Nihility-prototype-
ちょっとだけ立ち止まって空を仰いでみた。そこには誰もがいつも目にする景色が映る。誰にだって平等に映る世界。時間と同じように平等に感じることができる世界。そんな世界に自分はなんの役割があって生きているのだろう?そんな事を思いながら生きている。
ある日突然に【死】は襲ってくる。それは誰もが何れは体験するであろう出来事。これもまた誰にも平等に与えられたモノ。
でも、誰だってそのモノをすぐに欲しいなんて思っていない。そのモノから逃れるために必死に毎日を過ごしている。けれど、そのモノは唐突にやってくる。
誰にとっても平等に・・・。
「そんなに平等、平等って言って疲れないかい?そんな時にはこうすればいいんだ」
振り向くとそこには真っ青でこの世とは思えないほど美しい女性が笑いながら僕の後ろに立っていた。