表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼は少年兵   作者: 桃々藤
3/81

裸の少年3

 彼は三日後の朝に意識を取り戻した。その時僕はちょうど彼の個室にいた。


「起きた。気分はどうかな」


彼は口を結んだ。体を起こそうとしたけど、痛かったんだろう、顔が歪んだ。


僕は彼の体を支えた。彼の筋肉質な体は、僕の腕に預けられた。


「無理しちゃダメだよ。君は大怪我をしていたんだから」


彼の息づかいが少し荒くなった。あの子は僕の言うことを無視して、自力でベッドから出ようとしたけど、立つこと叶わずベッドから落ちてしまった。


「うっ」


大きな鈍い音を立てた。


僕は彼の手を取ろうとしたけど、彼は僕の手を払った。そして僕を睨みつけた。怖かった。


「だから無理しちゃダメだって」


もう一度、彼の手を取ろうとしたけど、やっぱり手を払ってね。


彼は自力で動こうとした。でも、左腕と右脚をバタバタと動かすだけで、床の上でもがいていた。すると、傷が開いたみたいで太ももの包帯が赤く滲んできた。


僕は無理やり彼の手を取って、彼を担いでベッドに寝かせた。すると、彼は体を捻って暴れだした。彼は力が強くてね、手こずったよ。


彼は叫びながら僕の腕を掴んできた。痛かった。爪が食い込んで血が出てきた。


そうこうしていると、次は右腕の傷口からも出血してきた。


すると、騒ぎを聞きつけた他の看護師がやってきた。


「先生呼んできて。お願い」

「は、はい」


看護師は走っていった。


彼はますます暴れた。僕はそれを必死に押さえつけた。体を使って彼に覆いかぶさると、彼はますます叫んだ。


医者の反頭たんどう先生と、看護師数人が来た。先生はすぐに注射器を取り出した。他の看護師は彼の腕を押さえつけ、先生は注射を打った。すぐに効果が出たのか、彼は暴れるのをやめ、息を切らしながら目を閉じた。


「ありがとうございました」

「彼は、いつ起きたのかね」

「ついさっきです」

「そうか、少し様子を見ておいてくれ」


先生はそう言って部屋から出ていった。


他の看護師は僕を気づかってくれた。僕は、大丈夫です。と一言だけ返した。


僕はその場で傷の手当てを受けた。彼の傷の開きは浅かったので、消毒をして包帯を変えるだけでよかった。


彼の呼吸は元に戻った。目は虚ろで口は半開き。彼はまるで死んでいた。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


ご感想など書いてくださると嬉しいです。


初心者でいたらぬところも多々ありますが、これからもこの作品を宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ