一般身分
神官ではない者たちのための在家身分。在家身分とも呼ばれている。
この世界では、何処の国に行っても名称は異なるが、基本的にこの身分名称で固定されている。
それぞれの身分は、親から子へと継承されていくのが基本であるが、その人物の努力や名声などによって、身分の区分が変更される事もある。
《国王・王族》
定められた国土を納める最高権力者であり、その一族の総称。国家の象徴でもある。
王位の継承は、基本的には世襲制となっているが、数か国が固まって1つの国家となるしている連邦国家制を採る国では、各国家の王家を公王家として定め、その中から一代限りの国王を公選で選ぶ方法が採られている。
《貴族》
貴族は、国王が行う政治を補佐する立場であり、たいていの場合は与えられている職種と爵位を世襲している事が多い。しかしながら、実績を伴わない者が世襲した場合は、容赦なく切り捨てられる事になる。
貴族と呼ばれている者は、爵位を持つ現当主と、爵位を継承する嫡子のみとなる。また、平民から集めた税金や各種賦役を適切に管理・運用しない場合や、国が定めた税金や税額を超えたものを課す事は出来ない。それらを行った場合、統治する領地に対し、様々な神罰が下される場合もある。
それ以外の家族は、基本的に名誉貴族と呼ばれ、基本的には平民と同じ待遇を受ける。そのため、権力を振りかざす事は禁止されている。その事を理解できずに権力を振りかざした場合、最悪の場合は神からの神託を受けてお家取り潰しになる事もある。
一部の国家では、一代限りで世襲制を行っていない国もある。また、ごく一部の国家では、国王と王族はいるが、貴族という身分はなく、貴族・平民・自由民を含めて『平民』となっている国もある。
王座や爵位を継承する際、その国土や領地を統括する神々に対し、定められた制約をしないといけない。この制約を反故した場合は、その理由と問わずに神罰が下る事になる。
《平民》
王侯貴族と奴隷身分以外の、すべての者が属している身分。平民の身分には、定住民・自由民・害市民の3つの身分に分かれている。また、平民と自由民を合わせて『市井民』と呼ばれる事もある。つまり、定住しているかどうかの違いだけであり、身分上では同等の扱いを受ける事になる。
また平民は、家名(苗字)を名乗る事は禁じられている。これは、家名を名乗る事が王侯貴族の特権としなっているためである。
平民が持つ(神から与えられた)権利として、害市民を除き、各種税金や賦役を含め、国が定めた税金と税額以外は、どんな理由であろうとも領主や貴族の独断で課される事はない。また、一番上に立つ国家に対しても、自分たちの私利私欲のために、必要以上の税金を貸す行為は認められていない。
そんな事をすれば、居住地を移動する自由が保障されている平民(貴族になると、賜った土地に封じられるためこの権利はなくなる)が、その土地から逃げていく事になるため、結果として自分で自分の首を絞める事になる。
=定住民=
それぞれの町や村に定住している者たちの総称。そのため住んでいる場所に応じて、職人・商人・農民などの呼び方で呼ばれる。国法に定められている様々な賦役に就く事と、各種税金(町中に住む者のみ)や年貢(農村などに住む者)を納めるが義務付けられている。
=自由民=
町や村を転々と移動する冒険者や旅商人、旅芸人を纏めた総称。この身分が追っている各種義務は、定住民とは内容が異なっている。自由民は定住民とは違い、その町に住んでいるわけではなく、町や村を行き来して生活している移動民族である。そのため、町を統治する領主から課せられる賦役に就く義務は持っていない。
そのため、土木工事などの公共事業はともかく、兵役に関しては、有事以外ではほとんど課さないのが暗黙のルールとなっている。緊急依頼という形で、自由民は有事の際、強制徴収される事もあるが、あくまでも依頼であるため、働いた分の報酬も高額となっている。
また自由民には、賦役が課されない代わり、町や村に収める税金が、門を通る通行料として毎回かかってくる事になる。そのため、通行料という名の税金以外は、基本的には徴収されない決まりになっている。
なお、何処かの町に定住している場合においても、その街に市民権がない限り自由民とみなされている。そのため、定住した自由民に対し、各町や村では市民権の移動を促す目的で、様々な優遇処置をとっている。
=害市民=
町に入る事ができない盗賊や山賊、海賊たちの事を言う。
害市民に(書類上で)分類されると、あらゆる義務がなくなる代わりに、あらゆる権利も同時に剥奪される。そのため、魔物と同様に討伐対象となり、全世界に対し報奨金付きの指名手配(生死不問)となる。
また、基本的に生死不問の賞金首となるが、生きたまま捕まった際は、公開処刑となって晒し首にされる運命にある。
《特例事象》異界からの来訪者
違った世界から迷い込む者は多く、その者たちの事を『異界からの来訪者』と呼んで、見つけ次第いろいろな意味で保護されている。
保護された際は、行政府が設置されている最寄りの町や村の出生者として、この世界の市民権を得る事が出来る仕組みになっている。なこの際の身分は、元の世界の身分に関係なくすべて平民の身分が与えられる事になっている。
ただし、ごく一部(町や村に辿り着く前に盗賊などに捕まった場合)では、この異界からの来訪者の保護が機能しなくなり、この場合は奴隷として売られる事になる。また、直前に起こった災害などの犯人として奴隷落ちさせられる場合もある。