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理不尽異世界ファンタジーライフ!  作者: 星月なつ
第3章 成り上がる為の1歩
15/20

第15話 まずは一戦

終戦だと言われるとその場に残っていた大会参戦者は皆、入ってきた場所へと戻る。


「おぉー。今回は面白そうだねぇ」

貴族席にて高みの見物する白髪の男。

ニヤニヤと不敵な笑みを浮べながら観戦する。


「ソーマさん凄かったですね!」

「うんうん!!」

観客席では2人が盛り上がっている。


「あー……よくわかんないけどいけそうかな?」

大会のルールすらまともに覚えていないソーマは「まぁいっか」と軽く考えて次の戦いに望む。


受付で貰った英語の書いてある紙によって組み分けされるのだがソーマはAチームである。


「あーつかれた」

「やぁやぁソーマ君。良かったよぉさっきの一撃。すぐ終わっちゃってつまんないって思っちゃったけど」

だるそうに闘技場内をうろつくソーマにキアリスは声をかける。


「あ、まじすか。なんかすみません」

ソーマは髪の毛を掻きながら苦笑いをする。


「大丈夫ですよん。それより……Aチーム何でしょー? 」

「え、そうですけど」

「それならすぐ僕とあたるね」

ソーマの肩に手をぽんと置き耳元で囁く。


その瞬間ソーマは恐怖を感じた。何故自分が恐怖と思ったのかもわからず。


初めて何かに怯える感覚を覚えてソーマは硬直した後ふと我に返る。


とすぐに「組み分けA。ソーマvsリリアー!!」と大男の声がしてドキッとする。


そして後に相手がまだキアリスでなくて良かったという安心感がやってくる。


「気にしても仕方ない! 行くぞ俺!」

そしてソーマは走り出す。

戦場に向かって。


そして入口を走り抜けると先程のフィールド。壊れていたはずなのに直っているのは魔法か何かを使ったのだろうか。


そして目の前にいる女性がどうやらリリアなのだろうとソーマは察する。


リリアという少女は何故か笑いを浮かべている。紫の長い髪に、青い目。

服装は動きやすさ重視に設計されたような青色の布地のローブ。見方によっては足元まで布がない浴衣とも言えるだろう。


不思議なのは武器を持っていないこと。


「さぁ両者ともに揃いました! それでは開戦だぁぁあ!!」

大男のうるさい声と共に戦いは始まる。


「!?」

ソーマの油断。チート装備を付けるからと言って相手を軽く見ていたのだ。


リリアは一瞬でソーマの目の前へ。

そして指先から紫の電光。

ソーマの心臓部を目がけてそれを当てに行く。


ソーマはここで終わるわけにはと背中を仰け反らせ一撃は回避。

そして次の攻撃が来ることを予知して後ろに大きく飛躍した。


ソーマはリリアが武器を持たない理由を察する。


そして体制を整えた所で剣を鞘から抜き、構える。

一度大きな深呼吸。


そしてすぐにリリアはこちらに向かってくる。速い。

気づけばすぐソーマの目の前である。


いくら相手が迫ってきても体制は崩しちゃ駄目。相手の動きを見るの。

いくら突っ込んできても相手も手を伸ばすだけの幅がいるのだから落ち着いて対処するの。


そんなルリのアドバイスを思い出す。


ここだ!心の中でそう叫んで体を右に一瞬で移動させ横に振る。


リリアが手を前に出す為に作った隙間によって当てるまでの時間がかかる。その一瞬でソーマは右に移動したのだ。


そして案の定リリアは空振り。


ソーマの横振りが当たる寸前に攻撃を仕掛けようとしていた右手を地面に付けて体を反る。


リリアの真上を通るはソーマの剣。

リリアはその剣に向かって、後ろに回転するように飛ぶと同時に蹴りを放つ。


ソーマは剣を蹴られて思わず体制を崩す。


そこをリリアはすかさず狙った。先ほどと同じく右手の電撃。


「ウッ!?」

リリアの攻撃はソーマの脇を潜るようにして行われた。

先程は正面から入ったせいで隙間ができたが脇を抜ければ隙間など関係ない。


そのまま押し飛ばすようにしてリリアはソーマを電撃と共に吹き飛ばす。


「これ……勝てそうにねぇや。でも何もしなきゃ何も始まんねぇよな」

ソーマは吹き飛ばされている中でそういった。


そして空中で一回転。綺麗な着地を見せた。


「驚いた。これをくらってそれだけですむなんて」

右手には先程の電光。それを持ちながらリリアはソーマへと近づいていく。


「何者って言われてもなぁ……」

1回戦目から無理なんじゃないかと考えるソーマは今この時間に勝つための作戦を考えようと頭をひねる。


「そう言えばあなた水商売の女に吹き飛ばされて死んだって噂になってた人?」

リリアは問い続ける。


「あぁ。そうだか何か?」

ソーマは思考変更。こいつをぶっ飛ばす。作戦は以上だった。


「アハハハ!こんなに強いのにあなたはなぜ殺されたの?」

リリア高笑いをし出した。観客も。


「色々あってな……」

答えたくもないソーマ。


「また女に吹き飛ばされて死んだなんて噂は広められたくないでしょ? だから降参するかどうか考えさせたげる」

嘲笑いながらリリアはソーマに江さんの予知を与えた。


「馬鹿言え……俺は勝たなきゃいけないんだよ。いや、その前に勝てる気しかしねぇわ」

「ふっ」と鼻で笑うと剣を構える。


「そう……じゃあ」

そう言うと全く同じ攻撃。


「あんまり同じ事ばっかやってて自分の攻撃が読まれるんじゃないかって考えた事ないの?」

ソーマは軽くジャンプしてリリアの頭を踏んでリリアの頭上高くへ。


「な!?」

リリアは戸惑った突き出した手をそのままにして。


「降参するなら今のうちなんて俺言わないからね?」

そしてフルパワーで剣を振り下ろす。


リリアの姿どころかフィールドの形は跡形も無くなっていた。


「あぁーっと……まぁいいよね!」

テヘッと舌を出して剣を鞘にしまう。


「終戦だぁぁぁあ!!!」

大男が言う。


ソーマは周りにペコペコと頭を下げて出口へと。


まずは1歩。そう心の中で呟くとグッと拳を握った。

ベルク

赤色の髪に青い目。

控えめな性格で優しさの塊である。

身長165

年齢17

服装はこの世界に来て間もない頃のソーマも来ていた異世界と言えば!と言うくらい高頻度に出てくる服装。

白いシャツに紺色のジーンズ。茶色いブーツである。

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