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エンドレス・キャンパス  作者: 木眞井啓明
第一部 息吹  第八章 圧力
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登場人物)

 第二の人影達

  性格などは地球人と変わらないようで、性別も男女のようであるが、容姿は不明。


舞台)

 第二の不確定な場所

  人影がいる場所。

  特定の場所を示す有益な情報はない。


 どこなのか特定が出来ない程に暗い、しかし、それでいて真の闇ではない場所……。そこに、ゆっくりと灯っていく明かりがあるのだが、それは昼のような明るさにはほど遠く、足下だけをほのかな明るさに照らすにとどまった。

 浮かび上がってきたのは、直立していることから地球人類と同様の“種”であるようだ。それらが、円形に並んでいること、人数が五人程であることが辛うじて分かる程度である。そして、先ほど灯った明かりが背後であるため、うっすらと見える服装からしても容易に男女の判断が出来そうにない。

 果たしてここで、これほどまでに明かりが必要とされない何を行うのであろうか。

「現状、このままで良いと考えますか?」

 静けさの中、会議などで口にする前口上すらなく、いきなり議題と思われる事を淡々と話し始めた人物がいた。

 この最初に発言した人物は、声の質などから地球基準で言うところの男性に該当すると思われる。

「現状? どうなのかなぁ」

 やる気があるのかないのか、判断が付かない上に間延びした口調で喋っているが、聞き手によっては、子供じみた口調ととられても不思議ではない。

 この二番目に発言した人物は、声の質などから地球の基準で言うところの女性と思われるが、威厳どころか緊張感すら微塵も感じさせない。一体どのような人選がされているのであろうか。

「あなたのその喋り方、どうにかした方が良いわね」

 二番目の発言者に対して放たれた容赦のない言葉は、常日頃から気になっている事柄なのであろう事が覗える。

 この三番目に発言した人物は、声の質などからどうやら女性と思われる。

「え~、なんでよ」

「後できちんとお話ししましょう。……それで、“現状”とは何を指しているのか言って頂戴」

「今の状態のことだろう」

 三番目の発言者の言いように、かなりぶっきらぼうであり、半ば呆れ返っているのではないかと感じさせるに十分な喋り方である。

 この四番目に発言した人物は、低めの声の質などからどうやら男性と思われる。

 ここまでの、二番目の発言者も含めた発言には、お世辞にも格調が高いとは言いがたい。いずれにしろ、何らかの条件によって選ばれたのであろう者達と考える他ないようである。

「今なのは分かっているわ。どちらの今か、と言う質問よ」

 三番目に発言した人物が口を開いたが、言葉の端々に苛立ちが垣間見える。遠回しな言い回し(あるいはオブラートに包んだ言い回しの類い)は好みではないと見える。

「?……あ、なるほどぉ。で、どっち?」

 今更に気がついたかのように、二番目の発言者も同意するが、緊張感に欠ける口調であるのは変わらないようである。

「何を今更……。相変わらず、抜けているな」

 二番目の発言者の言葉に、かなり呆れ返っている事が、言葉もさることながら口調からも察する事が出来る。

「関わった件ですよ」

「その件は、こちらの管轄ではないと認識していますが?」

 しばらく沈黙していた最初の発言者が、やや脱線しがちであった議論の修正を図るかのように発言する。すると、最後、五番目の発言者が、間髪を入れずに喋っているが、単に規則的な内容を述べているに止まっているように感じられる。

 この五人目。最後に発言した人物は、声としては低めであるのだが、男性のそれとは違うため女性と思われる。

「だとしても、だ。大分前から関わっているんだろ。管轄外だと言って、済まされる問題ではないだろう」

「う~ん。だとして、何か打開策はあるの?」

「拘わりを断った方がよいと考えますが?」

「もう少し、詳細な部分で話した方が良いわね」

「詳細とは何だ?」

「どの部分を、どうするかと言うことよ」

 最初の発言者の軌道修正が功を奏して、本来議論すべき事柄に戻ったようである。そして、どうやら地球で起こっていることを話しているようである。しかし、現状で起こっている全てに対してを議題にしてはいないようである。

 果たして、この集団は何を語っているのか……。

「……待って下さい」

「討議中に、何だ?」

「呼ばれました」

 意見を出している最中、唐突に、最初に発言した人物が議論を中断させる。だが、議論中、五人以外の声はなかった、筈である……。

「またお前か」

 四番目に発言した人物が、愚痴と分かるように呟いているところから察するに、最初の発言者にのみその声は聞こえているのであろう。

「……それは決まっていることだから仕方がないでしょう」

 この四番目と三番目の発言者の言葉と、他の人物からも否定する意見がないところから、この場にいる全員が、最初の発言者が“呼ばれた”のが、誰からであるのかを承知済みと言うことなのであろう。

「分かってはいるが、癇に障る」

 四番目に発言した人物は、少々機嫌を損ねたようだが、それに構うことなく最初に発言した人物が……。「行ってくる間、討議を中断します」

 伝え終わると、薄明かりが消える。

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