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13年後そして悲劇

温かい目でご覧ください。

ーあの日の悲劇。今もー


「なあなあダイラこんな魔法作ってみたze☆」


「んー?やけにテンション高いなユキー」


湖のそば、白銀に輝く鱗とマリンブルーの目、金に輝く鬣をもつ、体調10mほどの美しいドラゴンと灰色の毛づやの良い5mほどのオオカミが、楽しそうにたわむれていました。


あれから13年。ユキたち5匹の魔獣はものの見事に解散し、ダイラ以外の三匹は森のみんなの先生的存在となり、ダイラは上級魔獣の称号をもらって森の長となりました。ユキはというと魔力がチートなので全魔法を完璧にこなし、オリジナル魔法を編み出したりして日々を過ごしておりました。


「新魔法、人間化ヒューマノロイド!!」


にわかに竜の姿が揺らいだかと思えばそこの葉中一ほどの金髪、マリンブルーの目をもつイケメンな男の子が立っていたのでした。


「どーよ!!イケメンに化けたぞー!!」


「うひょう!!その魔法俺にも教えろ!!」


「うんいーよ!!えーっとまずー」


ー数分後ー


「よーし!!できたぞ!!」


「わお!またぁイケメンになっちゃってぇー」


先ほどまでオオカミが立っていた場所に灰色の髪、金の目のイケメンな(←これ大事)男の子が立っていたのでした。


「うん、これで人里に下りてもいいかもな。」


「ん?なにするの?」


「そら美人のねーさんといちゃいちゃするんだろうが。」


「おおっ」


「お!ユキも興味あんのか?」


「いや、ないない!!ボクそーいうこと好きじゃないのー」


と、


ダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンドンガラグアッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン


もんのすごい爆音が轟いた。


「森の中心からだ。」


ダイラは再びオオカミの姿に戻ると疾風のごとく駆け出した。ボクも翼を出して後ろからついていく。


「「!!!!!!!!!!」」


森の中心部、魔獣の学校があった場所はツンと鼻を衝く血の香り。焼け野原。赫、赫、赫の真っ赤な世界が、血塗れた真っ赤な世界が。肉片と赤く染められた毛玉になった森の家族同然の仲間たちの亡骸が。広がっていた。ボクらがついたときは子供たちをかばったオオノキの胸が貫かれるところだった。


「うう、ぐっワオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン」


ダイラが怒りの遠吠えを轟かせた。ボクも怒りでいっぱいになったがここで冷静にならなければ怒りに身が滅ぼされる。ボクの場合は世界が滅びてしまう。だからボクは翼をしまって、人の姿でニンゲンどもと話し合うことにした。


「おお、お前がここの主か。勇者様、このオオカミを殺せばお宝ざっくざくですぜ!!」


「さがってろアーノルド。よく聞け魔獣。今日悪なるお前を打ち取りに来た。覚悟せよ。」


「グルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


「待てダイラ。」


「こんなことされてだまってられるかあああああああああああああああああああああああ!!」


「ダイラッ!!」


ダイラは我に返った。そして目の前にいる者の真の恐ろしさを垣間見たような気がした。ユキはただならぬ怒りをその青い眼に浮かべ、ただじっとただずんでいた。


「ン?なんだお前?勇者様になんか御用か?」


「アーノルド、下がれ。」


「・・・」


「して、貴方はなんでここにいるのです?危ないから離れてください。」


「ここがどこかわかるか?」


「邪悪な魔獣の住む魔獣の森だろ?」


「何言ってんだ貴様ぁ!!!魔獣の森はここから西に100マイルいったとこだああああ!!!!!」


思わずダイラが叫ぶ。


「え!?じゃ、じゃあここは・・・?」


「神竜の森だ。」


「「「は?」」」


勇者三人組は固まった。


「じゃ、じゃあ今まで俺らが殺してきた魔獣は・・・」


「神の使いの善良なる魔獣たちだああああああああああああああああああっ俺の友達と家族を返せえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」


狼の魔獣が怒気を目に見えて放つ。


「今日テメーらは神の領域でしてはならぬ罪を犯したんだよ!!!殺してくれるわ!!!」


「待てダイラ。」


「何でお前はそんな冷静でいられるんだ!!」


「お待ちなさい、ダイラ。」


止めたのはわき腹からドクドクと、血を流したヴァレフォールだった。とめどなく流れる血はまるで泉のようだった。


「ヴァ、ヴァレフォール!!そんな傷だらけになってまで・・・糞おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!何が勇者だ!!!死ねえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」


「やめなさいダイラ!!!復讐に身をそがれてはなりません!!すべてを神竜の御心のままに」


そういってヴァレフォールは絶命した。その横にはピリカとケイが横たわっていた。


「アオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ」


泣き崩れるダイラ。ボクも泣いた。涙腺がこわれるってこういうことをいうんだね。後から後から流れる涙が乾いた地面に吸い込まれる。


「俺たちはなんということをしてしまったのだ。おお、神竜よ。私たちを殺してください!!」


勇者は空に向かって謝り始めた。


「神竜はボクだよ。」


勇者たちがこちらを向く。


「何言ってんだガキが!!神竜は白いドラゴンのことだ!!貴様は人だろうがあ!」


「アーノルドだまれ。それが神に反し、大きな罪を犯した者の言う言葉か?」


「そうだな、アーノルドとやら、まずは貴様を罰しようか。貴様だな。この勇者をだまし、この森を襲わさせた犯人は。」


「なんだとガキがあ!!」


その瞬間ユキの腕がブレたかと思えば男の姿は粉と化した。


「あ、あなたは本当に・・・」


「勇者よよく見よ、こいつは魔物だ。たぶん魔王直属のな。」


「神竜よ、私ならば食うなり焼くなり好きにしていいですから殺して・・・」


「悪いけどボクにはそんな趣味はないのでね。ダイラ、この子供と女を見張ってろ。今から魔王つぶしに行く。あとダイラ、その二人は悪くない。それに・・・」


ユキの姿が一瞬光ったと思えば大きくなり、竜の姿に戻った。その竜が翼を広げたかと思えば翼から銀に光る、温かく優しい光が漏れ出た。


カッ


周りが光であふれたと同時に森には新しい命が芽吹き、負傷者は傷も癒え、元気になった。しかし、死んだ者はもう目を覚まさなかった。


「わあああああああああああああああああああああん皆ああああああああああああああああああああっケイ、ピリカ、オオノキ・・・」


『ふふふ、全く、泣き虫なんだから』


「ピリカ!?」


『ふふ、その子供と女の子は攻めちゃだめだよ。』


『アホオオカミ』


「オオノキ、ケイ・・・」


見渡せば魂となった仲間たちが辺りに漂っていた。


『この森のことはあなたに頼みますよ、ダイラ。神竜様もよろしくお願いしますね。』


「わかったよヴァレフォール。じゃあ、みんなにこんなひどい事させた、魔王とやらを粉にしてくる。行ってくるね。」


竜は一瞬で上空5000Mまで飛び上がり、そこから最新の戦闘機にも負けない速さで空の向こうへ飛び立った。



















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