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paint1 桃色の会話

連続投稿でーす!

「んん…………?」


 …………眩しい。ここはどこだろう。

 いつの間にか俺はどこか得たいの知れない所で横に寝かされていた。何か周りがとてもふわふわするのが気になるが……今は放っておくことにする。


 とりあえず先程までの状況を整理してみた。


・俺は最初、教室に数学の教科書を取りに行っていた。

(やべぇ、すっかり忘れてた。しょっぱなから大変なもん思い出しちまった。後で取りに行かないとな…)

・そして俺は黒髪の美少女に殴られかけた

(どういう状況だよ。いきなり殴られるって…)

・結局何だかんだあって最後は俺自身の自爆禁句(タブー)に彼女がキレて、吹っ飛ばされて顔をグシャっと…………『あ!!』


 そこに気づいた瞬間、激痛という名の悪魔が俺を襲う。


「痛い痛い痛い痛い痛い痛い、痛ってーーー!!!!」

 半端じゃない痛みだった。ゴリマッチョのビンタの何倍あるだろうか。

多分16年の人生で一番の痛さかもしれない。

(いや絶対そうだ。マッチョのビンタくらいで鼻がひん曲がったりはしないもの)

 実際に俺の鼻は今、軽く「く」の字に曲がっている。


 結局体が鉛のように重くその場でもがくしかない俺は、そのまま20分ほど痛みと死闘を繰り広げていた。






 ーなんとか痛みはおさまってきた。

 畜生あの女、顔面潰しはないだろ。今度会ったら『ぼこぼこにしてやる!!』


………はっ!!


 また口に出していた。危うく誰かに聞かれるところだった……。あれを聞かれたらいろんな意味でおしまいだ。


………特にあの女とか。




 気をとりなおして次は周囲の状態を確認する。痛手のせいで体が動かないので首を限界まで動かして周りを確認した。

 どうやらこの体を包んでいるふわふわした物は掛け布団で、ここは学園1階の保健室のベットのようだった。こちらを覗くガイコツの模型のおかげですぐにわかった。あれはマジで怖いです(汗)


 状況と状態はわかった。だがまだひとつ大事な疑問が残っている。それは……


『…誰が俺をここまで運んだんだろう?』


「やぁ、目が覚めたか変態ドM君!」


 まるで俺の質問に答えるかのように誰かが保健室のドアをぶち破る勢いで入ってきた。そりゃあもう勢いよく。

 だが見なくてもわかる。多分あの女だろう。そいつがこちらを見ながらニンマリとほくそ笑む姿が目に浮かぶ。

 実際に彼女は俺の想像通りの顔で目の前に現れた。

『………はぁ…』


「おや?どうしたのかなドM君もっとしてほしいのかいドM君どうなんだいドM君なんとかいったらどうかねドM君!!」

「ひでぇな!!もっとなんかねぇのかよドS女!!」

俺のため息が悪いのだが、突如彼女からすごいセリフが。まるで皮肉の嵐だ。……あれ?目から汗が……だが動けないので拭うことが出来ない。


「なんと、泣くほど嬉しいか!さすがはドM君、話が早い!」

 S子はそう言うと高々と足を上に高くあげる。まさか………!!!

「くらえ!!恐怖のギロチン(かかとおとし)!!!」

「いや、くらえとか言っちゃダメでぇぃぐはぁぁ!!」


 炸裂(ジャストミート)!!!


 S子のかかとは俺の鳩尾(みぞおち)にきれいに吸い込まれた。気持ちいいくらいに。いや、今は気持ち悪いけど。


「ぅえっぷ、ぉえぇっ!……ぉ、おい!!お前はどれだけ人をぶっ飛ばせば気が済むんだ!!」

「あら、ごめんなさい。あなたがドMオーラをムンムン出してたからつい。」

 もちろんそんなオーラを出した記憶はない。


「……本当は?」

「むしゃくしゃしてやった。特に反省はしていない」

わざと低い声で宣言する彼女。

「やっぱりな!!しろよ!このドS女!!」

「何よあなた、ここまで運んで来てやったのにその口の聞き方は何なのかしら~?」

「…えっ?」

 今S子がとんでもないことを口にした気がする。『お、お前が運んだのかよ!?』


「またまた何なのかしらその口は!!ぶっ飛ばすわよ!」

「すいません自重しますだから拳を下ろして下さいお願いします!」

 彼女はかなりご立腹のようだ。右の拳に思いきり力を入れている。


「そう、それでいいのよ。やれば出来るじゃない。後、私の名前はS子じゃないわ。ちゃんとした名前があるの」

 と彼女は意味ありげに話す。聞いてほしいのかな…?

「へぇ。…ちなみに聞くけど、その名前って何かな?俺もS子じゃ呼びにくいんだけど」

「人に名前を聞くときはまず自分から名乗るものよ。親に教わらなかったのかしらこのクソ虫が!!」

「うっ!…だが正論だから反論できない……わかったよ、俺の名前は城ヶ内康也だ」


「知っている!!(キリッ)」

「何で知ってんだよ!!」


 このあとも彼女の罵倒が続き、精神的に死にそうなのでそこらへんは割愛する(泣)



「はぁ……あ、ところで」

 1つ彼女に聞き忘れていたことがあった。

「何でお前はあの場所にいたんだ?」

「何って……校舎の下見に決まっているではないか。私は明日、ここに転校して来るのだ」

「そういうことか」


 とそこで、学校からさっさと出てけの合図、下校のチャイムが鳴る。

「おや、もうこんな時間か。楽しかったぞ康也。私は1年だ。もしかしたら学校でまた会うかも知れないな!」

 華やかな笑顔を俺に向ける。なんだ、『笑えば普通に可愛いじゃないか』


「ぇえ!?いきなりなんだいきなり!!と、とにかくじゃあな!!また会おう!!」

 そう言ってドアを盛大に鳴らしながら言ってしまった。全くよくわからない奴だ。


「ふん……できれば俺は二度と会いたくねぇけどな…」

 だが結構楽しかったのは事実だった。鳩尾が痛いのは別として、たまにはこういうフラグっぽいのもいいかもしれない。




 ーーその後俺は、戻ってきた保健室の先生(男)に手伝ってもらいながら家路に着いた。

(何で俺がこんな恥をさらさなきゃいけないんだ!!全部あいつのせいだ!!!)



 このとき、数学の教科書の事については完全に頭から消えていた俺でした。



~・~・~・~・~・~・~・~・

1日目


・見知らぬ美少女と出会った。

・ぶっ飛ばされてボロクソだが、結構楽しい話も出来た。

・ぶっちゃけ体のダメージより精神的なダメージの方が大きかった(主に罵倒の嵐)が、なんとか折れずに頑張った。(1日目から何書いてんだ俺!?)


P.S.彼女に名前聞くの忘れた(泣)!!


~・~・~・~・~・~・~・~・

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