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LEGEND COLLAR~色彩の英雄~  作者: 水晶 蜻蛉
黄の章 憧れの異世界 編
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黄の章 第6話 ステータス

ほぼ説明、おさらい回です。

黄の章 第6話 ステータス

 

 成功を収めた狩猟かりの帰り道。成功とは言えそれは俺と共に行動をしてくれている二匹の兄弟への報酬えづけが主な目的だ。

 二匹は生肉が大好物で骨ごとバクバク食べる。狼は本来雑食だが俺の居る群れでは俺以外、基本肉しか食べていない。お母様だけは稀に草とかドングリみたいな木の実を食べている。しかしそれは気まぐれの様な物なのだろうな。探し回って食べていると言うよりたまたま見かけたら食べていると言った様子だ。

 俺はどう頑張っても味気なく、生臭く、不快な柔らかさの生肉は食べる気になれない。人間だった頃もレバ刺しとか無理だったからな。狼に生まれ変わって味覚が変わると言う事も無く、今も俺の舌と胃袋は生肉を拒んでいる。

 

 肉食を拒んでいるからか俺の体躯は他の兄弟達と比べて小さい。今の所俺が食えるのはただの雑草より少しマシと言ったレベルの草と木の実だけだ。一応お母様が食べている物と同じ見た目、同じ匂いの物だけを食べているので腹を下したりはしていない。

 狼の優れた嗅覚はとても便利で狩りは勿論の事、無数の草木の中から目当ての食べ物を見つける事が出来る。この嗅覚が無ければ嫌が応でも生肉を口にしなければいけなかったと思うと心の底からこの便利な鼻を授けてくれたお母様に感謝してしまう。

 ああ、自分たちが食べる訳では無いのに率先して俺が食う分の食糧採集に協力してくれる二匹の兄弟にも感謝しよう。本当にいい奴等だよ。俺の言う事をちゃんと聞くし、俺の事を心から尊敬している感じだ。前世では一人っ子で年の近い親戚すら居なかった俺は、兄弟と言う物に一種の憧れを抱いていたのだが……いや、やっぱり良い物だな!

 何と言うかこう……純粋に自分を慕ってくれる存在に対して、「もっと何かしてやりたい」とか「喜んで欲しい」と思えるのだ。親友の天月が自分の兄弟の為に料理人と傭兵の二足の草鞋を履いて金を稼いでいる姿を昔は狂気的だと思っていたが、今こうして兄弟を持ってみるとアイツの気持ちも少しは分かる気がする。うん、兄弟は義妹や義姉こそ至高と考えていたがその考えは改めねばな。ああ、因みに共に行動をしている二匹は両方ともオスだ。

 

 ……お、今日はやけにドングリモドキが沢山落ちているな。これ、外側の殻はあんまり硬くないし味もクルミみたいで美味しい。これで塩味でも付いてれば最高だが……そんな考えすらも今の状況じゃ贅沢なんだろうなぁ。

 

……おお! レベル上がっているじゃん。ラッキー。今日はいい事ずくめだな! 

 ああ、そうそうレベル……と言うかステータスに付いてもおさらいしとくか。漫然と帰路を歩くのも味気ないし、どうせ帰ったら殆ど寝るだけだ。今のうちに頭を使って置こう。

 

 アレはそう、生後間もない頃だった。目もろくに見えなかった俺は突然、直ぐ近くから俺をこの世界に転生させた二柱の女神の片割れ、ユグドラシルと名乗る女性の声を聞いた。

 出会った当初感じられたどこか怯える様な自身の無い声音とは違い、若干事務的な感じの口調だったがこの世界で生きて行くのに役立ちそうな知識を多く与えてくれた。

 

 この世界に存在する独自のシステム。ステータス、レベル、進化、魔法、どれも心躍る単語であり、俺が趣味とするゲーム……それもRPGゲームに酷似したシステムに俺の心は高鳴った。

 先ずはそれらの単語の意味をおさらいする事にしよう。

ステータスは……少しでもコンピューターゲームやTRPGを嗜んでいるなら簡単に理解できるだろうが、まあこの場合身分とか直訳的な物では無くて「キャラクターの性能」と言った物だ。具体的に例を挙げると能力値とか特殊技能とか、場合によっては持ち物も含まれるな。なんとこのステータス、見たいと思うだけで自分のステータス情報が観覧できる。それは俺達の様に転生した人間だけじゃなくこの世界の生物なら誰もが自身のステータスを見れると言うのだから驚きだ。女神に事前の説明をされて居なければゲームの世界に迷い込んだと思った事だろう。幸か不幸か、この世界はゲームの様であっても異なる世界だ。

 

 次に重要な要素は何と言ってもレベルだろう。まあこれも俺にとっては馴染み深い単語だ。

 レベルとは主に成長度合い等を示す一種の指標だ。このレベルが上がるとレベルが上がる前の状態より成長したと言う事で様々な能力の増減がある。しかしこのレベルは何もせずとも自然と上がるわけでは無い。

 ゲームによってはひたすらにモンスターを倒したり、何か作業を反復し上達したり、特定のアイテムを集めたりすることで経験値……つまり熟練度の様な物が一定以上になる事で上がる。

 ユグドラシルの説明によればこの世界では生き物を殺す、又は一定以上に身体を鍛える事でレベルが上がるとの事だ。まあ、生きているだけでも上がる事は上がるらしいがやはり効率は悪いらしい。ああ、経験値もこの世界では魔素まそと言うらしいが、経験値の方が俺には馴染みがあるので他人との会話以外では経験値と呼ぼうと思う。

 生き物を殺す方法は相手が自分より強大である程多くの経験値が得られるそうだ。まあ、確かに虫を一匹踏みつぶしたのと激戦の末ドラゴンとかを仕留めるのとで得られる経験値が一緒だったら発狂モノだわな。そんな仕様ゲームだったらバランス崩壊しているとクレーム続出に違いない。

 身体を鍛える方法の方は前者より効率が悪いらしいが、それでも確実に経験値を得られるそうだ。筋トレとか苦手なんだが、生活に余裕が出たらやってみようかねぇ。

 

 そして、このレベル。一定以上になるとその生物は進化するらしい。まあ、俺なんかは比較的すんなりと納得できるが、最近のファンタジーコンテンツに馴染みが無い人に説明するなら……そうだな。猿のレベルが上がると猿人類になって、更にレベルが上がると人間になるって感じか? 本来は何十世代を経て変異を繰り返す物なのだろうが、この世界では経験を積めば生きたまま更に上のステージの生物へ変異できるわけだ。

 まあ、実際に目の前で進化する生き物なんて未だに一度も見ていないので本当に進化出来るのかなんて分からないのだけどな。

 

 スキルは―――その名の通り技能スキルだ。一定の修練や経験で獲得できる特殊能力の様な物で、体内のエネルギーと引き換えにその特殊能力を行使できるわけだ。ただ拳を振るうより腕力を強化するスキルを使って拳を振るった方が、威力が跳ね上がると言った所だな。スキルには自動で発動する常時発動パッシブタイプと自分の意思で使う能動アクティブタイプがあるらしい事も聞いた。

 

 因みに今の俺のステータスは俺の脳内でこんな風に表示されている。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ネーム―ヨロイヅカ フウタロウ

種族 ウルフ

レベル 4

 

 スキル―パッシブ

 なし

 

 スキル―アクティブ

 【牙】

咢の一撃(ヂョー・バイト)


 魔法

 【土属性】

 【闇属性】

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 うん、まあ弱いよな。レベル4。二カ月もプレイして3しかレベルの上がらないとか効率が悪いにも程があるが、狩りの獲物にしても一匹狩るだけで相当な時間が掛かる。それに多くのRPGゲームでは集団パーティーで敵を倒すと得られる経験値が分散される。それが等分なのか戦闘貢献度に応じて振り分けられるのかは分からないが、単独で狩りをしている他の子供のレベルが俺達より高い事から経験値が分散されていると言う説はほぼ確実だろう。

 他の子供は、聞いた限りでは平均8程度らしいから倍近い差が有る事になる。

因みに唯一俺が所持しているアクティブスキル『咢の一撃(ヂョー・バイト)』とやらを使えば噛み付き攻撃の威力が上がるらしい。木の枝とかに試しに使ってみたが、まあ気休めよりはマシと言った具合の微妙なバフだった。パッシブに関しては持ってすらないし……。

 レベルが上がっても別に身体が強くなったと言う実感は無いんだよなぁ。結構走り回っても疲れなくなったからスタミナは上がっているのだろうが、それは日々走り回っているからとも言える。今は塵も積もれば山となると言うし、コツコツ少しずつ堅実にレベル上げをしていればまあいつかは進化とかも出来るだろう。

 魔法に関しては……ステータスの欄には表示されて居る物の、どう頑張っても使えなかった。しかしつい先日群れの中でクツと言う雌の成体狼が魔法を使えるとの事だったので、クツに頼み込んで教わっている最中だ。

 ふっふっふ、俺がスタイリッシュに魔法を使いこなす日も近いな!

 

 



風太郎は天月と異なりしっかりユグドラシルのアナウンスを聞いていたので、特に女神と会って質疑応答の様な事はしていません。ですが予備知識の差が有るので天月より多少深くこの世界のシステムを理解しています。

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