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関わり①

初めて小説を書いてみます。見苦しい点もあると思いますが悪しからずで!よろしくお願いします!

M県にある女子校、三堂みどう学園。創立50年の歴史があり生徒数は約500名。学力は中の上くらいで最近は運動部に力を入れているが、海沿いに建っており風が強いため球技系の部活はコントロールがきかない。故に弱小である。この物語はそんな平凡な高校で過ごす6人の女生徒がもみくちゃ、しっちゃかめっちゃかして結構シャレにならない相手と戦うというものであるー


この高校の社会科教師「荒井礼郎あらいれいろう」は、職員室とは離れにある「社会科室」の自分のデスクで古い書物を多数読み漁っていた。

「ついにきた…落ち着け…ついにきた…落ち着」

彼はぶつぶつと小言を言いながら、飲みかけのコーヒーを口にし、今度は学校の生徒の名簿を取り出した。古い書物と照らし合わせるように名簿を見ている。

「まちがいない…ついにきたああぁぁあっっ!!」

彼は喜びとも狂気ともとれる大声をあげ立ち上がった。するとその反動でコーヒーが書物にこぼれてしまった。

「うがっ!?しまったー荒井家に伝わる文献が…ばあちゃんに怒られるー…いや!しかしこれはこの時を伝えるために存在するもの!僕の使命を果たさねばならない!!」

彼はホコリ舞う教室の中で一人決意を固めていた。


次の日の朝。とある一軒家で女の子の悲鳴が響いた。

「ぎゃーーーっっ!!!あっつついいいー!!」

洗面台で女の子がうずくまっている。そこへ母親が駆けつけた。

「どうしたの?!…ああ、あんたまたヘアーアイロンで耳はさんだの?前から聞こうと思ってたんだけどそれ意味あるの?髪型あんまり変わらないように見えるけど…」

呆れたように母親が聞いた。女の子はふらふらと立ち上がり再びヘアーアイロンを使いはじめた。

「当たり前じゃん!これするとしないじゃ全然違うんだから!!」

女の子の名前は照木志那てるきしな。三堂学園の2年で、性格はふざけてると思われるくらい明るい。身長が148センチと小さい事と少しのくせっ毛がコンプレックスだ。支度を終え、志那は食卓に着いた。食卓では年の離れた弟がおもちゃで遊びながら朝ご飯を食べている。

「はい、おまたせ」

母親が志那の前にパンと卵焼きをだす。志那はパンを頬張りつつテレビのボリュームをあげた。

「へーM県で土砂崩れだって。ケガ人はなしみたいだけど。こわっ!」

母親もどっかり腰をおろした

「県内だけど、こことはけっこう離れてるわね。まーケガ人なくてよかったわー。さっ早く食べて学校行かないと!」

「はいはい!わかってますって」

志那は当てつけのようにゆっくり食べだした。


三堂学園は志那の家から徒歩10分ほど。しかし近いという油断か彼女はだいたい遅刻ギリギリで着く、というか間に合わない時もたまにある。そういう時は正面の門から入らず海沿いのフェンスの一箇所にくぼみがあり、そこからくぐって中にはいれば間に合った事になるので生徒の間では有名だ。当然志那以外の子もそこを使う事がある。この日もそうだった。


「やばっーーい!またあの抜け道つかうか!いっ?!!」

くぼみの所に来ると、くぼみに大きなおしりがはさまっている。

「先客だー。早くー」

志那が慌てながら念じているとそのおしりが喋りかけてきた。

「あの…すみませんが…その…おしりがハマってしまって動けないんです…」

志那は吹き出しそうになった。が、我慢する。

「よかったら押して頂けませんか??…すみません…」

お尻の向こうからとてもか細い声が聞こえてくる。志那もこのままでは遅刻なのでとりあえず助ける事にした。

「わっかりましたー!見えないと思いますけど、私もここの生徒なんで、女のコです!変態じゃないですからねーっ!」

と言うな否や、志那はお尻を両手でぶにゅっと鷲掴みにした。お尻から「ひっ!」と小さく聞こえた。

「いきますよー!せーの!!」

志那は一気にお尻を押した。するとベキベキと音がなり、フェンスがぐにゃとひん曲がった。

「へっ?!何?」

思わず手をのけ、のけぞってしまった。自分にはケガはなく、お尻の子はフェンスの向こう側にちゃんといけたようだ。急いでくぼみをくぐり抜けた。

「ごめんなさーい。フェンス古くなってたみたいで。押しすぎちゃったようで!ケガはないですかー?」

お尻の子はゆっくりと立ち上がり振り向いた。

「はわっ!?で、デカイ!」

身長180センチ超えてるような大きな浅黒の肌をした女の子だった。志那からするとまるで巨人だ。

「た、助けてくれて…あ、ありがとうございました!」

大きな女の子は目を合わせず、顔真っ赤でしどろもどろしながらお礼している。志那はあることに気がついてニヤリとした。

「ふーん。大きいけど恥ずかしがり屋さんねー。かわいいぢゃん!」

心の中でそう思った時、始業のチャイムが鳴った。

「あ、す、すみませんでした。あ、ありがとうございました。」

女の子は何度も頭を下げながら走り去った。志那は大声で叫んだ。

「遅刻だーーーっ!!!」


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