鏡よ鏡、118
「めでたいんだろうけど、おれには関係ないわ」
「何が関係ないのよ?わたしのはなしよ?浮気だろうが不倫だろうが、わたしの事よ?一緒に喜びなさいよ」
「おれの子どもだったら、一緒に喜ぶよ」
「だから、子どもじゃないの。わたしの事なの」
「妊娠してる女が重要で、子どもは重要じゃないと?」
「そう。子どもも重要だけど、妊娠しないことには子どもは生まれないの。」 「…わかったよ。どうすりゃいいんだ?」
「帰らないで私の隣で飲みなさいよ。」
誠はしぶしぶと、ひとみの隣に座った。
「ひとみ」
「はい」
「前に一緒にいた時は子ども出来なかったよな」
「あの頃はお互いに子どもとか考えてなかったもんね」
「あの時に出来てたら、おれと結婚してたか?」
「うーん…どうだろうね?あはは」