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理不尽異世界ファンタジーライフ!  作者: 星月なつ
第3章 成り上がる為の1歩
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第19話 奇術師の謎

ソーマとキアリスがフィールドに立ち、向かい合うと多くの歓声がコロシアム全体に響き渡る。


「本気で貴方様のお相手をさせていただきます」

そう言ってキアリスはソーマに向けて執事の様に綺麗なお辞儀をする。


「嘘つけ。絶対本気出すつもりないだろ」

「それはどうでしょう……まぁそれはさておき、今私ができる最善を尽くすことは間違いありませんのでご安心を」

キアリスはソーマにそう答えた。


「それではAブロック最終戦!! 開戦だーーーー!!!」

そう大男が言った。


そして次の瞬間ソーマは背中にある剣をさやから抜かず、なにも持っていない状態でキアリスの元へ。


一瞬でキアリスの目の前に辿り着いたソーマはキアリスの腹部に一撃を加える。

すると案の定そのキアリスは消える。


そしてソーマの背後に二体目のナイフを構えたキアリスが現れる。


しかしソーマはそれを無視するかのように避けて通り、フィールドの真ん中に立つ。


「っ!? 何を?」

キアリスはそう思いソーマの方へと体を向ける。


「これで終わりだ!」

そう叫んだ瞬間、ソーマの手元には赤い魔法陣。


「その位置から何を……」

そう言ってキアリスはその場で留まりすぐ動けるようにと辺りを警戒する。


そしてソーマは地面に拳を叩きつける。

すると魔法陣はソーマの手元から地面へと移る。


地面に移った魔法陣は一瞬で大きくなりフィールド全体の大きさに。


「なっ!?」

そうしてキアリスがソーマを殺しにかかった時にはもう遅かった。


フィールドは勢いよく爆発し、その場には立ち込める砂埃が晴れた後、ソーマ以外誰も立っていなかった。


しかし次の瞬間。


「な、なんで……いるんだよ」

ソーマが恐る恐る顔を上げる。


すると次の瞬間、小さな爆発とともにキアリスが現れる。


「ふふ。さすが……とでも言うべきでしょうかねぇ~」

キアリスはハットをくるくると回し頭に乗っける。


「お前……どこにいるんだよ」

険しい表情でソーマはキアリスを睨む。


「ここにいますよぉ~……なんて言っても信じませんよねぇ。仕方ない」

そう言うとキアリスはスタスタと歩き会場の淵へ。


「また後で」

「どういうことだ?」

キアリスはソーマに返答もせずフィールドを降りていった。


「え、えぇっとー……? キアリス選手はー……辞退した? と言うことでえっと。ソーマ選手の勝利ー!! Aブロック優勝はソーマ選手だー!!!!」

そう大男が言うと辺りは歓声に埋め尽くされる。


そんな中、ソーマは一人「気持ちよくないけど楽に勝てたならそれ以上にいいことは無いか……」と、気分を少し落としつつも勝ったことに安心する。


その後、ソーマはすぐにキアリスの後を追いかける。


キアリスが向かっていたのはソーマがいた選手室とは反対の位置にある選手室。そこにソーマが入ると「きましたねぇ~」とキアリスぎ陽気な声で迎え入れる。


「んで? どういう事なのか手っ取り早く説明してくれ」

ソーマはルリに報告をしたいというのもあり、先を急ぐ。


「僕はあのフィールドにはいなかったんだよ……そして今ここにいる僕も僕の分身。わかるかい?」

キアリスはソーマにできる限りわかりやすいように説明をする。


それに対して「あぁ。つまりキアリスさんは元からこの戦いに参加していなかったってことだろ?」と、ソーマは返答する。


「まぁそうなるね。だから私は負けるはずはないんだ。でもあの規模の魔法を使われてフィールドに立っていたら周りからブーイングが来るのは間違いなかった。だから……」


「フィールドから降りて辞退したのか」


「そういうこと……まぁそんなところです。それではまたの機会に」

そう言ってキアリスは手を「パンッ」と叩くと姿を消す。


「さて……ルリに報告でもしに行こうかなっと……」

そう言ってソーマは観客性へと向かう。


「ソーマおかえり! よく分かんなかったけど勝ててよかったね!」と、ルリが喜ぶ。


続けてベルクが「凄かったですよ!」と、感嘆する。


「ありがとなぁ……。とりあえず嬉しいのは嬉しいんだけどね? その子誰?」


「ひゃっ!?」

そう言ってソーマが指さした少女はルリの背後に周り、服にしがみつく。


白い髪に赤い目。小汚い薄布を着た少女。

その少女はまるで奴隷のような見た目だった。

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