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俺の経験値だけ時間制だった  作者: リリエル
プロローグ
6/20

#5 「(もしかしてこれ、詰んでる?!)」

 魔物の流れに逆らって元凶を探していく。

 下を見れば魔物が黒い川のように流れていく。

 この数と戦うのは勘弁と苦笑いしつつ、サナとナユナは空を行く。

《飛行》にも大分慣れ、安定してきた気がする。


 そんな時、前方に巨大生物を確認する。

「なんだあれ。」

 その圧倒的な存在感に、サナは呆れ気味に変なデタラメもいるものだなと零す。どうやら自分の事など知ったことではないようだ。

 巨大なそれについてナユナに訊こうとして振り向くと、ナユナはフリーズしていた。


「……な、ナユナ、さん?」

 サナに名前を呼ばれ、ナユナは正気に戻る。

「……大……丈、夫……?」

 サナに心配され、ナユナはおほんと咳払いして失礼しましたと一礼。そしてサナの疑問を察して答える。


「あれは巨亀竜(トゥトィスス)と言います。この辺りでは最強の魔物でございます。」

 わお、あれが最強の魔物、か。

 ……でもなんか様子が変だ。


「まさか……」

 おい嘘だろ? 最強が何かから逃げてるって。

 あいつ以上のがいるってか?

 ははッ、笑えねえ。


「一旦戻ろう。」

 サナの提案の意図を察し、

「御意に。」

 とナユナは一礼した。


 ↓


「なに……巨亀竜だと?! 間違いないのか?」

 調べてきた内容をアランに伝えると、彼はわかりやすく焦っていた。

「ええ、間違いありません。」

「更に言うなら、そいつも何かから逃げてたって感じだったよ。」

「嘘だろ?!」

 追い打ちのようにサナが言うと、アランは変な汗をかき始め、そして


「チッ、仕方ない。避難しよう。」

 舌打ち一つ、そう決断した。


 アランは森の全員に避難すると告げた。

 まあ当然のように怒号が飛んだ。

 森を捨てるのか、と。

 しかしその全員が続いたアランの言葉に黙った。

巨亀竜(トゥトィスス)が、いや、それ以上の存在が、ここに向かってきているらしい。」

 どうやら巨亀竜は、それほどのものみたいだ。


 斯くて樹霊種達はサナが開いたら《ゲート》を使って、避難を始めた。


◆┫「(もしかしてこれ、詰んでる?!)」┣◆


 さて、樹霊種達と共に町に帰還したサナ達であるが、問題は多い。

 差し当たり問題の一つとして、樹霊種のことが挙げられる─────訳ではなく。

 もっと単純なことだ。


 今まで気づかぬように心掛けていたが、しかしもう限界だ。

 あまり我慢するのは色々良くないし。


 それと、そろそろ気づく頃だろうかな?

「(もしかしてこれ、詰んでる?!)」

 サナ……いや、アキが(・・・)詰んでいることを。


 では答えといこう。サナはナユナにこう訊ねる。

「女の人って、おてあらいどうしてるの?」


 ↓


「それはセクハラでございますか?」

 さすがのナユナもそれはアウトらしい。

 若干引いてみせるも───しかし直ぐに笑顔になり、

「……冗談です♪」

 ただからかっただけだと告げる。


「ここに来る前は男だったのでございましょう?」

「ああ。それが幼女の姿になった訳だけど……」

「つまり?」

OUT(発禁)なんだよ。それ(・・)をするのが。」

 いくら自分の体とはいえ、アウトなのは確かだ。

 さてどうするか───なんて考えているサナにナユナが言った。


「ここは開き直るほかないかと。幸いにも、サナ様はどう見ても少女ですし♥」

 そうだよね。それしかないね。方法は。

「耐えるしかないか……」

 サナはその事はもう考えないことにした。

種族の説明はまた次回に。

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