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理不尽異世界ファンタジーライフ!  作者: 星月なつ
第1章 異世界という希望
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第1話 異世界転移

初めまして。星月なつともうします。

かしこまってはいるものの普段はただのアホです。

今回は面白おかしく、ということを題材に小説を書いていこうと思います。

もし良かったら読んでってくださいね!

「まだ朝の10時か……」

青の生地に白い縦線が入っているパンツ1枚で寝ている少年が言う。


髪の毛の紺色、目の色も同じだ。


六畳ほどの部屋。床はフローリング構造。

その部屋の4分の1を埋めるは白いベッドである。後は勉強机とは仮の名のパソコン置きがある。


そしてこんな時間……。平日の朝の10時。

部屋であくびをしながら二度寝に入る。

そう。彼、野々村幸太は高校二年生で引きこもりである。


高校に入学する前は彼も至って健全な男子生徒であった。

しかしちょっとした体調不良で二日休んだ次の日何故か足が学校に向かいたくないと反抗した結果だ。


まぁよくあるケースの一つではないだろうか。


そして部屋の隅には、そんな社会のゴミを見下ろす2つの黒い影があった。


「あ、あの人です? 今回の目標って」

左に、両手でまるで首吊り自殺にでも使うような紐を持った黒髪の少女。

「え、えぇ……。そのはずですわよ。ほらだってこれ。えーと……うん! あってる! 」

右に短刀をもったショートカットの白髪の少女がいた。


二人の服装はよく似ている。縄を持った少女は黒髪同様黒色で、短刀を持った少女は白色で、深いフードがついたローブを着ていた。


ヘアピンは白髪の少女が黒。黒髪の少女が白となっている。胸がほんのり膨らんでいるところから幼さを感じる。


「あー……。なんだ?」

幸太が少女二人の声で目を覚ます。

と、その瞬間少女達は慌て出す。


「ど、どうしましょうどうしましょう」

と、黒髪の少女。

「え、ええい! 迷ってても仕方ないわ! マリ! 縄で縛って!」

白髪の少女が短刀を構える。


「な、なんだお前ら! お、おいいい! や、やめろーーー!!」

次の瞬間幸太の意識は暗い闇へと落ちていった。


「ん……。なんだここは」

幸太が目を覚ますとそこには宇宙のような何も無い空間に一つ置いてある椅子に座る、スタイルの良い美女1人と、その両脇に立膝をついている先ほどの黒髪と白髪の少女がいた。


そこはなんとも言い表せないような不思議な空間だった。


「ん……。なんだここは」

幸太が目を開くとそこにはなんとも言い表せないうな不思議な空間が広がっていた。


真ん中の美女の髪は、綺麗な水色で瞳も同じく水色。身に纏う服はまるで神話にでてくる女神のような白い服で、いくつか金色の装飾がしてある。


「えーっとー……。これはどういう状況で?」

幸太は冷静に平然を装って言う。

その態度と裏腹に頭の中はやべぇ! 目の前に美少女と美女がいる……これは一体。


「ようこそいらっしゃいました幸太様。あなたの現世での命はどうやら尽きてしまったようです」

椅子に座る美女が言う。


「あーっとー……。俺死んだの?」

あれ俺いつの間に? そういえば縄で縛られて背後からグサッとやられた気が……。

幸太は現世にいた頃の記憶を取り戻しつつ会話を続ける。


「はい。とても悲しい出来事でした。しかしあなたには選択肢があります」

真ん中の美女の両脇にいた黒髪と白髪の少女が美女の前に出る。


「生まれ変わってまた現世で暮らすか、あなたが暮らしていた世界じゃない世界。アスリアに転移することです」

黒髪の少女は深い青色の光を放つ巻物を、白髪の少女は反対に明るく赤く光る巻物を何も無かった空間から取り出す。


「え、なになに? よく分かんないけど俺異世界行けるんですか!?」

平然を装っていた幸太は美女が言った言葉を聞き興奮を抑えれなくなった。


「はい。そう言うことになりますね」

美女は苦笑しながら言う。


「異世界行きたい! えーとそのー……。アスリアでしたっけ? そこでお願いします!」

幸太は突然の見事なスライディング土下座を繰り出す。

そして黒髪の少女と白髪の少女の目の前で止まった。

少女2人も苦笑い。


「そ、そうですか。じゃあその赤の巻物の方を取ってもらえれば。」

美女がそんな言った瞬間。

幸太は白髪の少女から奪い取るように赤い巻物を取った。


白髪の少女と幸太の周りを赤い光が覆う。


「あ! ちょっとまって! まだ説明が!」

美女は呼び止めたが遅かった。


「まぁでもルリがいるなら大丈夫かしら」

美女はため息を付きながら言った。

この女適当である。


「うおおおおー!! 俺の大いなる異世界ライフの第1歩だぜーーーー!!」

と、光が消えた瞬間叫ぶが足場はない。


「あれ……。うおぉぉぉぉぉお!?」

大いなる異世界ライフの第1歩を踏み外し落ちた先は芝生である。


あたりを見回すと少し小汚いレンガの壁でできた建造物。


「いってぇー……。ったく第1歩を踏み外しちぇまったじゃねぇか」

幸太は倒れていた体を起こし頭をかく。


「お、おい貴様! そこで何をしている!

お前らこいつをとらえよ!」

鎧で完全武装。槍を持った中世にいそうな兵士。


「は!!」

それに応える似た格好の兵士。

いっせいに幸太の元へダッシュする。


「は!? え、ちょまってって! 俺なんも悪くなくね!? 」

抵抗するが幸太は即座に縛られかつがれ運ばれる。


「容疑が晴れるまでお前の宿はここだ!」

兵士がそう言うと、ガシャン!と強く鉄格子を占められる。


「理不尽だーーーーーー!!!!」

幸太は冷たいレンガの上に引いてあるわらのベッドに膝を立て叫んだ。大いなる異世界ライフの第1歩を踏み外した挙句これである。

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