青の章 第20話 スキルの内容
青の章 第20話 スキルの内容
スキルの詳細をすべて確認し終えるのにそれほど時間はかからなかった。
しかしそれはすべてを理解できたという訳ではない。説明の文章を読んだだけでは理解できないスキルもあったし、理解はできてもどの程度の効果があるものなのかが分からないものもある。
まずは自分の中で情報を整理するため、再確認だ。
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『暗視』
一定以下の光量の場所で視覚補正。
一部視覚低下を抵抗。
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まずは『暗視』、生まれてから一番世話になっているスキルだ。
効果は確認できている限り、暗い場所で光源がなくても昼間のように明るく見えるというものだ。「一部視覚低下を抵抗」という言葉の意味は分からない。
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『水氷弱体化』
水、氷属性に関する干渉の抵抗の大幅な減弱。
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『寒冷弱体化』
寒冷地での身体能力制限、及び継続的ダメージ。
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『水氷弱体化』、『寒冷弱体化』これは読んで字のごとく水辺や寒いところでは生きていけないと言う意味だろう。この辺は爬虫類――というか変温動物らしさがあるから理解はしやすい。蜥蜴は冬に冬眠するものな。
問題は次だ。
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『青ノ魂』
青き者の魂の形。
二柱の神の祝福。
契約の証。
可能性。
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もっと分かりやすくは出来なかったのかと叫びたい。
具体的な事は一切書かれていないし、箇条書きだし、最後はもはや単語だし。
いやいや、俺の頭で理解できる訳がないだろう。
……多分二柱の神ってのは多分、俺―――俺達をこの世界に読んだ張本人―――張本神? であるユグドラシルことユグちゃんと、ヘルヘイムことヘルちゃんの事だろうが。ん、ことの使い方これであっているか? ……まあいいか。
むぅ。まあこのスキルに関しては一先ず置いておこう。
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『蜥蜴の鱗』
鱗族の堅牢な鱗の一種。
一定の衝撃に対する耐性。
『青ノ魂』の影響下。
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『蜥蜴の鱗』ねぇ。
なぜだか知らないが、スキルの名前には『暗視』の様な、漢字にカタカナの読み仮名が振ってあるものと、『蜥蜴の鱗』の様に漢字にカタカナだが英語読みが付いているものがある。
なぜだろう、中学生時代の中二病を思い出すぞ。
別に、読めない訳ではないので構わないが。
とりあえず鱗を堅くするスキルと見て間違いなさそうだ。どの程度堅くなっているかは分からないがな。どういう理屈で堅くなっているのかも分からん。
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『蜥蜴の爪』
鱗族の鋭利な爪。
爪を使った攻撃に補正。
『青ノ魂』の影響下。
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これもなぜか英語読み……。
爪での攻撃に補正……か。生まれてから今まで、爪を使った攻撃などほとんどしていないのだがな。
進化前は武器として使うには少々前足が短かった上、爪自体も短かった。だから牙や尻尾を使っていた訳だが、現在の俺の四肢の先から生える爪は長く、見るからに鋭そうで、まさに肉食動物の爪といった感じだ。
これからは爪を武器として使うことも考えておこう。
少し気になったのだが、他のスキルと異なり、なぜか『蜥蜴の鱗』と『蜥蜴の爪』だけは最後に「『青ノ魂』の影響下」という一文が添えられている。
もしや俺の体色が青っぽいのは、『青ノ魂』というスキルが関係しているのだろうか?
正直、今の俺の体色は気に入っている。青い蜥蜴、なんかかっこいいしな。かっはっはっは。
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『尾の一撃』
尻尾による強打。
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うん、シンプルなのが一番。非常に理解しやすいな。実に良い。
全部このくらい簡潔に説明してくれればいいのにな。
まあ、この『尾の一撃』はかなり使い勝手のいいスキルだ。ダンゴ虫はこのスキルがなければ食えなかったし、蝙蝠戦ではこのスキルがなければ最悪食われていたのは俺の方だ。
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『咢の一撃』
咢による攻撃。
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これまたシンプル。咢―――つまり顎だから噛みつき攻撃か。噛みつきは結構やっているが、さてどの程度の威力なのか。もしかしたらアクティブのスキルの中で一番使い勝手がいいかもしれないな。尻尾を使った攻撃では、結構隙が大きい。何せ自分の後方へ攻撃するのだからな。
と言うかもしかして蝙蝠の首を食い千切ったのはこのスキルが勝手に発動したのだろうか?
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『自切』
自らの意思で体の特定箇所を切り離す。
特定箇所:尻尾
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最後はこいつ、『自切』。
これは前世でお馴染みの蜥蜴の尻尾切りだな。
確か外敵に襲われたときに、蜥蜴が自分の尻尾を切り落として囮にする事。そういえばタコやカニも自分の脚を切り落とす事があるとかないとか……。どうだったかな?
まあスキルの内容は大体理解した。
これで後は実際に効果がどんなものか確かめるだけか。
そういえば『不完全成長』というスキルがステータスから消えているな。一応進化して大きくなったから成長したという事か?
痛ッ。
首元に鋭い痛みが走る。
どうやら先ほどまで甘噛みを続けていた芋虫が、少し強めに噛みついてきたらしい。
そして今度はしきりに顎を擦り付けてくる。一体どうしたのだろう? いつになく芋虫は落ち着きが無い感じだ。
「ギャウ、ギャウ?」
大丈夫か? どうしたのだ? と言う意味を込めて鳴き声を上げる。どうせ伝わらないと思っての行動だったが、芋虫は俺の目を見て、それから洞窟の出入り口の方を見る。その動作を数回繰り返す。
外に出たいのだろうか? もしくは俺に餌を取ってこいと言っているのか?
そんな考えは次の瞬間に吹き飛んだ。
なぜなら、聞こえたからだ。乾いた何かを引きずるような音が。
どうやら俺と芋虫の巣に、お客さんが来たらしい。
さてゴブリン以来のお客様、それは敵か餌か、はたまた友好的な本当の意味でのお客様か。
俺は進化し、強靭になった体に力を込めた。




