第20話 白髪の少女
久しぶりの投稿です!
最近休んでてすいませんw
またこの後も少し休むつもりですが、どうかよろしくお願いします
「……」
ソーマは何を見ているのかわかっていないような目でルリにしがみつく少女に目を向ける。
「いや、あのね? この辺りをうろちょろしててね? 迷子なのかなーって……」
ルリがあたふたしながら説明をする。
「えーっと……なるほど。それは可愛そうだね。うん……。でもひとつ聞いていい? 普通子供が迷ってたら親探すとかしない?」
「それはこの子が可愛すぎて手放すことがもったいなくて……ね?」
頭を斜めに下げてルリはソーマを見つめる。
その目は簡単に説明すると捨て猫を見た子供が「お母さんあの猫飼いたい!」と訴えるものと同じである。
「いやいやいやいやあのね? さすがにお母さんが心配するでしょ。それ多分誘拐の部類に……」
その後ソーマは付け足して言う。
「女に吹っ飛ばされた噂の次はロリコン疑惑とか……さすがに……ね?」
疑惑だけならともかく誘拐したら犯罪者である。
「う……確かにそれは」
そう言ってルリが表情を青くした所ベルクが言う。
「さすがに誘拐はダメですよルリさん。じゃあ僕がこの子と一緒にお母さん探ししてきます。」
そして手をぐっと握りしめ続けていう。
「だからソーマさんはBかCの優勝者と戦ってきてください! ルリさんはここで見守っててあげてください」
「お、おう……頼むわ。」
なんだこいつ珍しく使えるぞ……と頭の中でソーマは独り言をいう。
「わかったー。じゃあお願いするね」
ベルクくんこんな使える人だったけ?ルリはそう頭の中で独り言をいう。
「じゃあ行こっか!」
ベルクがそう言う。
しかし少女は無言で首を振る。
「ん? 何か事情でもあるのかい?」
「お母さんはいないっていうか……」
そう少女が喋ろうとした瞬間「おぉ!いたいた〜。ったくどこ行ってたんだよ」と、言いながらこちらに向かう少年がいた。
「ん? 君たちはなんなんだい? とっとと僕の奴隷から離れてよ。こいつは僕の所有物なんだ」
偉そうに腕を広げ喋る少年に対しソーマは……「なぁルリ。こいつぶっ飛ばしていいか?」と、聞く。
「むしろ銀河の果まで飛ばす勢いで頼むわ」
と、ルリがいう。
普段なら急にテンションが変わるルリに驚くソーマだが今回は別だった。
「おいてめぇ……」
血相を変えてソーマは少年に近づく。
「ん?」
「一生俺の前にかおだすんじゃねぇ!!」
と、渾身の一撃を腹部に綺麗にいれる。
すると少年はソーマの拳により「キラーン!」と効果音を鳴らして空の彼方へ消え去った。
「さ、もう君の主はいなくなったんだ。僕達と一緒に旅しようと思わない?」
そうソーマが声をかける。
「え、でも……その」
「いいんだよ。もう君は自由なんだから」
戸惑う少女にベルクがそう言う。
「うんうん! いこいこ!」
ルリも2人に乗って少女に声をかける。
「わ、わかった! よろしくお願いします!」そう少女は深く頭を下げる。
「そんなかしこまらなくていいんだよ? 僕の名前はベルク! 宜しくね!」
「僕の名前はソーマ。よろしく」
「私の名前はルリ! よろしくね!」
そう三人が名乗り終えると少女は「え、えーとっ。私には名前がなくて……」
と、答える。
「んー……じゃあアリスちゃんなんてどうかな?」
と、ベルクが提案する。
「その名前にする……」
どこか恥ずかしそうに頬を赤らめて少女はそう言った。
「じゃあアリス! 改めてよろしくな!」
「よろしく!」
「よろしく!」
ソーマに続いて二人もそういった。
「よ、よろしくおねが……えっと。よろしくです!」
と、新しい仲間、アリスが加わったところでゴングが鳴る。
「次はAの優勝者ソーマ選手とBの優勝者ジャック選手の対決だーーー!! 選手はフィールドにカモーーーン!!」
いつも以上にテンションの高い声で大男は言った。
「よし……じゃあちゃちゃっと汚名返上してくるから応援しててくれよ!」
そう言ってソーマは観覧席からフィールドへと向かった