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LEGEND COLLAR~色彩の英雄~  作者: 水晶 蜻蛉
青の章 誕生の洞窟 編
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青の章 第25話 特訓

今話で青の章 誕生の洞窟 編閉幕です。

天月は結局生まれてから洞窟の外に出ませんでしたね。

さぁ、次回からは天月はどのような活躍を見せてくれるのか、お楽しみに。

青の章 第25話 特訓

 

 骨蛇との戦闘から恐らく数日は経過しただろう。

 「恐らく」と言うのは、洞窟の中では当然日の光が届かない。つまり時間の経過が曖昧になるという事だ。

 別に時間が分からないからと言って何が困るというわけでもない。朝に起きなければいけないという訳でも、夜に眠らなければいけないという訳でもない。人間と比べて、動物というのはそこまで時間に追われる必要はないというのが良いな。人間は時間に縛られ過ぎているとも言える。

 まあ、実際そこそこの時間が経っている訳なので、まあ数日という表現は間違っていないはずだ。

 

 俺こと倉井クライ天月アマツキ―――この世界ではアマツ―――がこの数日間何をしていたかと言うと、まあ特別なことは殆どしていない。

 

 まあ何か一つ挙げるとするなら、少し特訓のような事を始めたといったところかな?

 

 「レベルは、経験を多く積むことで上がり、普通に生きていても上がるが、より強い生物を殺したり、鍛練を積むことで上がる。そしてレベルが上がれば体は強靭に作り替えられる」

 

 これは俺を――俺達をこの世界に転生させた二人の女神の片割れ、ヘルヘイムことヘルちゃんに聞いた貴重なこの世界の情報の一つだ。

 

 俺はこの情報の鍛練、つまり鍛えると言う所に注目した。

 体を鍛えればより強靭な体を手に入れる事が出来る。前世での常識で考えれば、正直当り前だろうと思ってしまう。しかし今俺が居るのは異世界。それも人より大きな芋虫や、骨だけでも活動できる蛇が居るような世界なのだ。前世の常識は、ある程度しか通じないだろう。

 

 それに、わざわざ女神が口にした情報なのであれば、実行するに十分な理由だ。少なくとも俺はそう思う。

 

 そして俺は骨蛇との戦闘が終わって直ぐ、ある特訓方法を思いついた。

 それは、骨蛇との戦闘で得た戦利品、骨蛇の肋骨を使った訓練だ。

 

 まず、骨蛇の肋骨を巣 (洞窟内で俺や芋虫が主に生活する空間の事)の壁に立てかける。この時、肋骨が倒れないように、砂の地面に深めに掘った穴に埋めて固定をした。

 そして立てかけた肋骨に向かってひたすら攻撃を加えるというものだ。

 これにより自分の身体をどの様に動かせばより効率的か、より攻撃に威力が出るかを確認した。

 この訓練をする際は、攻撃のスキルは使わない。と言うのも、始めの一本の肋骨は、新たなスキル『尾の重撃ヘビー・テイル』とやらで攻撃したところ、たったの二発で真っ二つに折れてしまったのだ。

 これではいくら十本以上予備があるとはいえ、すぐに肋骨を使い切ってしまうと考えた俺は、基本的にこの訓練では通常の攻撃方法しか使わないと決めたのだ。

 

 この、名付けて「骨の特訓」は、毎回、狩り (探索の事)に出かけた後と就寝前の少し暇な時間に行うことにした。狩りの前にやらないのは当然、狩りの最中は何が起こるのか分からないので体力を温存するためだ。

 

 更にもう一つの訓練。

 それは、巣を出てから最初の分岐路までの一本道を、音を立てず尚且つ素早く移動するという特訓だ。

 まあ、言ってしまえば忍び足の走り込み、と言ったところか。名付けて「忍び足走りの特訓」だ。

 

 俺は生まれた頃に比べ、かなり強くなった。そう実感できる。

 実際、生まれたばかりの頃襲撃にあったゴブリン達。あの程度なら恐らく一対一ならそれほど苦労せずとも倒せる自信がある。

 だが、だからと言って自分の力を過信する気は無い。いくら強くなったとはいえ、所詮今の俺は蜥蜴なのだ。恐らく洞窟の外に行けば俺より強い生物など掃いて捨てるほど居るだろう事は想像に難くない。

 ならば無用な争いを避けるために、強敵に見つからないために、移動速度の上昇と、隠密行動の強化は必要不可欠になるわけだ。そしてその為の訓練が「忍び足走りの特訓」なのだ。

 これは毎回起床した後直ぐに、三往復程度行っている。

 正直、この特訓の頻度は少ないと感じているが、体力の温存の為にはこの程度が適切だろう。しかもやってみると結構きついしなぁ。まあ何事も継続が大事って事だ。

 名付けに関しては、まあ、その、自分でも少し酷いと思っているが、そういうセンスを俺は持ち合わせていないのだからしょうがない。

 

 とまあ、こんな感じで特訓を続ける日々を送っている訳だ。

 

 実際、ある程度成果は上がっている気がする。

 「骨の特訓」では、少しずつではあるが、一本の骨を折るまでの攻撃回数が心なしか減ってきている様な気がするし、「忍び足走りの特訓」では、なんとなく音を出さない走り方のコツが掴めてきた気がする。

 

 あと、折った骨は少し小腹が減った時などに、少しずつ噛んでガムの代用品にしている。

 多分傍から見たら、犬が骨を齧っている感じと重なると思う。歯そのものや噛む力が強くなればいいなと淡い希望を持っている。

 

 ああ、そうだ。俺と巣で暮らしている芋虫だが、最近地面の外に出ている事が多くなった。

 初めの頃は、餌を食べ終えると直ぐに地面に潜ってしまっていたが、今では俺が骨に攻撃を加えている特訓を眺めていたり、小山のように積みあがった骨をチビチビ食べていたりする。

 少し俺に心を許してくれたようで、なんとなしに嬉しく感じた。

 

 因みに、骨蛇と戦う前までは、毎回のように身体に巻き直して貰っていた糸だが、今は地面に着く四肢の先端、まあ人間で言う所の掌から指の半ばまでだけを、糸で巻いて貰っている。指の先部分に穴が開いている手袋を想像してもらえば分かりやすいだろう。

 これは洞窟の寒さに慣れる為だ。いつまでも防寒具兼防具を付けたままでは、成長できないと考えた為だ。

 まあ、芋虫にその部分だけ糸を巻いてほしいことを伝えるのに、大分苦労したがな。

 四肢の先だけ糸を巻いて貰っているのは、流石にいきなり糸無しは命に係わりそうだという事と、その部分が一番地面に接している時間が長く、冷えやすいからだ。

 

 そんな恰好で狩りに出ていたが、大きな蝙蝠やゴブリンの様な大物は未だに狩れていない。

 蝙蝠は、たまに一匹で飛んでいるを見つけるのだが、大抵が俺に襲い掛かって来なかったり、逃げてしまう。

 恐らく、体が一回り以上大きくなった俺は、蝙蝠の捕食対象から外れてしまったのではないか、と言うのが俺の予想だ。流石に自分と大きさが変わらないまたは大きな生物。それをわざわざ狩ろうなどとは、リスクが大きくて普通は実行しないだろう。……まあ飢えていれば別だろうがな。

 ゴブリンは単純に洞窟内では見つからなかった。恐らく最初のゴブリン達は、迷い込んだか何かなのだろう。暗視も持っていなかった様だしな。

 

 その為俺が狩りから持ち帰るのは洞窟の少し奥に生えている苔と、苔の下などにいる大きなダンゴ虫ばかりだ。あまり食べ物に文句は言いたくないが、体を鍛えている以上、もう少し肉が食いたいなぁ。赤身が食いたい。

 

 因みに芋虫はダンゴ虫や骨よりも苔が好きらしい。持って帰ってくると真っ先にモシャモシャと勢い良く平らげている。

 ダンゴ虫よりは骨のほうが好きなようで、俺の今の主食はダンゴ虫だ。

 

 俺は徐々に行動範囲を広げ、前に蝙蝠と戦った場所よりも奥に進んだ。ある程度奥に進むと少しだけ風が感じられるようになり、遠くの方が明るくなっている事が確認できた。恐らくあの先は外に繋がっていると考えていいだろう。

 今日は、一気に外に繋がっている場所を確認だけしに行こうと考えている。

 ただ、そのまま外に出ることはしない。

 

 今の状態でも、ある程度洞窟で生活可能だし、特訓も十分ではない。危険を冒すには早すぎる。

 それに、洞窟の分岐路のもう片方は一切探索していない。

 もしかしたら何か役に立つものや場所が見つかるかもしれないので、外に出る前にこの洞窟の事はある程度把握しておきたい。外から逃げ帰ってきたら探索していない場所に住んでいた化け物に鉢合わせしましたじゃシャレにならないからな。

 

 それに……、外に出るにしても芋虫をどうするか。一人……じゃなくて一匹でも生きられない事はないだろうが、少なくとも俺は芋虫を友と認識している。

 向こうにとっては餌をとってきてくれる便利なやつ、程度にしか思っていないかもしれないが、芋虫のおかげで命を失わずに済んだ事も多い。できる事なら一緒に巣で暮らしたいが、俺は最終的に女神達を助けなければならないのだ。ずっと洞窟で暮らす訳にはいかない。

 

 俺が少しだけ暗い気持ちになっているのを知ってか知らずか、俺と目があった芋虫は骨を口に咥えたまま、少しだけ首を傾げた。


誕生の洞窟編 最終ステータス

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ネーム-クライ アマツキ

種族 堅鱗蜥蜴(スケイルリザード)

レベル 7


スキル-パッシブ

 暗視

 水氷弱体化

 寒冷弱体化

 青ノ魂

 蜥蜴の鱗

 蜥蜴の爪


スキル-アクティブ

 尾の重撃(へヴィー・テイル)

 尾の瞬撃(ライト・テイル)

 尾の転撃(ロール・テイル)

 咢の一撃(ヂョー・バイト)

 自切

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



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