青の章 第19話 進化
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青の章 第19話 進化
『個体名、アマツキの進化の完了を確認しました。ステータスの大幅な更新があります。レベルがリセットされました。』
「ギャウ!?」
余りの驚きに情けない鳴き声を上げながら飛び起きる。
せっかくぐっすり眠っていたのに、聞き覚えのある声が頭の中に響いたのだ。
飛び起きて、状況を整理するのに少し時間が掛かった。
……あー、先ほどのは……ユグちゃんの声だったな。なんて言ってた? 俺の名前と……進化? ステータスがどうのとか?
寝ぼけた頭をどうにか働かせようと爪で頭部を引っ掻く。
むぅ? 何か違和感が……、俺の爪ってこんなに長かったっけ?
なんとなく前脚を見ると寝る前よりも鋭そうな爪が前脚の先に付いていた。
前脚自体はなんとなく太くなった感じがするな。生えている鱗も、寝る前までは薄汚れた感じの青色だったが、今は少し灰色の混じったスカイブルーといった色合いだ。むぅ、カッコいいな。
ん? 脚に向いていた視線を自分の前方に向けると、芋虫と目が合う。
芋虫は何やらまじまじと俺の全身を観察しているようだ。
むぅ? 芋虫、寝る前よりも縮んでいないか? ……ああ、そうか進化とかなんとかって……、もしかして俺の身体が大きくなったのだろうか。
俺も自分の全身を、首を回して観察してみる。
身体に巻いてあった糸がない……そういえば寝る前に芋虫が糸を取ってくれていたな。
…………なんというか、まぁ、進化ってすごいな。
寝る前に比べ、全体的に体の迫力が増している。
身体は体長が寝る前の一・五倍くらいか、そのぐらい大きくなっている。
全身を覆う鱗は灰色の混じったスカイブルーの様な色、身体が大きくなったのと同じように鱗も一枚一枚が大きくなっている。爪は白に近い灰色といった色合いで、細い四肢の指先から細い三日月の様な形をして生えている。まるで恐竜の爪だな。
四肢自体はなんとなく筋肉質になっている感じだ。尻尾は体に比べ大分細い感じになってしまっていた。長さは多分伸びているのだろう。動かしてみると少し動かしやすくなった感じがするな。いや尻尾の関節が柔らかくなったと言う表現が正しそうだな。
頭部は自分では見れないので、確認できた変化といえばこんなものだ。
ああ、ステータスがどうとかも言っていたな。ちょっとみてみよう。
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ネーム-クライ アマツキ
種族 堅鱗蜥蜴
レベル 1
スキル-パッシブ
暗視
水氷弱体化
寒冷弱体化
青ノ魂
蜥蜴の鱗
蜥蜴の爪
スキル-アクティブ
尾の一撃
咢の一撃
自切
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……むぅ。何やら最後に確認した時と比べて色々と増えているな……。
面倒だが、この世界での命綱に等しい事柄だ。
一つ一つ確認していくか……。
まずは……上から順に確認していくか。なになに、名前は変わらず……、種族がリザードから堅鱗蜥蜴? 鱗が堅く……丈夫になったという意味か?
次にパッシブの方のスキルだが……『暗視』は変わらないな、要は暗いところでも明るく見えるというスキルだろう。
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『暗視』
一定以下の光量の場所で視覚補正。
一部視覚低下を抵抗。
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……なに?
ステータスの『暗視』の文字に意識を集中した途端、新たな表示が脳内に出現した事に困惑する。
一体どういう事だろうか? 見るからに……というかどう見ても暗視というスキルの説明だろう。
何やら難しい表現を使っているが、要約すると暗いところが明るく見えますよ、と言ったところだろう……多分。
もしやステータス内に表示されているものは、意識を集中させると詳しい説明が確認できる、という事だろうか?
もしそうなら、ありがたい。
情報が少ない中で生きていかなくてはならなかった中で、この仕様の有無は大きい。
俺は脳内に浮かび上がるステータスの詳細を詳しく確認していく。どうやら先ほどのように確認できるのはスキルだけのようで、名前、種族、レベルは詳細を見ることができなかった。まあ、できないものは仕方がない名前やレベルはともかく、種族については詳しい情報を得たかったものだが……。
面白いもので、ステータスの表示は、普段確認していた名前や種族の表示されているものの側に『暗視』で確認したような説明文が表示される。『暗視』などのスキルの説明を表示したままでも、ステータスは問題なく確認できるようだ。
この勝手はパソコンに似ているなと思った。
インターネットを開いているときに二つのサイトを同時に表示している感じだ。まあ実際は俺の頭の中に表示されている情報なので、どうにも違和感はあるが。……というか、俺は二つのサイトを開くなどという高度な操作はできないのだがな。俺は機械音痴なのだ。
俺がパソコンを操作する際には大抵、パソコンに強い桐香さんか、心が側に付いていてくれたものだ。
話がそれた。とにかくそんな便利なステータスの表示を利用して、俺はスキルの詳細を次々に確認していった。
因みに、姿が変わった俺を警戒してか遠巻きに俺を観察していた芋虫だが、暫くすると構って欲しそうに俺の頭部を甘噛みしてきた。
まだ体格的には倍以上差があるが、なんとなく進化前よりも可愛く思えた。




