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青の章 第 過去話 厄介な仕事の顛末

四カ月を経て過去編完結。

次回から通常話に戻ります。

青の章 第 過去話 厄介な仕事の顛末


「よし、逃げるぞ」


俺はアマツキの特攻とでも言うべき疾走を、更に言うならその先に居る白衣の男の意識がこちらに向いていないことを確認する。そして早口で、しかし出来るだけ小声で後ろのソニアに声を掛ける。―――返事を待つつもりはない。アマツキが文字通り決死の覚悟で稼いでいる時間を、俺はコンマ一秒たりとも無駄にするつもりはないのだ。

どうせ彼女は大して状況も飲み込めていないだろうと、腕でも掴んでソニアを逃がそうと後ろに向けた手が空を切る。

? 


出来るだけ長く白衣の男から視線を外さない様に背後に視線を向ける。

ソニアは―――そこに居た。ただし、俺のすぐ後ろで震えていると思った彼女は、想像の数倍後方に居た。

そして彼女の後ろには確かに見覚えのある男が二人。ああ、BSCで顔を合わせ、本日突入作戦に参加しなかった中国人二人じゃないか。


「何のつもりだ。勝手に行動するとは聞いてたが、まさか裏切りか?」


冗談じゃない。そうだとすれば状況は最悪だ。

最大戦力であるキョウカに加え殆どの戦力はアジトの外。アジト内の最大戦力アマツキは現在黒幕っぽい白衣の男を相手に部屋中を駆け回りつつ戦闘を続けているが、流石にこちらまで気を回せるほど余裕は何のは明らかだ。

つまりはこの状況は俺の独力で切り抜けなければならないと言う事だ。


「う、うごごくなななな」


 ああん?

 

「あぐ――■■■■■■■■■■!!」

 

 ? 中国人二人の様子がおかしい。一人は英語が辛うじて聞き取れるが薬でもキメているかの様な拙い口調。もう一人は中国語と英語が混濁しているのか全く意味が分からない音の羅列を口から漏らすだけ。二人とも目の焦点も合わず明らかに正気には見えないが、ソニアを拘束する手際も俺に狙いを定める銃口もまるで機械の様に正確だ。アマツキ風に言うならイタリアンレストランに入ったらメニューにカレーライスオンリーって感じに違和感満載だ。一体全体どういう事だ? 金で裏切った訳じゃないのか?

  

「ぶ、ぶぶぶ武器ををを、す捨ててってて」

 

「舐めるなよ」

 

 戦場で敵のメンタルを気にしてやる程俺は優しくはない。己の命を守り、尚且つ戦果を挙げる事が一番の目的何だからよ。

 先程からビンビンと感じる嫌な予感を振り払い、覚悟を決め俺は愛銃を握り直す―――。

 

 

 ―――天月視点―――

 

 

 

 俺はとてつもない速度で迫るひも状の何かを、愛用ナイフの「鷹の爪」で弾き軌道を反らす。速度の割には軽い、しかし人の骨程度なら容易に砕いてしまいそうな衝撃が刃越しに走る。

 白衣の男の両肩辺りから伸びているらしいひも状の何かは、あらゆる意味で厄介だった。

 

 先ず第一に見えにくい。透明と言う訳では無くひも状の何かの表面はまるで鏡の様に光沢があり、周りの景色の色を映し出している。室内の壁も天井も照明も真っ白の中では非常に見えにくい。

 

 次に厄介なのは白衣の男に近づく程に速度が上がると言う事。因みに射程は最低でも部屋の中央から壁まで―――部屋の広さは目測二十五m×二十五m程か?―――は届くらしく、部屋に居る間は常に攻撃の危機にさらされていると言う事だ。 

 

 最後に、恐らくだがひも状の何かは白衣の男の意思とは関係なく動く事がある。恐らく、攻撃の際は白衣の男が思ったように動くのだろうが、防御が必要になると自動で動くらしい。先程手榴弾で不意打ちした際に、爆発に乗じて投擲用の小型ナイフを投げた。しかし男の数m手前で弾かれ軌道を変えた。白衣の男が咄嗟に顔を庇い更に目を閉じているのを俺の目は捉えたにも関わらずだ。

 逆に攻撃が来るときは決まって白衣の男の視線が俺を捉えている時だ。

 

 正直に言ってまともな対人戦では近づく事も出来ない。恐らくこうやって態々敵前にその身を晒している以上は、銃弾程度なら防げる能力があるに違いない。あまり悪態を付きたくはないが、自分が安全な場所に居るからと言って態度がデカくなる奴はあまり好かないな。

 

 「おやおやどうしました? チョロチョロと動き回る姿はネズミかゴキブリの様ですよ? 先ずはその良く動く足をへし折ってあげましょうかね」

 

 ひもが二本、同時に脚に向かって振るわれる。飛んで避けるのはリスクが高いと判断して床に這いつくばる様にして回避する。

 汗と血液で濡れた身体にシャツが張り付き、骨折と打撲による痛みが急な姿勢転換で増大する。水分が足りないのか血を流し過ぎたのか、脳内に心臓でもあるのかと言う程己の脈動を感じる。

 

 「這いつくばる様は良くお似合いだ。さながらナメクジと言った所か。無様ですねぇ」

 

 再び振るわれるひもにタイミングを合わせてナイフの刃を当てる。しかし手ごたえはない。まるで鉄パイプか何かを切ろうとしているかのようだ。

 どうやら切り捨てるのは無理だと判断し、出来るだけ回避か受け流す様に肝に銘じる。

 胴体目掛けて振るわれるひもを避けようと体勢を変えた瞬間、俺が回避する先を読んだかのように既に振るわれたひもが俺の頭部目掛けて飛来する。

 ナイフの刃が間に合わないので仕方なく身体をひねり肩でひもを受け、その衝撃を利用してその場から直ぐに飛びのく。―――予測射撃の様な事も出来るのか。厄介な。

 二度目のひもの直撃は肩に当たったにも関わらず内臓にまで響く様な重く鈍い衝撃だった。一瞬息が詰まったが無理矢理呼吸を整える。

  

 「どうしました? 喋る余裕も無いようですが、お疲れなら床で永眠かみんを取られては?」

 

 ……科学者や発明家ってのは頭が良いと思っていたが、どうやら全員が全員そうでもないらしい。何せ命のやり取りの最中の会話がどれだけ無駄か分からないのだから。

 戦いが始まる前の挑発や時間稼ぎならまだ有効だろうし俺も偶には使う。しかし、彼の言葉は猫がネズミをいたぶる様にただ自身の愉悦の為だけに行われている。つまり「なめている」って事だ。

 

 

 一瞬顔に衝撃、痛みの元は頬。―――どうやら血が垂れている様だが目より下の傷は無視だ。

 

 「出来ればもう少し頑張って欲しいのですが、……ふむ、歴戦の傭兵ばかり来ると聞いていましたが存外期待外れの様だ。これの攻撃を正確に捉える動体視力は見所があるが、しかし腕力も脚力も平均並み。これ以上のデータは容量の無駄―――」

 

 そりゃあ日々身体を鍛え戦いの中に身を置く軍人や兵士に比べれば、仕事の合間に筋トレしたり馬鹿にボコボコにされたりしている程度じゃあ足元にも及ばないだろうよ。頭だって悪いし、察しが悪いとよく言われる。

 だけど、それでも、

 

 「言う程お前だって強くないだろう」

 

 高みの見物気分の、弱肉強食の理も理解していない奴に負ける。そんな風に考える程自己評価は低くないのでね。

 確かに科学のには舌を巻く。おおよそ身体を鍛えているとは言い難い痩躯の男がここまで手強くなるとは。恐らく今の俺に白衣の男を殺す事は出来ない。これは揺るがない事実。奇跡でも起きない限り覆らない現実。

 だが、だけども、時間稼ぎも出来ない程絶望的な差があるわけでも、一矢報いる事も出来ない程どうしようもない状況でもない。

 俺ですらそうなのだから、俺を軽く捻るあの真紅の馬鹿が苦戦などする筈も無い。なら最悪ここで俺が死んでも作戦に失敗は無い。詰みではない。それなら―――一矢報いてみるのも悪くない。多分そうんな風に考えるから馬鹿だ何だと言われるんだろうな。かっはっは。

 

 全速力で白衣の男の懐に向かって走り出す。男は一瞬目を見開いたが、それでも大した動揺は無いようで振るわれるひもは正確に俺に致命傷を与えようと襲い掛かる。両手・・に持ったナイフでそれを弾く、受け流す、受け流す、受け流す、弾く―――五つの衝撃が腕に響く頃には男までの距離は四m程。まだ足りない。

 

 「蛮勇だね」

 

 男が嘲笑を浮かべひもの動きが変化する。鞭の様に叩き付ける動きから、まるでタコが獲物を捕まえようと扱う触手の様な動きへ変わる。

 ひもを弾こうとナイフを構えていた腕が、右腕が、ひもに巻き付かれ腕をへし折りそうな圧迫感を服越しに感じる。あと三mまだ足りない

 

 「叩くしか能が無いとでも? この兵器はね―――」

 

 俺は掴まれた腕に構わず、寧ろ更に加速する為に脚に力を入れる。

 腕の骨が折れる音を耳が拾い、折れた骨が肉を破り体外に飛び出したのを感じる。が、そんな事・・・・に構わず俺は反対の腕を目いっぱい伸ばし、ナイフの先端を男の胸に向ける。ナイフの先端から男までの距離二m。ギリギリ射程だ。

 

 ナイフの柄に付けられたボタンを押す。するとナイフの刃は白煙・・と共に柄から飛び出し弾丸の様な速度で飛翔する。が、男の胸に突き刺さる寸前にもう一つのひもが刃をつかみ取った。

 

 「これが切り札ですか? 陳腐な! 不意打ちを自負した癖にあぁあああああああああああああ!?」

 

 気が付けば俺は壁に激突していた。何とか頭を折れていない腕で庇ったが、息が詰まる。どうやらひもに折れた腕を引っ張られ投げ飛ばされたらしい。成人男性を投げ飛ばす程の力がひもにあったとは予想外だったが、どうやら男はひもを手加減して使っていたのだろうか?

 

 「おーおー。すっげぇ痛がってんじゃん。あーたん何したんだ?」

 

 急に横から聞きなれたどこか呑気な声に顔を向けると、器用にも片手に二つの頭部、もう片手にジュラルミンケースを持った馬鹿が居た。妙に気の抜けた態度が癪に障る。

 

 「どうやら手に入れたらしいな」

 「ん?」

 「目的のー、なんだ、小さな機械の事だよ」

 「おーおー、ばっちりだぜー。っさっきソニアに確認したらこれであってるってよ。いやー、この施設の奥の方な、アトラクションみたいにいろんな仕掛けがあって面白かったぜ? 爆弾とかレーザーとかよ。だけど、一番奥の研究室みたいな所なー、すっげぇいっぱい瓶とか容器があってさ。どれが目的の物か分からなかったから全部持って来たんだけどそのせいで遅くなったわ」

 「全部?」

 「このケース6個分もあったぜ。このケースの中身以外関係ない物ばっかりらしかったから、残りはソニアにくれてやった。あー、なんか掴ってたから助けてやったんだけどな、私様ってば優しいー。あ、これあーたんにやるよ」 

 

 そう言って差し出してくる二つの頭部を無事な腕で叩き落す。

 

 「んで? なにをしたんだー? 愛するあーたんの勇姿を聞かせてくれよ」

 

 馬鹿は気にした様子も無く俺を無理矢理立たせると、馴れ馴れしく肩を組んで耳元で囁く。腕と背中に当たる柔らかな感触に少し気分が高揚した自分が居て更に気分が悪くなる

 

 「むぅ、キリカさんに改良して貰ったナイフを使ったんだ。元から刃が飛ぶ仕掛けにはなっていたがそれを改良して貰ってな」

 「それでそれでー?」

 「俺のナイフ―――『鷹の爪』って名づけているのだが、文字通り唐辛子を仕込んだのさ」

 「とうがらしー、ああカプサイシンか。つまり催涙弾みたいなもんか。成程なー『能ある鷹は爪を隠す』ってのと掛けた二重の不意打ち、あーたんにしては良いネーミングじゃんか」

 

 一人感心した様に頷く馬鹿だが、実はそれほど便利な代物ではない。

まずナイフの刃は4mが有効射程距離だが、唐辛子から抽出したカプサイシンの粉は柄に仕込める火薬では2mまでしか届かない。しかも量が量だけにほぼ真正面に相手が居ないと全く効果が無い。

更に今回は屋内だったから良かったのだが、これが強風の吹いている屋外だと1m程度しか効果が無いのだ。刃を飛ばすのだから当然二度とナイフ自体が使えなくなると言うデメリットもある。もう一度刃を拾った所で柄には簡単にくっ付かないのだ。

 

 「あぁぁぁぁああああああ! もう手加減はしないぞ下劣な傭兵が! 我が最高傑作にして最強の兵器で惨たらしく殺す!」

 

 先ほどまで顔を抑えて喚いていた男が充血した瞳で俺を捉え吠える。

 が、随分と的外れな事を言っている。

 最強と言ったが、強いとは結果だ。戦いとは弱肉強食であり、弱肉強食とは強い物が弱い者を食らうと言う意味ではない・・・・。結果として勝った方が相手を食らう権利を勝ち取る―――つまり勝った方が強い、俺は少なくともそう捉えている。

 窮鼠猫を噛むなんてことわざがあるように、実力では劣っていても勝利を勝ち取ることは出来るのだから、絶対的な有利などこの世に存在しないのだ。

 

 だがそれを男に言った所で納得をするとも思えないし、そもそも聞く耳を持たないだろうと俺は肩を竦める。

 

 「だってさ、どうするあーたん?」

 「そんなわくわくした表情かおで見なくても譲ってやるよ。俺は先にトッド達と帰る。むぅ、いやその前に病院か……」

 「わかってるぅ! 愛してるぜあーたん!」

 

 俺の頬に口付けし手に持ったケースを放り出し、白衣の男と対峙する馬鹿。

 何やらひもが二本から十本以上になり、辺りを狂った様に薙ぎ払っている男をし変えに捉え、「最初から出し惜しみ等せずに本気で戦えば痛い思いをせずに俺を殺せたかも知れないのに、やっぱり俺より頭悪いのでは?」と独り言を呟くと、意外に軽いジュラルミンケースを拾い上げトッドとソニアの元へと歩きだす。

あーあ、この腕じゃ暫く七星ナーを抱き上げられないじゃないか。

 背後から聞こえる悪魔の如き笑い声を無視し、俺はポケットから取り出したハンカチで頬を拭った

 

 

 ―――トッド視点―――

 

 後日談と言う奴を語ろう。

 BSCから受けた仕事は無事に終わった。

 テロリストのアジトから持ち帰った製品は、会社の人間が調べた結果間違いなく盗難に遭った現物で間違いなかったそうだ。

 

実は少しだけ不安だった。現場で実物と判断したソニアだが、あの時のソニアは控えめに表現しても満身創痍

、グロテスクな現場や人質に取られる等―――まあ半分はキョウカが原因だが―――により正常な判断が出来ているのか疑っていたが、どうやら彼女の観察眼は正常に機能していたらしい。

 俺が決死の覚悟を決めた瞬間に突如現れたキョウカが敵を惨殺してしまったせいで今回の仕事では俺は一人も殺さず弾丸の一発も撃たない等と言う他の奴等が羨ましいと言われるような内容だったわけだが、実際はソニアを守る事で精神的な負担はかなりあったぜ。

 特に何を考えてるのかケースの中身をソニアに判別させた後、死体から頭部を千切り・・・それをハンドバック並みの気軽さで持つとアマツキの元へ向かった。それを間近で見たソニアが失禁し失神した。俺はそんな彼女を背負って帰る羽目になったのだからよ。

 

アマツキはアマツキでどんな死闘を繰り広げたのか右腕はぐちゃぐちゃ、全身打撲や擦過傷で溢れ車に付く前に出血多量でぶっ倒れた。アマツキは直ぐにノーシュとカイトに担がれて彼らに最寄りの病院に運ばれたが、その後救急車で国立病院まで運ばれ六時間に及ぶ大手術が行われたとか。

 流石にあの腕は義手に出もしなきゃならんと俺の知り合いの義肢職人に声を掛けたが、何とか全治四カ月に収まったらしい。よほどの名医が居合わせたかアマツキの身体が化け物じみているかどっちかだな。いやどっちもか。

 なんせアマツキの奴八日後の打ち上げには何食わぬ顔で参加していたしな。

本人曰く腕よりも作戦の序盤にキョウカに投げ飛ばされた時の衝撃で折れ、ひび割れた肋骨と内臓の損傷が一番厄介な傷だったとか。その癖酒こそ飲まなかったが打ち上を行った店の一日分の食材を僅か数時間で半分以上平らげたのでやはり化け物だった。


 打ち上げでは他にもノーシュがキョウカに告白して玉砕したり、カイトが酔って他の客と喧嘩したり、ディーが故郷から取り寄せた蠍の塩漬けと泥水の様な酒を取り出して皆に振る舞い場の空気が凍ったり、美味しそうにそれらを平らげたアマツキとディーが意気投合して連絡先を交換していたり、騒ぎ過ぎて店から追い出されたりと色々な事があった。

 後日振り込まれたBSCからの報酬は口止め料込みで倍額だったので思わぬ幸運だった。

 

 余談だが、BSCから製品グロスイーターを盗んだ白衣の男はソニアとは別部署で働いていた男で、数年前に妻と娘を事故で失い徐々に様子が変になっていったそうだ。研究員として優秀は優秀だったそうだが、入社当時から高慢で他人を見下す癖があったらしく周りと頻繁に反発していたそうだ。

 だがある日、突然自分の部署の備品や公表前の兵器とそのデータ、そしてソニアの部署から実験用の製品とデータを盗んでどこかへ消えたのが半年前。どうやらあるテロリストに協力していると判明したのが一か月前だそうだ。

 アジト内で見つけた大量のBSC製品は一部の研究員が、白衣の男の開発した兵器の実戦データと引き換えに横領していたとの説明があったが本当かどうか分かった物じゃないぜ。俺はあのキザったらしいアレックスが怪しいと思う。話し方も白衣の男と似てたしな。まあだからと言って口止め料を受け取っている以上何もするつもりはないけどな。時には目を反らす事も長く生きる上では必要だからな。

 

 余談だが白衣の男の作った兵器は『近接型万能追加義肢』とかなんとか言う物だそうで、装備者の負担を考えなければマッハで動かす事も出来、ひもの様な細さでも異様な力を発揮する意外にすごい発明品だったらしい。だが操作性に問題があったらしく、その改善策としてナノマシンの遠隔操作技術だかを欲しかったそうだ。

脳内にナノマシンを注入して脳の電気信号を兵器の操作に直接使用出来る様にしたのだとか。それにより機械にプログラムの容量がどうだとか自動操縦がどうだとか説明されたが専門用語が多過ぎて俺には半分も理解できなかった。

ああ、様子のおかしかった中国人二人は脳内にナノマシンを注入する実験の応用で、全身にナノマシンを注入されて白衣の男の思い通りに動かせる人形の様な状態だったそうで、現代の医学では元には戻らない状態だったそうだ。苦しみから解放してやる為にも早めに楽にできて良かった……のだと信じたいな。キョウカもアマツキも二人の顔は覚えていなかった。……まあ、忘れる事も人間には大切な防衛本能―――だよな?

二人の遺体はBSCが回収して検死解剖と言う名のデータ解析が行われたそうだ。

 

 今回の仕事で日本への移住の資金がかなりたまったので、後一年から二年で移住が実行できそうだな。

あ、あと俺が担いで車まで運んだソニアだが、帰り道はずっと無言で虚空を見つめている様な状態だった。その数日後会社に辞表を出し、どこかへ引っ越してしまったそうだ。まあ、あれだけショッキングな出来事の後じゃ流石に暫くはまともな生活は送れないのかもな。

最初に出会った時の鉄面皮も、帰り道では別の意味で無表情とは皮肉だな。

 まあ今じゃ多少物音に大げさに怯え、赤色恐怖症になっている。だが最近は笑顔も増えたし、じきに元気になるだろう。え? 何故そんな事知ってるのかって? さあな。

 

 約二年後俺が日本でピザ屋を開いたとき、一緒に付いて来たメガネがキュートな大分年下の妻が一緒に働く事は、まあ、今回の仕事とは殆ど関係ない。……多分。


少し情報過多になってしまいなしたが、流石にこれ以上話数を重ねるとグダグダしそうなので無理矢理詰め込みました。読み難かいかも知れませんが、本編とはそれほど関わる話でもないので読み流してもらって構いません……。あ、後書きで言う事では無いですね。

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