青の章 第24話 尾の一撃
青の章 第24話 尾の一撃
現在俺は、目の前に高く積まれた骨の小山を見て、頭を悩ませていた。
骨蛇は頭部を砕かれたことが原因か、それ以降動く事はなくなっていた。
骨蛇がもう動かない事が分かったのか、暫くするとひょっこりと地面の中から芋虫が「終わった?」といった感じで出てきた。
そんな芋虫の行動に、なんとなく内心苦笑いがこぼれた。
壁に打ち付けられた事による怪我は大した事がなく、暫く安静にしていると痛みは殆ど無くなった。
骨蛇の尾による攻撃を受けた所は、数枚鱗が剥がれていたり、割れていたりしていた。まあ、あまり痛みも無い為、進化して堅くなった鱗が役に立ったといった所かもな。
心底あの骨蛇と戦う前に進化して良かったと思った。
そんなことを考えながら、今回の戦利品である骨蛇の骨を芋虫と一緒にかき集めた。
改めて見ると骨蛇は本当に大きかったのだと実感した。おそらく骨蛇がピンと伸びきったとしたら、芋虫の
倍、六mぐらいはあるのではないだろうか? 少なくとも五mは確実にある。肋骨だけでも俺の尻尾程あるのだから、よくこれを倒せたものだと自分の事ながら感心してしまう。
集めた骨蛇の骨は、俺としては全て芋虫に譲っても構わないと思っていた。しかし、芋虫は俺にだいたい半分程の骨を返してきた。と言うより加えて放り返してきたと言うべきか。
俺の取り分を気にしているのかと思ったが、どうやら食べにくい大きな骨を俺に押し付けているだけの様だった。芋虫が俺に押し付けたのは肋骨や頭部の大きい欠片だったからな。
まあ、少し考えがあったから、骨はありがた頂戴した。
それから芋虫は食事を始めたが、流石に一度に全て食べることは出来なかった様で、かなりの量を残していた。まあ、骨は腐らないだろうから大丈夫なのだろう。
賢い事に、芋虫は食べきれない分の骨を糸でまとめていた。
そんな芋虫の様子を片目に、俺は自分のステータスを確認する。
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ネーム-クライ アマツキ
種族 堅鱗蜥蜴
レベル 6
スキル-パッシブ
暗視
水氷弱体化
寒冷弱体化
青ノ魂
蜥蜴の鱗
蜥蜴の爪
スキル-アクティブ
尾の一撃(Max)
尾の転撃
咢の一撃
自切
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むぅ。やはりあれだけの強敵を倒すとステータスにも変化が出るな。このステータスを見ると言う行為も習慣になって来たな。数字で成長が実感できるのは中々に爽快だ。
……まずレベルが五つも上がっている。これが妥当なのか異常なのかの判断はできないが、少なくとも強くなっているという事なので良しとして置こう。どんな獲物でどの位レベルが上がるのかは今後出来る限り見ておこうと思う。得られる情報は得て置く。情報はどれだけあってもかさばらないのだからな。
次に『尾の転撃』という、スキルが新たに増えていた。
詳しく見てみた結果がこれだ。
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『尾の転撃』
尾による一撃を放つ際、全身で回転をすることでその威力を増幅した一撃。
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まあ、わかりやすい説明だな。多分これ、俺が骨蛇との戦いで使った、バク天宙返りしながらの『尾の一撃』のことだと思う。もしかして最後の一撃があっけなく骨蛇の頭部を割ったのは、このスキルのせいなのだろうか?
というかなぜ俺が咄嗟に放った技がスキルになっているのだろうか?
少し考えたが、考えても無駄、そういうものという結論が出た。今度ヘルちゃんに会う機会があったら聞いてみよう。
最後に一番気になった事。
『尾の一撃』(Max)という表示、『尾の一撃』のスキルの最後に (Max)という表示が出ているのだ。
説明文も変化しているのかと思い、確認してみる。
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『尾の一撃』
尻尾による強打。
熟練度がMaxに達しています。スキルの進化が可能です。進化しますか? Yes/No
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……むぅ。ヘルちゃんの話ではレベルが上がると進化するという話だったが。まさかスキルも使い続けたらレベルが上がって進化するのだろうか?
えーと、どうするか。進化するってことは強くなるって事でいいのだよな? 威力が上がるのか?
というかスキルの進化ではするかしないか聞かれるのに、俺自身の進化の際には何も聞かれた覚えがないのだが?
…………じゃあ、Yesで?
『スキル:『尾の一撃』の進化を確認。……『尾の一撃』は『尾の重撃』及び『尾の瞬撃』に進化しました。』
増えた!?
『スキルの詳細は以下の通りです。』
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『尾の重撃』
尻尾による渾身の強打。反動による尻尾への微ダメージあり。
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『尾の瞬撃』
尻尾による高速の一撃。隙が少ないが威力も少ない。
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ちょ、そんなに一気に表示されても困るぞ? 俺の頭の容量はそれほど良くないのだから。
えーっと、ステータスを確認すると。『尾の一撃』のスキルが一つ消えて新たに二つのスキルが増えているな。
なるほど。スキルにはこういう獲得の仕方もあるのか……。他のスキルも熟練度とやらが上がれば進化するのだろうか? その割には一番長い事使っている『暗視』は進化まだしないのだろうか? と言うかこんなペースでスキルと言う者は増えたり減ったりするモノなのだろうか? あまり増えすぎると覚えきれないのだが……。
……まあ今は使える切り札が増えた事を素直に喜ぼう。
そうと決まれば飯……って、ああ、そういえば今回の戦闘で倒した骨蛇には肉がないのだった……。
仕方がない。新しいスキルを試すついでに、狩りに洞窟探索と行きますか。
ああ、その前に俺の分の骨の小山を片づけなければ……。
結局、小山を片づけ終わるころには睡魔が来たので、空腹のままだったが素直に眠った。




