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関わり⑤

次の日の放課後ー

志那と留美子は社会科準備室へ向かった。信憑性が高まったので昨日何となく聞いてた事をちゃんと聞こうと思ったのだ。教室に着くとどうやら先客のようで、話し声が聞こえる。

「ーそれは先祖代々受け継がれていた事なので、事実は理解しています。しかし、今現代は自衛隊などもおりますし、その方々にまかせてもよいのではと…」

「娘さんを心配されているのはわかっております。しかし言い伝えでは、“六神杖ろくしんづえ”の者は六神杖同士の戦いでないと、仮に自衛隊に倒せたように見えても、それはただの封印であって、問題を次世代の自分の一族に先送るだけになってしまうのです。歴史では既に2度過去に血族でない者達が倒してるとなってますが、それに意味はなくなり、また今回蘇ってくる。なりよりも娘さん達に戦ってもらいたい理由は、彼らは娘さん達、つまりビナーズバグを狙っているのです。酷ですが戦闘を全くさける事は不可能と思われます」

どうやら誰かの父母と礼郎が話しているようだ。

「なんか難しい話ししてますねー」

「うーん。てか親に言ったヤツいるんだ。私まだ言ってないけど。嘘っぽくて」

「私もまだなんも言ってないですよー」

志那と留美子は廊下でコソコソと話しながら、中の話しを聞き続けた。

「しかし、下手をすれば命にかかわるという点は重大な事だ。うちの子はとてもそんな危険にさらしたくない」

「で、ですが、全く関与しない訳にはいかないと思います!奴らが不意打ちなどしてくるかもしれませんし、彼女が抜ける事で他の同じ使命を背負った子や、関係のない一般の人までも命を落とすかもしれない…。いえ!別にこれはプレッシャーではなく、これから起こりうる事の可能性を伝えたまでですが…!」

「…とりあえず訓練は許可しますが、実戦はまだお答えできません。どういう規模での戦いになるか検討もつきませんが、とにかく親として私達はこの子の命が最優先です。そのためならこの問題を自分達の子孫へ持ち越しても構わないとも思っています」

「わかりました。私には子供はおりませんが、きっと同じ考えを持つと思います。あいにく私の立場はただの伝達者で、戦闘が起こる事をふまえまして責任を持って娘さんをお預かりしますとは言えません。申し訳ございません」

「では、今回はこれで…」

父母はそう言うと教室を出て行った。隠れていた志那と留美子は、入れ違いに準備室に入った

「先生!!昨日合体について試したんだけど!あっ!」

そこには礼郎の他に蓮香がいた。どうやらさっきのは蓮香の父母だったようだ。

「あーー疲れた。全くいつになっても保護者と話すのは緊張するー。しかも重大すぎるしー」

椅子の上で礼郎が大きく背をのばしている。

「えっと、伊敷さん?だっけ。改めて自己紹介しとくね。私は3年の湯島留美子。こいつは中学の時部活で後輩だった照木志那。なんかー変な事なっちゃったけど、一応よろしく」

蓮香は凛とした姿勢のままだ。

「2年D組、伊敷蓮香です。先輩に失礼なことを言いますが、事の重大さわかっていますか?」

「へっ?ま、まあね」

留美子は軽く返事を返した。それを聞いた蓮香はふうーと溜息をつき

「先生、親はああいってましたが私は積極的に参加しようと思ってます。私のせいで他の人が傷付くことの方が辛いので」

「おおー伊敷ぃーやってくれるか?」

「今日はこれで失礼します。部活があるので。何か必要な事があれば遠慮なくお知らせ下さい」

蓮香はそう言うと一礼して去っていった。

「なーんかくそ真面目ねーあの子。おカタイ

って感じ?」

留美子とはソリがあわなさそうだ。志那は礼郎の机の上に病院の診断書を見つけた。

「先生なにーこれ?」

「ああ、伊敷の診断書だ。身体に金属が溶け込んでると聞いて即検査してきてくれたみたいだが異常なし。まあ、これは君達もそうだ。古代の人はいろいろ優れた技術を持ってて、有機物と無機物を完全に融合させる事ができたんだ。その融合させた遺伝子が巡り巡って子孫の君たちに…」

「あー、先生!私も親に言わなきゃいけないから詳しく教えてよ。昨日話した事より更に詳しく!」

「その前に、合体を試したとか言わなかったか?」

「あ、そうそう。先輩も私の身体簡単に持ち上げる事が出来たんですけど、私は先輩を持ち上げる事ができなかったんです!」

「それはそうだ。湯島は足だ。頭の照木の方が上にあるから、湯島は照木を持てても、照木は湯島を持てない。そんだけ」

「ちょっとそれ早く言ってよー!昨日できると思ってテルキンに飛びついたら地面に落ちたんだから!」

「ポジションが大事という話はしただろー!どこでもいいわけじゃなく、ちゃんと決まったパーツがあるんだよ!」

留美子はむくれている。そこへ志那が息巻いて言った。

「先生!さっきちょっと聞こえたんだけどろくしんづえ?って何ですか!?」

それに襟を直しながら、礼郎が答えた。

「聞いてたのか?まあ、いいや。そうだな、昨日はそこまで話してなかった!六神杖とは六亡星に見立てた、元々は人類の信仰によって作り出された人型兵器の事だ。デシン、ヒューロ、アミシア、ナバタ、ロカデリ、そしてビナーズバグの6体だ。それぞれはある程度の意思と呼べる自分の考えをもった極めて完成された兵器だったらしい。書物ではビナーズバグ以外は詳しく記述されてないが、ある時人間に害を及ぼす物と守る物の二手に分かれたとか」

「ほおほおー」

昨日と打って変わり、志那と留美子は喰い入るように聞いている。自身の事と認めた今人間の集中力というのは格段に上がるようだ。


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