春の日々 リリィはオリバーと一緒に過ごしたい
春が来て二人の関係性も少し変化があったようです。オリバーは前に進めるのか。そのタイミングは作者にもまだわからない。
冬が空け、残雪も無くなり過ごしやすい時期が来た。この時期になると色々な生物がお盛んになる。
今日も元気にゴブリンの集落を襲撃だ。最初は俺が注意を引いている間にリリィが石壁を作り、指定された脱出ルートで脱出後に石礫を鬼連打して散発的な遠距離攻撃が無くなるまで様子見だったけど最近はやり方を変えた。
よほど大きな集落でない限り朝方に土魔法でドーム状に敵集落を覆って天辺の小さな穴から風魔法で霧状にした油を入れた後に火炎魔法を突っ込み完全にドームを閉め切り30分も放置すれば任務完了だ、朝方を選ぶのはまだ敵勢力が睡眠しているのと、明るいので逃げ出した個体を俺が追う事が出来るからだ。最悪取り逃がしてもギルドに何匹取り逃がしてあっちの方向に逃げたと報告すれば問題ない、規模にもよるが半分以上殲滅できればクエスト成功だ。
閉め切った空間で油に火をつけるメリットは延焼を押さえて山火事を防げるのと、密閉空間で火が燃え続けると空気が汚染され敵は窒息死して綺麗に討伐証明の採取ができる事だ、石礫だと討伐証明部位が砕けて無くなり報酬が減るのだ。
最大のメリットは俺が安全という事だ、遠距離でリリィを守ることに専念すればゴブリンやオーク程度なら怪我をするリスクは激減する。以前に調子に乗って藪をククリナイフでかき分けながら進んでいたら毒蛇に噛まれて死ぬ寸前までになった事がある。意識が朦朧とする中、リリィが必死に早口で詠唱をしてダンジョン前町まで飛ばしてもらい高位冒険者に懇願し解毒してもらった事がある。あの時のリリィの判断が町に戻るだったら今頃俺は墓の中だっただろう、町には高位の解毒魔法を使える人材がほぼいないのである。
そんなこんなで今日も無事に大型クエスト成功で狭いながらもワンルームの我が家で祝勝会だ。最近は飲食店で飲み食いするとお金がかかるのですべてテイクアウトをして自宅で祝勝会をするようになった。
お酒も瓶で購入して家政婦のお婆さん宅の小さいながら地下保管庫で手作り漬物と一緒に保管してもらっている。お婆さんは下戸な上に長生きしているだけあって賢い、ここでお酒を横流しするよりちゃんと保管をして持続的に俺たちから仕事をもらえる方が得だと知っている。後、たまにお婆さんから購入する漬物が酒のつまみになるとリリィの中で絶賛中だ。俺はまだ漬物のおいしさが分からない。
夜も深くなり明かりも消し睡眠の時間だ、リリィは俺のベッドの隣に簡易ベッドを置き俺の手を握りながら就寝する。当然俺も男だ、絶世の美女が手を握りながら就寝するなんて緊張しないわけが無い。異世界小説の主人公のように鈍感でもなければ難聴でもない。
ただ、思い出すのだ、赤髪の女性の事を。オリビアに未練があるわけじゃない、最初は未練タラタラだった。咄嗟に思いついた名前がオリバーだ、当時はオリビアの事ばかり考えていたいのだろう、無意識とはいえ似た名前にしたのは後悔している。自分を好いてくれいている上に自分も惹かれている女性に名前を呼ばれるたびに強制的にオリビアを思い出す。
オリビアのように掴むと霧のように自分の手から消えるのではないか?あり得ないと分かりつつ、リリィと一線を越えようとするとその事が呪いのように体を重くする。なんせ一緒に過ごした十年以上の時間と想いが一か月も立たないうちに別の男に奪われたのだ、腸が煮えくり返らない方がどうかしている。
リリィは何も聞いてこない、あなたのタイミングでいいと言ってくれる。そのかわり逃げたら死ぬけどって軽く言われた。笑顔であなたの事を想いながら死を選ぶとか言われるとちょっと怖いがそれだけ好かれていると思うと悪い気はしない。でもいつかは俺が何故一線を越えられないのか、名前は出さないがオリビアとあった事の話はすべきだろう。
そんなこんなで夜はふけていく。明日もクエストだ、タケノコ掘りに挑戦する予定だ、タケノコは熊も好物なのでそれなりに危険なクエストだ、熊は下手な魔獣より強いのだ・・・と考える内に眠りについていた。
よく物語を紡ぐクリエイターがキャラが勝手に動くって言ってるじゃないですか、自分もほんの2日前までは、どうせ過去の偉大な小説家や漫画家言ってたからみんな真似して言ってるんだろ?と冷笑系主人公みたいな事を考えていました。
いや、まじで動くんだね、自分みたいな走りたての足がプルプルしている小鹿と言うかクソザコナメクジでも動いちゃうんだもん、ビックリだよ。リリィと主人公の妹ちゃんが絶賛稼働中です。本当はもう少しオリバー君まわりにヒロイン候補を増やそうとか思ってたけどリリィが大暴れするのと自分の力量の無さで今のところ新しい女が入り込む余地が無いです。
空を飛んでの移動、それなら普段使えばいいじゃん、着地が命がけなのです。ただでさえリリィは詠唱が必要なので着地の瞬間に合わせて詠唱を完了させる神業を毎回成功させるのは不可能です。緊急事態でダンジョン前町に飛んだ際も気合で着地用に風魔法を展開しましたがそこそこの怪我を負っています。たった今思いついた設定、読み直している時にナチュラルにリリィが空を飛んでいてびっくりした。
オリバーとオリビア、何も考えて無く見切り発車で書き始めたのですが伏線がありましたね。伏線を貼るとかカッコいいですよね。
そんな事は無いメッチャ偶然、本当に適当に「西洋人 男性 よくある名前」と「西洋人 女性 よくある名前」でググって出てきた名前を適当につけただけです。偶然って凄いね。




