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勇者となるまで その1

初投稿です。このような小説を世に出してしまい本当に申し訳ございませんが、読んでいただけると幸いです。

僕、赤羽静寂は、日本に住む16歳の学生だった。だがひょんなことから、惑星サークシーズに転生者としてやってきた。

事の発端はある冬の日。深夜、火事により家が全焼し、家族全員が炎に飲み込まれたという悲しい事故。苦しみながら命を失ったはずの僕だったが、気付けば宇宙さながらの不思議な空間で漂っていた。


しばらくしても何も起きなかったので困惑していると、真っ黒な空間のせいか感情が恐怖に支配されはじめていた。


そんな中、唐突に僕の目の前に現れたのは一冊のスケッチブック。安全してとの文字が油性ペンで紙に書かれているのを確認して、僕は戸惑いながらも少しだけ安堵した。そして、前触れもなくカンペのように一枚一枚めくられていくそれに書かれた文字を見て、なんとなくだが状況を理解することができた。

要するに天界の神とかそんな空想のような存在達が夫婦喧嘩をし、物理的に飛び火したとかなんとか。

色々と申し訳無いし、死んだのは僕一人だったらしく、なんとかなりそうだと説明された。

何がなんとかなりそうなのかも分からず、何をするのだろうと思っていたら、次はホワイトボードが目の前に現れ、宙に現れた青いペンが文字を綴り、説明を始めた。

結局書くなら何故変えたのか。というか話せばいいのに。

そんな思いが伝わるはずもなく、ペンは文字を書き続ける。書き終わったと思ったら、そのペンは手品のようにホワイトボードに吸い込まれた。その姿を見て、ペンやボードそれぞれに命が宿っているのか、それとも誰かが動かしているのか、とどうでもよいことを考えていた。

書かれていることをまとめると、宇宙の果てにサークシーズという惑星があり、そこには地球のように水も木々もあり、人類が住んでいる。

しかし、科学は存在しない。あるのは魔法という非科学的な存在と剣を交わし会う争いの絶えない日常ということらしい。

だからなんだと思ったが、そういうわけにも行かない。そこに肉体を再構築し、転生させられるというのだから。

そこに転生させられる理由としては、まず第一に、見慣れた顔がが変化するのも悪いだろうという配慮から肉体を死ぬ前の姿に再構築するため、死んだ人間が存在しているのは矛盾が生じる。そして、サークシーズは今魔王の出現により揺らいでいるため、まさに世界を変えれる者を必要としている。魔王に抗える力が欲しい、というわけだ。


─でも僕に、そんな力は無い。


つい弱音が口から漏れた。しかし仕方ない。ただの人間が魔法なんて使えないし、何かと戦うようなちっぽけな勇気すらない。世界に抗えず、ただ死にゆく未来しか想像できない。


『でも、可能性は無限大だ』


ふと呟いた僕の言葉に反応したのか、初めて何かの声が聞こえた。


声色は若い男性のような、おちついたものだった。姿は見えないし何者かも分からない。しかしその一言で僕は何故か勇気付けられた。それはなお語る。


『転生という試みは初めてだ。しかし、何故か良い方に転がる気しかしない。不安など払拭しろ。私が言うんだ、信じろ。』


少ない言葉だったが、僕は、安心してそれに身を任せることを決めた。何故安心するかは未だに分からないが、これが僕の勇者への道を歩む一歩となったのだ。

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