流れに負けつつ
田舎から出てきた頃のこと。
いつもいつも、人波に揉まれつつ、通学をしていた。
どこからこんなに、どうしてここに集まっているのか。
そんなことを思っていると、その人らの波に流されて、いつの間にか思ってもいないところへとたどり着いていた。
それに対抗する術を考えていた1か月ほどしたころ。
ようやく何をするべきかが分かった。
要は、流れに逆らって動こうとするのがダメだったのだ。
だったら流れに逆らわずに、負けつつもその方向へと動いていけばいい。
すると不思議と、目的の出口へといつの間にかたどり着くようになった。
これに気づいたことを、友人に言ったところ、もう知っていたような顔をして、今更?と返された。