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prologue
「それ、私のタイツなんだけど」
そう声をかけられた。いや、状況的にはかけられてしまったと言った方がいいのかもしれない。雨の降り続く梅雨のある日、蒸せるように暑い女子新体操部の部室、その一角で僕……家内(家内)陽満は自分の《ヒミツ》を他人に知られてしまったのだ。
しかもそれは同級生…同じクラスの女子生徒。2年生のこの時期まで、同じクラスであったものの一言すら話したことのない彼女、立花あきとの接触が僕の運命を変えた。
「それ、私のタイツなんだけど」
そう声をかけられた。いや、状況的にはかけられてしまったと言った方がいいのかもしれない。雨の降り続く梅雨のある日、蒸せるように暑い女子新体操部の部室、その一角で僕……家内(家内)陽満は自分の《ヒミツ》を他人に知られてしまったのだ。
しかもそれは同級生…同じクラスの女子生徒。2年生のこの時期まで、同じクラスであったものの一言すら話したことのない彼女、立花あきとの接触が僕の運命を変えた。