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君に、声を  作者: 桜 寧音
三章 高校一年(六月〜)
52/73

2ー2ー2 告白・発表・特典

配信。

 待機場所を作っていたようで十九時には配信が始まる。パソコン画面が待機から配信になったことを確認して根本さんが声を発する。


「はーい、こんばんわ!今日も配信始めていきますよー。……いや、このメンバーだと本当に同接が凄いね。前の配信の時と同じで一万人超えてるよ……」


 そんな言葉を告げていると配信のコメントが流れて「早くゲストを紹介しろ」とか「ゲーム画面見せて」とかあとは普通の挨拶だったりが流れていた。画面には僕たちが既に映っているために僕たちのこともコメントが流れている。

 というわけで根本さんが僕たちの紹介に移る。紹介の順番はさっき段取りで決めていた。東條さん、津宮さん、僕の順番だ。


「はい。東條でーす。よろしくぅ」


「津宮でーす。今日『ソラソラ』のために三万円課金してきました!」


「あ、それ言っちゃう?課金額の話は後にしましょうって決めてたのに」


「いやあ、ごめんって。みーちゃんどうぞ」


「はい。間宮です。よろしくお願いします」


 挨拶は簡潔でいいと言われているのでこんなもので済ませた。今日の本題は『空を()くは天空騎士団』のガチャ配信なので僕たちの自己紹介は簡単に流す。

 挨拶もそこそこにメイン画面をゲーム画面にしていた。根本さんはゲームをインストールしただけでそれ以外を何もしていなかったのでチュートリアルから始めることになった。僕たちはチュートリアルだけは済ませてある。操作方法とプロローグは終わらせてもうガチャができる状態にしてある。

 根本さんは『空を()くは天空騎士団』のゲームを進めていく。


「うっわあ!すっごいグラフィック綺麗!」


「あたしらは収録の時もイラストしかなかったからこうして動くのは初めて見るね」


「あれ?でも根本ちゃん、公式番組でティザーPVとか見てるでしょ?デモ動画とか」


「それでも実機で実際にやるのは違いますよー」


 根本さんがゲームを進めていく。

 世界は魔物がありふれている。そして国家間の戦争もある物騒な地上。

 そんな地上に嫌気が差し、人々は空を目指す。空に浮かぶ空島に移り住み、空で自由な生活を始めていた。そんな空と地上でも新たな諍いが起こり始める。


 そんな中、まだ開拓されていない空島を求めて天空騎士となり自由を求める主人公が──。というのがプロローグだ。ここで主人公を選ぶ選択が出る。男主人公か女主人公だ。根本さんは女主人公を選んでいた。

 この女主人公が福圓さんの演じるキャラだ。男主人公は津宮さんと同じ年代の男性声優。僕と津宮さんは男主人公を選んだ。この選択で変わるのは男女の防具だけでそれ以外の性能はほとんど変わらないっぽい。武器とかステータスは共通なんだけど、防具と衣装だけは男女で別になるみたい。


 武器防具はガチャかクエストで手に入れられるみたいなんだけど、この辺りは進めてみないとわからない。

 根本さんが操作を続ける。主人公は一人で村を出て新しい空島を探そうとして飛行船に乗ったところ魔物に襲撃されて戦闘チュートリアルが始まる。


「あ、やっぱり剣を使うんだ。これスマホで操作難しくない?私は今スイッチでやってるけど、スマホだとタップでやるんでしょ?」


「あたしら全員スイッチでやってるからスマホの大変さはわかんないなあ」


「根本さん操作上手いですよ。攻撃しっかりと当てられていますから」


「セミオートで当ててくれるからアクション初心者にも優しいよなあ」


 僕たちはプロローグが全部終わるまでガヤに徹する。戦闘チュートリアルを終わらせて戦闘ができないヒロインキャラと出会ってひとまず最初のプロローグが終わる。


「はい、というわけでチュートリアル終わり!ここから配信の本番、ガチャ配信をしていきますよ!今日狙うキャラですけど、ここの四人全員のキャラクターがガチャで配信されているのでその四人を当てることを目的としています」


 画面もガチャ画面になる。そこで一人一人のキャラを紹介していく。

 キャラクターのイラストとステータス詳細、それにCVなどが確認できるようになっている。ガチャではキャラクターと装備で別れているようで、手に入れられるのは星三から星五まで。排出率はやはりレアリティが上の方が低い。


「この中だと津宮さんの『デミエル・ドラットロン』が一番上の星五ですねー。私の『桜ノ姫』とハルちゃんの『ソディア・オーラム』は星四で、みーちゃんの『アセム・クロウ・ル・フェ』が星三です。この四人を当てていくのですが、全員で一斉に引くと画面を何分割にもして音とかの調整も大変なので一人ずつ十連をしていきます。初めは私から!一発で全員当てちゃうもんね!」


「あ、ここで課金額言っておこうぜ。俺はさっき言った通り三万円!」


「あたしとみーくんは一万円」


「僕も皆さんの金額を聞いて急いで課金しましたけど……。ガチャって皆さんそんなにお金をかけるんですか?」


「人それぞれだよ。私は二万円」


 結構な金額を入れていた。今のうちにガチャに必要な石を購入しておく。リリース記念で結構石をもらってるんだけど、皆さんが課金するというから課金した。

 このまま根本さんの画面のままガチャを始める。根本さんの名前を画面の下の方に表示させてそのままガチャを引く。僕たちもテレビに接続したガチャ画面を見ていた。

 ガチャは船が空島に向かっていき、その行く際に船か空島が光っているとレア演出らしくて良いレアリティが出やすいらしい。根本さんの最初の十連は船が金色に光っていた。


「キタキタ!」


「いきなり光ってるのは凄いんじゃないか?」


「演出ってどれが一番良いんでしょうね?ゲームごとによって違うんですか?」


「大抵は虹色が最高レアってことが多いかな。他にも特別な演出があったりするけど、それはゲームごとに違うから見てみないとわからないぞ」


「できたら演出見たいですね」


 キャラクター限定のガチャだからかキャラクターがポンポンと出てくる。十個の球体が現れてその内の二つが金色だった。星三キャラが何人も出てくるけど「アセム」は出ず星四キャラも目的のキャラではなかった。リリース初期にしてはキャラが五十キャラいるみたいだけどその内の十キャラが星一と二だ。

 だから四十キャラがガチャで出てくるわけだけど、星三キャラは二十キャラ以上いるために「アセム」も十連では出なかった。


「誰も、出ませんでした!」


「次あたしねー」


 画面の接続を変えて東條さんの画面を映す。

 僕たちはリリース記念の石も含めて百連以上回せる。リリース記念で六十連以上回せるんだからそれで十分だと思うんだけど、四人のキャラを当てるなら足りないのかもしれない。

 星五キャラのピックアップはされていないので狙うのは厳しいかもしれない。でも今は五キャラしかいないから星五のキャラ確定演出が出れば津宮さんのキャラが当たるかもしれない。五キャラの内の一人なので確率は高い。


 今全員が回しているのはスタートガチャというもので無料で十連できるガチャだ。これが終わったらガチャを選べる。

 東條さんの画面では、空島が虹色に光っていた。


「あ、これって」


「一番乗り!」


 十個現れた光球の内、九番目が虹色に光っていた。アレが星五なんだろう。それ以外は全部青い光でポンポンとキャラクターを見ていく。「アセム」は出ない。そして九番目の光に進むと大きな効果音がしてキャラがシルエットで見えて、その後キャラクターが見える、

 それは残念ながら「デミエル」ではなく女性キャラだった。「アンジェラ・ヒュライン」というキャラ。


「あら、惜しい。津宮さんのキャラじゃなかったわ」


「あ、でも。凄いコメントが流れてますよ」


「当たりっぽいよ。性能が良いのかな?」


「この子、星五の中で唯一のサポーターらしい」


 全体回復に無敵付与ができるらしい。コメントで知った。どんなゲームでもサポーターは一人確実に必須のようでこういうキャラクターは長い間愛用されるらしい。

 結局「アセム」は出なかった。


「次俺なー」


 津宮さんが回す。島が金色に光っていて一つだけ金色に球体が光っていた。

 と思っていたら五番目の空色の球体がいきなり金色に輝いた。昇格演出らしい。

 そこで「桜ノ姫」を引いた。


『わらわに戦えと……?無礼者!常春の国の姫、「桜ノ姫」を働かせることすら無礼である!むしろ給仕をせい、わらわが魔術を使えるからと荒事に駆り出すな!』


「本当の一番乗りぃ!」


「はやっ!」


「お⁉︎」


 そしてその次のキャラクター。それは。


『ははっ、俺の力が必要か?剣も魔術も半人前で、記憶もない俺だけど、精一杯力になってやるぜ!……え?俺の魔術はおかしい?だから魔術を見せたら誰にでも変な顔をされるのか……?』


「『アセム』きちゃー!」


「ズールーイー!」


 僕の演じる「アセム」が初めて出た。星三なのに三十連してようやく出るなんて。

 もう一人の星四で「ソディア」は出なかった。流石に十連でリーチまでは行かなかったらしい。

 せっかく当てたのでキャラクターを色々と動かし始める津宮さん。


「『桜ノ姫』は本当に和の国出身って感じで着物とか凄いな。あとファンタジー着物にありがちな露出高め的なことはないんだ」


「この姿はそうですねー。ただレベル上限を上げると衣装が手に入るのでそっちは、うん」


「へー。楽しみにしとこ」


「結構高圧的なキャラなの?」


「だね。箱入り高飛車娘だから。性能としては後方からとにかく魔術を使うアタッカーみたい」


 3Dのキャラクターをグリグリと回していく津宮さん。戦闘で使うのは後にしてステータスだけを確認していく。攻撃力が高い割に紙装甲と呼ばれるHPと防御力がかなり低いキャラのようだ。

 そして「アセム」の方に移る。


「ええ?必殺技、自傷ダメージ付きなんだ?結構ピーキーかも?」


「でも威力はかなり出るみたいですよ?キャラとしては剣も魔法も使う魔法剣士タイプらしいです」


「いやでもキャラデザいいなあ。カッコイイ」


「ウンウン!キャラも声もカッコイイよ!」


 根本さんにも大分好評らしい。この後「クロウ」と「アセム/ル/フェ」が出たらどんな評価を受けるのだか。

 ステータスやスキルを確認して次は僕の番だ。ゲーム機を繋いで回す。


「あ」


「うん?」


 船が光ってヒロインが笑顔で現れた。なんだろうこの演出と思っていると現れた光球は一つ金色で一つ虹色だった。


「確定演出ってヒロインが喋るんですねー」


「色々あるな、演出」


 そして一つ目の空色の球のボタンを押すと、僕の声が聞こえてきた。


『ははっ、俺の力が必要か?剣も魔術も半人前で、記憶もない俺だけど、精一杯力になってやるぜ!……え?俺の魔術はおかしい?だから魔術を見せたら誰にでも変な顔をされるのか……?』


「おー」


「自引一発目って凄いな!」


「これが声の触媒!」


 自分のキャラを一キャラ目で引くのはなんというか、うん。コメントがすっごく流れている。僕が僕の担当キャラを引くっていうのは驚くことなんだろうなあ。

 そして金色の球体の前にまた「アセム」を引いて、金色の球体はなんと「桜ノ姫」だった。


「私だー!」


「なんでみんな明菜の方ばっかり引くわけ?」


 そして虹色の方は「デミエル」だった。


『よーこそ、新世界へ!君達の旅路を祝福しよう。私が君達の()く道を照らそう!神の加護があらんことを……。うん?治癒?神聖魔術?なんだねそれは。神父たるもの、鈍器で潰さなければ』


「なんか、物騒なキャラですね?」


「神父らしくない神父なんだよなー。近接オンリーだってよ」


 津宮さんの演じる神父はなんちゃって神父だった。メイスや棍棒を持って殴打するキャラらしい。スキルとかには一応防御アップもあって役割としては防御を主に扱うタンクらしい。味方を守るスキルが多いみたいだ。

 見目は本当にちゃんとした神父なのに、言動が全部破壊僧じみている。

 これで全員無料分は引き終わったので次に引くガチャを回そうとする。リリース記念で一回限定の有償ガチャ限定の星五キャラ確定のガチャがある。それを引くことになった。


 全員回したけど、津宮さんが「デミエル」を当てたけど他の僕たちは誰も目当てのキャラを当てられなかった。ガチャってこういうものだよなあと改めて思った。

 そこからもガチャを続けていく。僕が東條さんの「ソディア」を当てて一抜け。次に抜けたのは東條さんで自分の「ソディア」と津宮さんの「デミエル」を二枚抜きしてフィニッシュ。二枚抜きという言葉は基本的に最高レアリティのものに使われるらしいので今回のは正確には二枚抜きではないらしい。


 そして沼に嵌っているのは課金額も多い津宮さんと根本さん。

 津宮さんは「ソディア」が出なくて、根本さんは面白いことに「アセム」が出なくてガチャを終わらせられなかった。


 コメントには「草」が大量に。「最低保証レアリティの星三『アセム』が八十連で来ない確率ってどんだけだよ……」「四人ともしっかり『デミエル』と『桜ノ姫』は確保してるのはすげえ」「確率バグってる?」などがコメントで流れている。

 いやホント、「アセム」が出ない根本さんはおかしいと思うけど。


「みーちゃん!声で触媒ください‼︎」


「えー。何を言えば良いんですかね?」


「『アセム』のセリフとか?」


 そう言われて本棚から台本を取り出す。収録した順に台本を整理しているので見付けるのは簡単だった。

 どれが良いだろうとパラパラとセリフを確認して、これだと思ったものを声に出す。


『空島を巡るのも良いんだけどさ。俺は元々地上に住んでいたからさ。余裕があれば地上も探索してみたい。……イヤイヤ、本気にしてもらわなくていいぜ、団長!俺の都合は後で良いって。空島探索、夢があっていいじゃないか!』


 団長である主人公へ向けたボイス。汎用ものなのでこれでいいかなと思って選んだ。

 そして。


「ありがとう!これで勝った!」


 根本さんは回すものの、「アセム」は出なかった。やっぱり担当している声優がいるからって出るとは限らないんじゃないかな。迷信の類だろうし。

 コメント欄は「触媒使ってもダメってw」「生ボイス助かる」『確率は一切弄っていません』「公式⁉︎」「公式チャンネルもよう見とる」などなど大盛り上がり。『ソラソラ』の公式チャンネルもコメントをしていたらしい。リリース日に出演声優が四人も集まってガチャ配信をしていたら流石に把握されるか。

 根本さんが配信の許可とかも取ってるだろうし。


「うわーん⁉︎何で出ないの⁉︎みーちゃんここにいるのにぃ!」


「俺も一向に『ソディア』出ないんだけど⁉︎東條ちゃん俺になんかした⁉︎」


「いや、あたしは何もしてないけど?普段の行いじゃない?」


「課金もしてるのに!」


 一番石に余裕があった人たちが出せないって、世の中不思議だよなあ。僕と東條さんなんて勝ち上がってしまったから装備ガチャを回している始末なのに。

 一応声の触媒的な御利益はあったと思う。僕は「アセム」を五人確保できた。キャラが被るとキャラの必殺技を強化できるようで五人当てれば最大火力になるらしい。

 そして根本さんが禁じ手に出る。


「みーちゃん!私のアカウントで回して!」


「もうボイスは良いですか?」


「うん、回してくれればOK!」


 根本さんのゲーム機を借りてガチャを回す。人のお金で回すのはなんだかなあと思いながらも回した。

 船が光る演出。十連で星四位上は一枠確定らしいので平常運転だ。金枠は一つ。ただ根本さんが狙っているのは星三だから空色の球体が多いのは良いことなのかもしれない。

 四つ目の金色の球体はなんと「桜ノ姫」が出た。僕が回しても出るってことは根本さんのアカウントだからだろうな。

 そして五つ目の球体から、とうとう目当ての「アセム」が出た。


「きちゃアアアアア!やっと『アセム』引けたぁ!ありがとうみーちゃん!」


「いえいえ」


 その時点でゲーム機を返したら十連の最後でも「アセム」が出ていた。ここで二枚抜きって。百連ピッタリで出たことはなんだかキリが良いと思う。

 コメントもようやく出たことに盛り上がっている。「アッキーナ持ってる」「出ない方が面白かったのに」「切り抜き不可避」などコメントが流れるのが早い。

 根本さんは先に抜けたために津宮さんを煽り出した。


「あっれぇ〜?まだ引けてない人がいますねえ?どうしちゃったのかな〜?」


「グゥ⁉︎みーちゃんに引いてもらうのは卑怯だろ!東條ちゃん、引いて!」


「え、嫌です。自力で引いてください」


「チクショー!」


 結局津宮さんは百三十連目で「ソディア」を引いた。無事に全員目当てのキャラを引けてめでたしめでたしと言ったところ。津宮さんがガチャから出るキャラではあと三キャラでコンプリートまで引いたのは正直かなり運が良いと思う。

 で、そこから根本さんと津宮さんも装備ガチャをちょっと引いて装備を着けて、このゲームの醍醐味であるマルチプレイを行うことにした。


「各々自分のキャラを操作してマルチ要素のボスアタックをして行きたいと思います!定員は十人までなので視聴者さんも参加できたらしてくださいね」


 僕たち四人が先にマッチングルームに入り、その後部屋番号を公開して一番弱いボスに挑むことになった。リリース記念でキャラ強化用のアイテムも少しは配られていたのでそれで強化して挑む。それでもレベル三十くらいにしかならなかったけど、これで勝てるんだろうか。

 大きなゴーレムと戦いに行く。リアルタイムで全員のキャラが動くシステムで部屋が埋まった後にスタートすると一人だけ飛び抜けた人がいた。


「えっ⁉︎この『アセム』、レベル六十五なんだけど⁉︎」


「リリースされてまだ四時間ですよ?それで限界突破三回してるんですか……?根本さんの視聴者さん凄いですね」


「いやこれ絶対みーちゃんファンだよ!」


 そんなすごい人が一人いつつ、ゴーレム退治。操作を改めて確認しつつ全員で挑んだ。


「あたしバフかけるよー」


「ありがと、ハルちゃん!」


「あ、HPが……。もう必殺技撃っちゃいますね。後は任せました」


「もう⁉︎」


『流転を示せ、月の宵闇(ノクターン)!妖精郷の夢を、月夜に映し出せっ!ああああああああっ‼︎模倣・妖精の楽園(ティル・ナ・ノォーグ)!』


「カッコイイ!」


「あ、大ダメージって固定なのかな?三分の一あったHPなくなって戦闘不能です」


「みーちゃんの『アセム』、マジでピーキーだなぁ!ダメージソース高いけど!」


 もう一人のレベルが高い「アセム」の人も必殺技を使って勝利。

 マルチのボスを倒したらキャラや武器を強化できるアイテムがゲットできて、低確率で武器がドロップするらしい。ダメージランキングなんてものも出てて一位がレベルの高かった『アセム』の人。僕も必殺技が良かったのか三位になっていた。


「これ、序盤はみーちゃんの自爆戦術がかなりイイんじゃね?このレベルでこれだけ稼げるのって大きいぜ」


「三位に入るとドロッププラス二個なんですね。一位になると四個プラスで貰えるのは大きいかも」


「リリース初日としての宣伝ならめちゃくちゃイイ配信だったんじゃないかな?というわけで今回の配信はそろそろ終わりにしまーす。じゃあハルちゃんから締めの挨拶よろしく」


 九時半を過ぎていたので終わりにすることになった。二時間半も配信をしていたなんて。誰も特に告知はなかったので『パステルレイン』よろしくというのと、単行本で出る『星々』の宣伝、それとこの『ソラソラ』をよろしくと言って配信は終わった。

 片付けを三人に任せて、ここからは料理の準備をしなくちゃいけない。ご飯は炊いておいたのであとはメイン料理を作るだけだ。


 熱したフライパンにオリーブオイルをひいて事前に用意をしていた鯛を投入する。塩を振って滑りを取ってキッチンペーパーで包むことで水っ気を切っておいたし、十字に切れ目を入れた。カットしたマッシュルームとミニトマト、それに砂抜きをしておいた浅蜊も準備しておく。

 鯛に焼き目がついたらひっくり返してマッシュルームとかを入れる。ここで料理酒を少し入れて蓋をする。

 浅蜊が開いた頃にだし醤油も少々入れて少し野菜に火が通っているか味見する。大丈夫そうだったのでちょっとだけ胡椒を振り掛けて完成だ。

 にんにくを入れる場合が多いけど、女性が二人もいるしにんにくはやめておいた。


「はい、アクアパッツァです」


「いやあ、鯛を買ってたのは知ってたけどこうするのか。女子力高くね?」


「写真撮るね!」


 みんなでパシャパシャと撮る。そしてご飯と一緒に取り分けたアクアパッツァを口に運んだ。


「「「ウマーイ!」」」


「それは良かったです」


「いやホント、みーちゃん俺の家で料理作ってくれ!」


「あたしも!金は出す!」


「え、あ、私も!」


「いや、毎回こんなに凝ってないですからね?今日は配信があるし皆さんが食べるからって奮発しただけです」


 皆さんがSNSに上げたりしてまあ話題にはなった。配信自体も高評価だったらしく、その日のサイト内急上昇ランキングゲーム部門一位になったらしい。

 食べ終わった後に全員でもう一度マルチプレイをして解散になった。

 日曜日のご飯は、さすがに断る。外食でいいんじゃないかな。


次も日曜日に投稿します。

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