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春奈の怒り

続きです。

 春奈が悪魔サイトを利用するキッカケは桐島みどりから変な言いがかりを付けられた事からである。


 桐島みどりは春奈が通うリリラ社の総務課で働く女性。

 春奈より2歳年下で、ショートボブが良く似合う美貌の持ち主。

 明るくさわやかな性格が特徴で総務課では結構、人気の有る女性だが春奈から見れば年下のクソ生意気な女しか見えない。

 腹黒く声は大きいし、すぐバカみたいにはしゃぐ。

 仕事がバリバリ出来るのを良い事に色々な事に口出ししている。

 上司におべっかを使い、周りにはオーバーなくらい自分をアピールしたがる。

 無視されると子供みたいに不機嫌になってしまう。

 春奈にとってみどりは目障りな存在なのだ。


 そんな目障りな女から春奈は不愉快な目に遭ってしまった。


 会社のトイレでの事だった。

 用を済ませ化粧ルームで自分の化粧直しと身だしなみを整えていた時、入って来たみどりとミラー越しに目が合った。


 今は昼の休憩時間。

 午前中、みどりは男子社員と作業の打ち合わせをやっていた時は優しい表情を見せていたが今、自分と目が合うなり睨みつけるような表情になった。


 この違いは何なのと春奈は思った。


「こんな所で、なーにしているの?」


 陰気臭い喋り口調である。


「別にぃ」と春奈はクールな感じで返事をした。


 みどりは背後の壁に寄りかかり腕組みをした春奈を見つめる。


「化粧直ししたって何も意味ないじゃん。所詮、ブサイクはブサイクなのだから。かえって時間のムダだよ」


 今の言葉に春奈はカチンと来た。失礼極まりないセリフである。

 女同士だと、相手への悪口なんて平気で言っちゃうものだ。


「ブサイクで悪かったわね?」


 更に春奈は、みどりから耳を疑うようなセリフを聞かされた。


「ねー、お願いだからー、もう会社には来ないでくれなーい?」


 セリフに反応して思わず振り返った春奈。

「会社に来るなって、どう言う事?」

「アンタのそのツラ、いつも見ているからウンザリするし気分が悪くなるんだよねー。それに優秀な私と違って、アンタは仕事が出来ない…」


 相手の言葉を遮るようにして春奈は強い口調で言う。


「イイ加減にしなさいよ! 私のどこが気に入らないのょ!? 私は先輩だよ!? 後輩のクセになーにその変な言いがかりはッ!?」


 みどりは顔を真っ赤にして言い返す。


「先輩、先輩ってウゼーんだよ! 私より能力劣るし、仕事なんて大して出来ないクセに先輩ヅラしてんじゃねーよ! バーッカ!」

「アンタねー!」


 ブン殴ってやろうかと思った。

 手を出そうとする衝動が込み上げて来る。

 だからと言って下手に喧嘩を仕掛けてしまえば後々、面倒な事になるだろう。

 今は我慢である。

 だが、その我慢が限界ギリギリまでに来う事になる。


 夕方になって、総務課内でデーター集力上の大きなミスが起きた。

 ここしばらく多忙な日々が続き、社内業務で重要なデーターをキチンと管理する作業が疎かになってしまっていたのが原因である。

 春奈やみどりを含め、4〜5人のグループでデーター管理をやっているから全員が責任取る羽目になってしまった。

 これにはみどりが激怒!

 春奈が全て悪いと決め付けてしまった。

 グループだけの反省会でみどりは春奈を批判した。

 思った事はズバズバ言ってしまう性格のみどりだから、春奈に対して容赦なく激しい口撃を浴びせてしまう。

 春奈は負けまいと反論を繰り返すけど、頭が良くて口達者なみどりから簡単に切り返されてしまうばかりだった。


 嫌な後輩から散々、言われてしまった春奈は悔し涙を流した。

 入社して来た頃からみどりは春奈とは馬が合わなかった。

 今日ほど、ボロクソに言ったのは初めてなのだ。






後輩からの非情な態度に怒り心頭の春奈は、どう出る?


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