青の章 第38話 進化と覚醒
青の章 第38話 進化と覚醒
『個体名、クライ アマツキの進化を確認しました。ステータスの大幅な更新があります。レベルがリセットされました。』
「むぅ……」
……聞き覚えのある声がする。
今何時くらいだっけ? 店の仕込み――ああ、違う。俺は蜥蜴に生まれ変わって……。
寒いな、ここは巣じゃないのか?
そういえば俺は……、ああ思い出した。俺は大量の水晶蟹と巨蟹と戦って……。気を失った……のか。
目を開けると、目の前に頭部が噛み砕かれた巨蟹の死骸が横たわっている。勝ったのか。途中から無我夢中過ぎて、あまり記憶が残ってないな。何だか随分と長い事眠っていた気がするし、一瞬うつらうつらしていただけの様な気もする。
ぼやけた頭を振りながら、俺は立ち上がり巨蟹の死体をぼんやりと眺める。
……? 立ちあがた?
「ハァ?」
間抜けな声が出たが、今はそれどころじゃない。
俺は自然に立っていたのだ。違和感なく、二本の脚で。
前足を見ると、人間の手に鱗を生やした様な、気を失う前とは全く違うまさに腕があった。重ねて言おう、前足ではなく腕だ。
驚愕により急激に頭が冴える。
自分の身体に何があったのか、確認をしなければ。ふと、先ほど頭に響いた言葉がよみがえる。
『個体名、クライ アマツキの進化を確認しました。ステータスの大幅な更新があります。レベルがリセットされました。』
進化……、そうか、進化したのか。俺は。
流石に常識が全く通用しない蟹と戦ったお陰で、すんなりと今の状態が受け入れらえた。
まずはステータスを確認するか。
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ネーム-アマツキ
種族 堅牢青蜥蜴人
レベル 1
スキル-パッシブ
暗視
水氷弱体化
寒冷弱体化
青ノ魂(覚醒)
蜥蜴の鱗
蜥蜴の爪
筋力上昇
器用
位
スキル-アクティブ
尾の重撃
尾の瞬撃
尾の転撃
咢の一撃
自切
脱皮
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……なんかまたスキル増えているなぁ。
確認しないことには始まらないが……、分かりやすい説明なら助かるなぁ
ええと、新しく増えたのは……、『青ノ魂(覚醒)』『器用』『位』『脱皮』か。また訳分からないスキルが増えているな。なになに――。
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『青ノ魂(覚醒)』
魂の覚醒により、個体の本質に合った能力を獲得しやすくなる。
個体の最も適切なスキルを作り出す。
二柱の神の祝福。
契約の証。
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よくわからん。
自分に合ったスキルを身に着けやすくなるって事か? そもそも自分に合ったスキルとはなんなのだ?
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『器用』
あらゆる作業に補正がかかる
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……、まあこれは言葉の通りか。これはありがたいな。
ああ、両手が使えるようになったから獲得したのかな? 補正とは具体的にどの様な物なのだろうな? 作業の質が上がるのか、速度が上がるのか。まあ何か試しに作業してみればいいか……作業? ってなんだ?
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『位』
個体――アマツキの固有能力。
捕食により自身の能力を高める。
捕食物により能力を獲得する場合がある。
捕食物が上位の存在なほど、自身の能力が上がりやすくなる。
能力は常に最適化出来る。
≪最適化しますか?≫
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……?
ええっと、……食事すると強くなるって事か? 能力を獲得する場合ってのは、能力はスキルの事だと思うな。
上位の存在……強い奴か? 強い奴を食うと強くなる? と言うかスキルの説明に俺の名前があるのは何でなのだろうな?
食えば食うほど強くなる能力……って事か? よく分からないが、取りあえず何か食えば分かるだろう。
最適化は……、今は置いておこう。
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『脱皮』
古くなった表皮を新しくする。
使用直後は表皮が弱体化する。
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ああ、これは分かりやすい。
爬虫類らしく脱皮できるようになったのか。……蜥蜴って脱皮するのか?
むぅ。何やらややこしい『青ノ魂(覚醒)』とやら以外は何となく分かった。
まずはこのスキルらを使ってみないとな。
……それにしてもリザードマンか。たしか二足歩行の蜥蜴と人間の間みたいな生物……だったか?
体を覆う鱗はもはや完全な空色で、手足は人間に近いな。鱗あるけど。爪は小さいが鋭そうだ。
尻尾は……少し太くなったか?身長は……一m弱って所か。それとは別に尻尾は慎重より長そうだな。
ふむ。やっと蜥蜴の身体にも慣れてきた所だったのだが……。まあ、こちらの方がやはり動きやすいな。
さて、確認はここまでにして、そろそろ空腹に耐えられなくなってきたな。
食事の時間にするか。




