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アンナ①

 アンナは回復系の上級スキルである『再生』の使い手として、マーガレットに見出された。いや『再生』持ちは世界ギルドで見れば100人には満たないが、相当数がいるから正しい表現ではない。


『再生』と魔法の効力を強める『増幅』を合わせ持つ事に加えて、『光甲』の防御魔法が使える為に、戦場に立てる回復役として期待されている。マーガレットに近いスキル構成であり、マーガレットの役職でもある治癒司の次代の担い手として、マーガレットが直接指導する3名の内の1人となった。


『回復』を代表とする治療魔法は、魔力量の大きさもそうだが、術者が放出量をコントロールする事が何よりも大切だ。対象に合わせて最小限の魔力を使う事が基本となる。1日1回のみの使用とかであれば微細なコントロールは不要であるが、ダンジョン内であればそうはいかない。回復役の魔力切れはたちまちパーティやクランの瓦解に繋がる。


 また、魔力を使い果たす事は頭痛や衰弱、人によっては命の危険を伴う事もあるが、魔力が回復した際には魔力量が増える事もあるために、3人は最低限の出力でより大人数を治療する事が常に求められている。

 3人は毎日治療所に詰めており、自身の限界まで治療を行うと自分の部屋に戻る。時には遠隔地へ出張する事もあるが、立っているのが限界という所まで治療を続けているので、どこへいっても大差はなく、起きて治療して寝るという毎日の繰り返しだ。

そんな毎日を過ごす3人は、2人の女性は聖女、1人の男性は聖者と呼ばれている。


アンナは聖女と呼ばれるのが大嫌いだった。治療をする事は嫌いじゃない、目の前で喜んでもらえるのだ。やり甲斐は大きく、治療する相手は様々であり、毎日繰り返しているが機械的に治療を繰り返している感覚はない。


だが、聖女と呼ばれるのは違う。どちらかと言えば気分屋だし、マーガレットの事も心の内ではおばさんと呼んでいるし、正直治療したくない相手もいる。遠くに行けば遊びに行きたいし、たまにはハメを外したい。

聖女なんてのは、それこそ治療ロボットとして求められている証拠だと思う。それが極端な考えという自覚もあるが、他の2人は性格も穏やかだし、使命として治療をしている感もあるから、なおさら自分が偽物だという思いがあった。


治療が終わり部屋に向かおうとするとマーガレットに声をかけられた。


「アンナ、あなたに依頼を出すわ」


「依頼ですか?」


「ある攻略者達がエクスパンションダンジョンに挑むから、一緒に制覇をしてきて欲しいの」


マーガレットの言った事が直ぐに理解できなかった。いや内容はわかるのだが、マーガレットが簡単に難しい事を言ったからだ。


「あら、いや? 次はあなたの番のはずだげど」


直ぐに返事をしないアンナに驚いたのか、意外といった感じで聞いてくる。ダンジョンへの同行は3人で順番にやっていて、確かに次は自分の番なのだ。


「行きます。エクスパンションダンジョンと聞いて驚いたのです」


「そう? どこに行こうとあなた達が直接戦うわけじゃないから、変わらないと思うんだけど」


マーガレットはとぼけているわけではない。ネジが飛んでいるだけだ。


「見聞を広げる機会を頂き、ありがとうございます。今回のダンジョンはどこでしょうか」


「日本よ」


日本、いい事を聞いた。俄然やる気が出てきた、アンナの癒しであるアニメとマンガの聖地。ダンジョンに行く前後で時間はあるはずだ。行きたい所は山程ある。今回こそいろんな所に行ってやる!


「言い忘れたけど、今回は私も同行します」


「えっ」


「久しぶりのダンジョンだから、私も年甲斐もなく楽しみになってきたわ」


私の楽しみは一瞬にしてなくなりました。そう言いたかったアンナであった。


ーーーーー


 「さて、いよいよ明後日から百道のダンジョンに行きます。質問がある人!」


シカさんの部屋に集まったのは、シカさんとシロウ、ヨウコ、ファフの4人だ。シカさんは説明をすると言ったがはじまったのは質問タイムだった。呆気に取られたシロウとは違って、ヨウコが直ぐに質問をする。


「シカさんはエクスパンションダンジョンに行った事がありますか?」


「もちろんあるわよ」


「普通のダンジョンとの違いってなんでしょうか」


「うーん。普通のダンジョンとの違いは3つね。一つ目はダンジョンが広い。普通のダンジョンは洞窟とか近くの構造物を取り込んで似せたモノとかだけど、エクスパンションしたダンジョンは、外の世界にいるみたいなの。そこにも世界があるって感じかな。二つ目は弱いモンスターが出ない。例えば普通のゴブリンとかはどこのダンジョンにもいるんだけど、エクスパンションダンジョンにはいない。ゴブリンの進化したやつとかはいるから、エクスパンションした事で、全てのモンスターが進化したって考えてる人もいる。最後はスキルね、シロウは超級スキルをいくつか知ってるよね」


「例えば『剣聖』とか『槍聖』みたいに武器に関したスキルの事ですよね」


「超級スキルの代表的なやつだね。シロウの持っている『剣聖』やヨウコの『風魔』みたいに武器や魔法に関するものは有名だけど、実は他にもいろいろある。私はそれを2つ持っている。いい機会だから教えておくけど、私のスキルは『爆破』と『超念』。『爆破』は触った物を任意で爆発させる事が出来る。もう一つの『超念』は説明しにくいんだけど、わかりやすくいうと念動力。触らなくても物を動かしたり出来る」


「超級を2つも。シカさんはやっぱり凄いんですね」


「有名どころの攻略者とかはこの超級スキルを持っていると思うわ、そして更に上に真級スキルがある」


「真級、、凄いですね」


「真級はほとんどが固有スキルで、私も一つ持っているけど今は内緒。誰にも話していないの、良い女には秘密があるものよ」


言いながらウインクをするシカさん。


「それでね、エクスパンションダンジョンの話に戻るけど、私が行ったエクスパンションダンジョンは4つ。その全てに超級スキル以上を持ったモンスターがいた」




お読みいただきありがとうございます。

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