第8話 まさかのチート使用ありでした。
「あ。んでんで基本的にどうすればこの世界で強くなれるの?」
ホテルの部屋に戻った後、幸太はルリに話しかけた。
幸太の考えはこうだ。
モンスター討伐による経験値up。
しかしルナはこう言った。
「そうですねー。普通の人なら経験値稼いだりめんどくさいことしますよね。でも今回はダルいんで俗に言うチートみたいなの使っちゃいます」
「え!? 何ここから俺TUEEEE小説になる感じですか!?」
幸太はいくつもの困難を乗り越えた先に……。という展開かと思ったが予想外であった。
幸太は心底嬉しいのが本音である……。
「まぁそんな感じかなぁ。よいしょ」
今回は紫の魔法陣を作り出し、中から水晶玉の様なものを取り出す。
「ルリ先生。そちらは一体」
不思議そうに幸太はルリの持っている水晶玉をのぞき込む。
「少し待っててねぇ。ミスティア様ー?」
ルリは水晶玉に向かって喋りかける。
「はいはーい。何でしょうかルリちゃまー」
ミスティアの発言に何かとルリはイラッとする。
がしかし冷静を保つ。
「幸太に例のを」
「あーね。はいはい」
ミスティアの適当な返事が聞こえた数秒後だった。
ドサッ。
布団の上に1本の黒い剣と鞘。黒い服とズボン。黒い服は襟が綺麗にたっており、膝上位まで長さがある。ズボンにはシンプルな黒ベルトは銀の留め具。
刀身は1m位。角が少し丸くなった四角形の持ち手には何故かぐるぐると包帯が巻かれている。
黒い刀身はシンプルなデザインで、金属光沢を放っている。
とても美しく感じられた。
「じゃあ後はよろしくねん! 私は忙しいのでこれで〜」
それだけ言い残した後、ミスティアの声は聞こえなくなった。
「な、なんだこれ!?」
幸太は内心驚く。それはそうだろう。いきなり服と剣が降ってくるのだ。
「それはアルリナ装備って言ってね? まぁ神器と言っても過言じゃなくいらいの装備1式なの」
ルナの発言に幸太は驚いたがそれ以上に興奮した。
「でもそんなん俺が着ていいのか?」
幸太の頭の中に疑問が浮かぶ。なぜならレベルもまだ低く、今はまだただの雑魚同然であるからだ。
「これは転移してきた人しか着れないそう。因みに私が着てるローブもアルリナ装備なんだよー。武器の方はこの前のゴブリンの時出したんだよー」
ルリはくるりと回って幸太に見せる。
「へぇー……。すごいなこれ! 多分アビリティーみたいなの付いてるんだろ? 」
幸太は異世界ゲーにあった効果と同じ要素と思い聞いてみる。
「そうだよん。アビリティーにもランクがあるんだけど、これはSABCの中のS。つまり最高ランク。武器と服両方に付いてるの」
ルリは淡々と話を進める。
「なるほどな。もう少しあったりするんだろ?」
まるで見透かすようにルリの方を見る。
「あるよ!これがチートって言っていいやつだと思うんだぁ。
それが神の加護。他の装備には絶対付いてないの」
そう言うとえっへんと腰に手を当て胸を張る。
「おおぉ。どんな能力なんだ? それ」
次が気になる幸太。
「まぁまぁ待ちたまえ幸太君」
調子に乗り始めるルリ。
「まずアビリティの能力を教えよう。服のセットで発動するアビリティーは、相手の攻撃90%カット。さらに全属性耐性!」
ほぼ無敵ではないかと疑うアビリティーにさらにが追加される。
「さらに! 武器のアビリティーは壊れることなき刀身! 火力50%up! ここまで来ればほぼ無敵!」
調子に乗ったルリは最後の説明を始める。
「次が最後の大見せ場!! 神の加護は終わりなき魔法詠唱。つまりMPは無限! 最後に全ステータス+10000!
因みにただ10000と言ってもそうぞうできないから教えよう!この世界で最高レベル。つまり100を超えた時えれるステータスなのです!」
ルリが言うことを簡単にすれば、レベル100スタート。
それに服と武器のアビリティーが加わればもはや敵なしである。
「おおお!!すげぇ! じゃあルリは今全体的に15000はもうあるのか?」
幸太の質問。
「いや。まだ平均で13000位。ステータスとレベルは比例しなくて敵から落ちるステータス玉みたいなのでステータスが上がるの。だからそこまではいってないんだ。上限が10000ってだけだよ。」
ルリの発言にうむなるほどと幸太はこくこくとうなづく。
「さぁ幸太!あなたもそれを着るのです!そして武器を担いでミッションへGoなのです!」
「おーーー!!」
ルリのノリに続きグーの手を勢いよく上に伸ばす。
ということで本日を用いて幸太ステータスはレベル100を超えたのだった。
まさかのチート使用ありな世界観だった。
因みに+10000はステータスには載せられないんだとか。