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LEGEND COLLAR~色彩の英雄~  作者: 水晶 蜻蛉
黄の章 憧れの異世界 編
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黄の章 第23話 マンナズウルフ

黄の章 第23話 マンナズウルフ

 

 『個体名、フウタロウの進化の完了を確認しました。ステータスの大幅な更新があります。レベルがリセットされました。』

 

 「んご!?」

 

 唐突に響いた音に驚き跳び起きた。辺りを慌てて見まわすが、変わった所は見られない。辺りは完全に夜の帳が降り、星明りのお陰で自分の周囲に何があるのかは辛うじて分かる。

 俺の隣で身を寄せて眠っていた兄弟達が驚いて俺を見。しかも誤って黒い狼の兄弟、その身体に勢い余ってぶつかってしまった為に彼からは非難の視線を向けられる羽目になってしまった。

俺は平静を取り繕って「大丈夫だ、問題ない」と言い訳をした。その言葉を疑うことなく夢の世界へ再び旅立った兄弟達を確認。深呼吸でうるさい程鳴り響く心音を落ち着かせもう一度辺りを見渡す。

 

 ……少し離れた所に呼吸音が二つ。これは……天月とスフレちゃんの匂いか。

桐香さんの匂いが無いな? ああ、そう言えば一人で狩に言っているのだっけ。見張り頼まれていたのに見事に寝ちまった。まあ、桐香さんが天月の元を離れてから、べったりとスフレちゃんが寄り添っているから問題は無いかも知れないけどな。頼もしいボディーガードだ。

 

 ……。少し落ち着いた。先程聞こえた音―――言葉の意味が、何度も反響しじわりじわりと頭に染みこむ様に理解できた。

 進化……。進化って確かに言ってたよな、間違いなく。聞き覚えのある声。女神ユグドラシル―――ユグちゃんの声だった。

 どうすればいい? ……ステータスを確認するか。何か変化があるかもしれない。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ネーム―ヨロイヅカ フウタロウ

種族 怪狼マンナズウルフ

レベル 1

 

 スキル―パッシブ

【耐性】

 恐怖耐性

 混乱耐性

 

 スキル―アクティブ

【牙】

咢の一撃(ヂョー・バイト)

【爪】

 狼の鉤爪撃ウルフタロン

【身体】

 人姿マンナズ


 魔法

【土属性】

  【土塊つちくれ

  【生きる屍ザ・ニート

【闇属性】

  【常闇とこやみ

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 ……。お? おお!? なんか変わってるな!

 前にステータスを見た時と比べて、種族が変わっている。スキルも……うん、新しく二つ増えているな。

 何で急に―――とも言えないか。そういえば最後に確認した時俺のレベルは九だった。そこから何かの拍子に一つ上がって十になったとしたら、きりが良い数字ではある。レベルが十になった事で進化したとすれば納得は出来るな。先程の音は進化コレを知らせるモノだったのか!

 

 まあ理由云々は置いておこう。どうせ一人じゃ検証のしようがない。

 大事なのは、……ついに俺にも新スキルが追加されたって事だ! バージョンアップ到来だぁぁぁぁ!! これは期待できる大型アップデートだぜ!!

 

 いいねぇ! いいねぇ! こう新要素が一番テンション上がるよなぁ!

 ちょ、早速確認しようぜ!

 

 種族はウルフから―――怪狼マンナズウルフ? ちょっと良く分からないな。保留。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 狼の鉤爪撃ウルフタロン

 爪による強力な一撃。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 お? これは使えそうだな。既存の攻撃を強化するタイプの能力か。欲を言えば全く新しい能力が良かったけど……まあこれで打ち止めって訳でもないだろうし、使ってみるまではどんな性能なのかは不明だ。次の狩りではこのスキルの威力を計ってみよう。ただのネイルじゃなくてタロン……鉤爪ってネーミングは、まあ中々いかしてる。

 ふっふっふ、思いもよらず楽しみが増えたぜ。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 怪姿マンナズ

 自身をマンナズ形態へと変化させる。熟練度により変化後の能力が上昇する。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 ……日本語でOK。じゃなくて、せめてきっちり日本語で説明してくれよ。日本語訳がばがばな海外製ゲームか!

 マンナズって何だよ! 形態を変化って事は何か? 車がロボットになる的な事か? それとも日曜の朝方に放送してるヒーローのフォームチェンジ的な事か? それとも変装的な意味合いなのか? 分かんねぇ。

 狼から何に変化するんだよ。

 

 闇魔法もなんか新しい魔法が増えている様子だったが、口に出しても発動しない。そもそも土魔法みたいに土を動かすってイメージしやすい物なら兎も角、闇をどうこうするってのはどうもイメージがわかない。影とかとは多分別者なんだよな? 現状では闇魔法は使い方が分からないので無いのと同じだ。

 

 ……うおぉい。俺の進化、結局爪を使った攻撃が強くなっただけかよ! 地味! 地味だぞ! もっとロマンのある能力を要求する!

 がっくりと項垂れた俺は地面に突っ伏すと、そのまま眠りに落ちようとした。

 

 違和感―――を感じ取った訳では無かった。辺りに漂う匂いには特に気になる物も無く、小動物の気配すら無い静かな森の中。

 半分以上閉じた視線の先―――吸い込まれる様な暗闇に包まれた森の中に、星の輝きに似た光が二つ。

 何度か瞬くその光は、何故かだんだんと大きくなっている気がして。そこで初めて森の中に何故そんな物があるのか疑問に思った。

 

 やがて二つの光、―――いや。一対の瞳と目が合う。丁度ソレは、木々の陰から地に突き刺さる星明りの下で停止した。

 

 咆哮が、響いた。

 


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