツ》を他人に知られてしまったのだ。


しかもそれは同級生…同じクラスの女子生徒。2年生のこの時期まで、同じクラスであったものの一言すら話したことのない彼女、立花たちばなあきとの接触が僕の運命を変えた。

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