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LEGEND COLLAR~色彩の英雄~  作者: 水晶 蜻蛉
青の章 蒼鱗の蜥蜴人 編
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青の章 第52話 頭を鍛える

皆さんは勉強はお好きですか?

筆者は雑学等の知識を学ぶのは好きです。何と言うか自分の視野が広がる様な気がするのですよね。実際は使う事の無い知識が殆どですけれど、何だか他の人が知らない知識を持っていると自分が賢いと錯覚出来ると言う理由もありますが。

青の章 第52話 頭を鍛える

 

 『まあ、鍛えるとは言っても、身体話鍛える方はお前が完治してからになるがな。先ずは頭を鍛えてやろう』

 

 俺の碌でもない予感、それを否定するように優し気な声音で響く母の声。その言い分にいつの間にか身体に入ってい力みが取れる。

 遊び相手の様に扱おうという白蜥蜴の魂胆が透けて見えているが、その部分に関してはこの際気にしない事にする。

 白蜥蜴にとって遊びだろうと暇つぶしだろうと、恐らく俺が今より強くなる事は間違いないだろう。向こうが俺を利用するなら俺も利用しようと問題ないだろう。

 いや、それよりも今更思い出したが、気掛かりが一つあった。

 

 「白蜥蜴さん、鍛えてくれるという提案は嬉しいし、勿論お言葉に甘えようと思っている。しかし、一度巣……あー、卵のある所、俺の生まれた場所に戻りたいのだが?」

 『なんだと? ……ああ、お前の飼っている彩芋虫の様子を見に行くつもりだな?』

 「むぅ? 芋虫……俺の友を知っているのか?」

 『ああ、後で説明するが今私はお前が生まれた部屋。私は産卵部屋と呼んでいるが、そこの様子を見る事が出来る。これも魔法だな。』

 「そんな事も出来るのか。便利だなぁ。なら分かると思うが、俺は友人に飯を持って行かねばならんのだ。出来ればこの部屋に来る前に仕留めた大きな蟹を持って帰りたい」

 『いや、今お前が戻る必要はない』

 

 ? 戻る必要はない? 白蜥蜴の言葉の意味が分からない。

 芋虫に飯を持っていく必要はないという事か? 今の言葉にそれ以外の意味は読み取れない。

 

 『彩芋虫は、今は何も食べる必要はないという意味だ』

 「……良く分からないが、その言葉信じていいのか?」

 『私は嘘を好まない。嘘とは弱者の使うもの。私には必要のないものだ』


 今現在この部屋の唯一の出入り口は水晶の壁に塞がれている。塞いでいる水晶は鉄の様に堅く、今の俺ではどうする事も出来ない。実際、俺がこの場所から出られるかは母の胸三寸であり、もとより俺に選択肢など無いのだ。ならば、母の言葉を信じるしかない。

 

 

 「分かった。その言葉信じよう。ただ、一つだけ言わせてもらおう」

 『なんだ?』

 「『飼っている』じゃねえよ。あいつはペットじゃねえ、俺の友だ。二度とその様な呼び方は控えて貰おう」

 『? お前は蜥蜴人で、アレは虫だぞ?』

 「だからなんだ? まさか種族が違うから友達になれないなんてつまらない事言わないよな?」

 『……まあいい。別に私が口を挟む事でもない。悪かったな』

 

 昔からの俺の悪い癖で、友人を悪く言われたりすると相手が誰であっても構わず怒ってしまう所が出てしまった。

 芋虫が俺の事をどう思っているかは知らない。しかし俺は芋虫に命を救われた恩がある上に一緒に飯を食った仲だ。俺にとっては虫だろうが何だろうが友人なのだ。それをぞんざいに扱われたらいい気分はしない。

 まあ白蜥蜴と喧嘩にならなくて良かったな。意外にも大人の対応をされてしまった。ああ、実際向こうの方が大人か。

 

 『ではお前の頭に私の知識を詰め込んでやろう。先ずはお前が持っている知識を教えろ。他の世界から来たというのであれば、簡単な事も思い違いしているかもしれん』

 「ああ、そうだな。……とは言え、知識か~。正直女神の説明から得た情報しかないので、そこまで多くは無いな。」

 

 そもそも白蜥蜴の様な生物と意思疎通出来るなどと普通は考えられなかった。巨蟹が鋏を飛ばして来たりしたのも未だに信じがたい。骨蛇に関しては最早考えるのをやめた。

 一応理解出来ていると思えるのはステータス関係か。

 これも学生時代フウタやジンにゲーム勧められて、幾つか触っていなければ理解できなかったに違いない。持つべきものは、やはり友だな。

 

 「ステータスはある程度理解しているかもな。レベルがその生物の成長段階、上がれば上がるほど能力が上昇すると理解している。パッシブスキルが常時発動している能力。アクティブスキルは意識して使う能力といった所か?」

 『大体あっているな。因みに【再生】はパッシブスキルだ。自身の意思とは関係なく傷を負えばエレルギーと引き換えに傷を癒す。ここで注意がある。お前は【暗視】を持っているか?』

 「持ってるぞ。生まれつき持っているスキルだ。暗闇で視界が確保出来るのはかなりのアドバンテージだな。」

 『ああそうだな。【暗視】は暗闇でも視野を確保出来るスキルだ。だが日の光の下では自動的に発動していない状態になる。必要が無いからな』

 

 確かに、一度洞窟の外に出たことがあるが、明るさの強弱は洞窟の中と変わらなく感じた。

 

 『パッシブスキルと言っても、二つの種類に分けられる。お前はどの様なパッシブスキルを持っているんだ?』

 

 俺はステータスを確認すると、書いてあるパッシブスキルを全て読み上げた。

 

 『うむ、なるほど。パッシブスキルには自身の意思に関係なく常に発動し続ける。お前の持っている物だと、【筋力上昇】などの強化、【痛覚耐性】などの耐性、【水氷冷脆弱】などの脆弱、だな。これらは常に発動し続け、効果が消える事は無い。ここまではいいか?』

 

 俺は黙って頷く

 

 『しかし、【暗視】や【再生】等は常に発動している訳ではない。特定の条件下でのみ発動するのだ。【暗視】なら暗闇、【再生】なら負傷時だ。ではそれによって何が変わるのか。スキルが少なからずエネルギーを消費すると言うのは理解し出来ているな?』

 

 確認を求められたので頷く。それを見て白蜥蜴も頷いて話を続ける。

 

 『スキルと言うのはそれがどの様な効果であれエネルギーを消費する物だ。私も確証がある訳ではないが、特定の条件下でのみ発動するパッシブスキルは神々が無駄なエネルギーを使わぬ様に、スキルを作られたのだろう。用は神々の粋な計らいだ』

 「なるほど、つまりアクティブスキルを使うと腹が減る。パッシブスキルは持ってるだけで腹が減るけど例外もあると言う事だな?」

 『ものすごくかみ砕いて言うと、そうだな。まあ本質部分が理解できていれば問題ないか』

 

 脳裏に浮かぶステータスを眺めながら、ふと浮かんだ疑問を訪ねる。

 

 「……【水氷冷脆弱】とか、マイナスな効果しか無いスキルもエネルギーを常に消費しているのか」

 『そうだ。完全な生物等存在しない。ほぼ全ての生物は脆弱になる弱点のスキルが存在する。更に言えば強大な存在程致命的な弱点を備えているものだ』

 「腹が減る上に、弱点となるのか。嫌な仕組みだな」

 

 完全に嫌がらせの様な仕組みだと思う。生まれてから死ぬまでずっと爆薬入りの重りを付けて過ごさなければいけない様なそんな例えが近い。唯一の救いは俺以外の存在も同じ条件で生きているらしいと言う事か。

 

 『消費すると言っても微々たるものだ。普通に生活していればまず気にならない程な。まあ、【再生】の様に発動している間多くのエネルギーを必要とするものも確かにあるがな』

 「じゃあ、アクティブスキルは?」

 『アクティブスキルはパッシブスキルと比べ物にならん程エネルギーを消費する。例えば【尾の重撃(へヴィー・テイル)】これは私も持っているスキルだが、このスキルを使えば普通に尻尾で攻撃するよりも数倍の破壊力が生まれる。しかし、消費するエネルギーは普通に攻撃する十倍以上必要となる。数回なら気にもならないだろうが、餌が手に入らない状態でこの様なスキルを連発すれば……』

 「飢えて死ぬと?」

 『その通り。だから普通の生き物は餌を取る際、スキルを使うまでも無い弱者を狙う場合が多い。余計な危険を冒す者は少ないのだ。勿論強い生物に襲われればスキルを存分に使うだろうし、狩りにスキルを頻繁に使う生物も勿論いる』

 

 なるほどな。例えば罠を張るスキルとか保護色の様に隠れるためのスキル等もあるのかもしれないな。

 白蜥蜴の話からだと、この世界の生き物は大抵スキルを持っているのだろう。

 ……生き物?

 

 「なあ、白蜥蜴さん。俺は少し前に骨だけの蛇を倒したのだが、アレは生物なのか?」

 『……ああ、それはアンデットだな』

 「アンデット?」

 

 聞き覚えのない単語がまた出た。何と言うか、自分の人生で一度も触れてこなかったジャンルの専門誌を読んでいる様な気分だ。それでも生きるため、無理矢理にでも知識を詰め込む他に選択肢はない。

 

 『死体が魔力の多い土地で一定の確率で変化する物だ。生き物―――とは言えないが、多様なスキルを持つものもいるな。だが、変化したばかりのは生前よりは確実に弱くなる。持っているスキルも大半を失うと言う話を聞いたな。だが、一応進化もするので、半分生きていると言っても良いかも知れないが』

 「進化するのか」

 『この辺りでは早々頻繁に見る物では無いが、少し離れた沼地ではアンデットが良く生まれる。精々気を付けろ』

 

 あまり正確に理解は出来ていないと思うが、この世界では死んでも動く生き物がいる、という事だろう。魔力云々は知らん。

 

 『アンデットの弱点も後で教える。では次に――』

 

 ここから数日間、俺は白蜥蜴にこの世界についての多くの知識を教えて貰った。

 まるで学校の教師の様に分かりやすく説明してくれた白蜥蜴に、俺はとても感謝したがその気持ちも長くは続かない。

 

 傷が完治した俺を待っていたのは、白蜥蜴の玩具と言う名の修行くぎょうの時間だった。


因みに天月が母から学んだ内容は、ファンタジーマニアの友人風太郎であれば数分で理解できる内容です。

ここに関しては天月の頭が悪い訳では無く、ファンタジーと言うジャンルの知識の下地が無い為に理解が遅いのです。

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