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〝 夢 世 界 物 語 〟  作者: 神昴
〝日常編 前編〟
8/44

第八話〝襲来〟

原因不明生命体の襲来... ――変化した日常

04月12日

PM 03:50

月曜日の授業が全て終了するチャイムが鳴り響いた。

今日はとてつもなく疲れていたが、学校の終わるチャイムを聞いてしまうと、

すぐに元気になってしまう俺である。 …なんてこったいっ。


PM 04:01

俺の担当の掃除を終わらせて、俺は教室へ戻ろうとする。

しかし、俺は委員会ってやつの仕事が今日があることを思い出し...

またへこんだ。  あぁ、面倒だ…。

委員会ってのは、放課後にも仕事があったりするところが面倒なんだが...

せめて昼休み... いや、これは放課後にする為に先生方が仕掛けた罠なんだ!

…いや、嘘です。 そんなハズないですよね! …ハイ!


そんなワケで俺は委員会の仕事へ向かった。

奏空と光が教室で待ってくれる。 と、言ったのだが...

遅くなるからいいって言ったのにも関わらず、待ってくれてるしな...。

早く終わらせて帰らなきゃね...。


PM 04:10

委員会の仕事の為に俺はグラウンドへやって来た。

この委員会では、一年で2回しかない委員会な為...

正直、異様に人気な委員会なのだが...

その2回しかない為に内容はキツイらしい。

…俺はこんな委員会は決めてないんだが...。

そして、仕事はグラウンド整備らしい。

グラウンドの整備ってことは... せいぜい1時間以上はかかるだろうか...。

俺は時間と奏空と光を待たせることで不安を感じていた。


そもそも、グラウンド整備かと言うと、近々ある体育祭の為である。

高校生の最高学年にとっては大切な行事なのだが...

1、2年生はそうでもない感じの体育祭でもある。


今日は運動部はお休みな為、グラウンドは委員会の仕事の人達だけである。

そんなワケで委員会の仕事開始です。 …面倒だっ!


PM 16:20

俺はグラウンド整備の為、グラウンドの隅っこに生えている草をむしってをいる。

意外にもこーいう仕事が楽しい気もする俺。

雑草を抜いて、根っこについている土をはらって綺麗にするところが好きだ。

…変だね。 俺。

でもさ、勢いよく抜いた時のあの快感! あれがいい!

…なんか変な風に聞こえる?  …雑草を抜くってことだぜ?


「あ、悠くん見つけたー!」


何故だ? …奏空と光が居た。

…あれ、この仕事委員会の人達限定じゃないのか?


PM 16:42

グラウンドの整備が終了する。 意外にも汗をかいたこの企画。

そんなワケで奏空と光にお礼を言う俺。

ってより、頼んだワケでもないのに...

こんな面倒な企画に参加してくれた理由が聞きたい。


「二人とも、ありがとね。 えーと、理由とか教えてくれればいいんだけど...」

「いやいや。 悠くんが遅かったからねっ 私達も気になってねっ」

「まぁ、光も雑草を抜くあの感じが好きなんだよ!」

「光となんだか、気が合いそうな気がする。」

「えへへ☆ なんだか、嬉しいなぁ」

「わ、私も雑草を抜く感じは好きになったからね!」


なんだろ... 異様に奏空が嫉妬してくれている。

可愛いなぁ、奏空。本当に二人には感謝している。


PM 05:01

俺達は準備を終え教室へ一旦戻り、家へと帰ろうとしている。

勿論、夕日がいい感じに見える。 あぁ、この瞬間が一番いい。

そんな中、俺達は帰ろうとする。

光とは帰り道が結構一緒と言うことなので、登校時も一緒に行ける。

またも、登校時は増えたなー。 と、俺は思う(笑)


PM 05:03

俺達は教室を出た。

気づけば午後5時だ... 俺は学校は必ず4時30分前には帰る人間だ。

絶対居るよね?  絶対に遅くは帰らない生徒は!


「夕焼けいい色だよねっ」

「いい色だよねー! でも、此処まで学校に居たのは久々だよっ」


先に光が話しだし、奏空が応答する。

俺は、何時までもこんな光景が続けばいいと思っていた。


だが、そんな時だった... ――俺達は階段を降りている時に...


ドンッ!!!


突如大きな物が落ちたような大きな音がする。

俺達は急いで音をした方向へと足を運ぶ。

俺は何か嫌な予感をしながら音した方向の窓辺から見た。


それはこの世の物とは思えない謎の生物... ――いや、怪物だった。


PM 05:08

場所は学校の2階のグラウンドが見える窓辺。

勿論、俺と奏空はボーっとしていた。

こんな非日常的なことがっていいのか? と。

すると、光が動き出す...。


「悠くん、奏空... 此処から動かないでね。」

「光!? 何をする気なんだ!?」

「光ちゃん!?」


「あの怪物は光が倒すから。」


「「!?」」


俺達は固まった... まさか、こんな出会ったばかりの俺達が言うのは可笑しいが、

何を言っているのか分からないし... どうかしていると。


「大丈夫♪ 光は負けないよ?」


そう言って、窓から外へ出る...

外へ出た瞬間... 白色の大きな翼を突如広げた。

輝かしい白色... 思い浮かべて欲しいのは天使のような翼。

そして、大きな翼を見せつけるように空を飛び、怪物がいる所へ。


…俺達は... やっぱり光のことが気になり...


「悠くん、行こうよ!!」

「…ああ!」


グラウンドへ行くことにした。 俺達は恐れを知っていて...。


PM 05:10

場所はグラウンドにて、光が怪物相手に戦っている状況である。

しかも、先程の大きな音を聞きつけて放課後に残っている生徒、担任もいる。

そして、俺達はグラウンドへ辿り着いた。


「…何故、こんな時に〝ヴァングルス〟が...ッ」


そう光は言って、怪物... いや、ヴァングルスと攻撃を開始する。

光は天高く飛び... 手を相手にかざすようにした。


「――ホーリー・ビームッ!!」


手から強力な粒子系のビームを放つ。

そのビームはヴァングルスに直撃する。


グガアアアアアアッ!!!!


ヴァングルスはひるんだのだが... またも動きを再開させる。


グガアアアアアアアアアアアーッ!!


そうして、光の方へ攻撃を開始した。

ヴァングルスは口から光の攻撃のような強力なビームを放つ。


そう... 俺はこの時思った...。

これは本当の〝夢〟なんじゃないかと...。

こんなことは現実にはありえない。  勿論、俺の日常でもありえない。

しかし... ――非日常ならありえるのではないのか...?

そんなことを思っていたのだが... やっぱり、これは現実ではない...。

俺は頭が混乱してきた。 やっぱり、〝夢〟なのか!?


そんなことを考えている時だった...


光は攻撃をしているのだが... 相手は光の攻撃を耐えており...

中々倒れない。 そう感じたのか... 光は武器を取り出した。


「――光輝鎚〝ミョルニル〟ッ!!」


そう、叫んで突如現れた、ハンマーらしきものを光は持つ。


「ホーリー・クラッシューッ!!」


そう叫びハンマーが巨大化し、それをヴァングルスへと突撃させる。

そして、ヴァングルスは消滅する。


「やりっ!  やっぱり、弱いのはこんなもんだねっ!」


しかし... そう言った光だったのだが...

また、同じ感じのヴァングルスが出現した。


ウガアアアアアアアアアアアッ!!


「…キャアアアーッ!!」


気をぬいた為に、光はその突如現れたヴァングルスの攻撃をくらってしまう。


「なんで、もう一体来るワケなのよっ!? そんなの反則じゃないっ!!」


光はそう言ってヴァングルスに対して攻撃を仕掛けた。

光にはザコキャラ的なヴァングルスらしいのだが...

俺達に対してはとてつもなく恐ろしいものに見えて仕方ない...。

光は何故、あんなにも恐怖がないのだろうか...?

――戦える力があるからなのか?

…そして、光の戦う為の力はどうなっているんだ?


そう思っていた時には光はもう一体現れたヴァングルスを倒していた。


「ふふふっ 殲滅完了、完了! 今回は上出来かなー?」


光は完了として、地上に降りる。

集まった生徒はみんな驚いている。 勿論、俺はビックリだ。


「ってより、みんな... 集まってないで逃げなきゃダメでしょ!」


集まっている生徒がざわめいた。 そりゃ、そうだろうね...。

と... ――そんな時だった...


またも、同じヴァングルスが現れた。 今回は3匹連続だ。


「逃げて! みんなっ!!」


生徒が今度は本気で逃げだす。

それを見守って、また光は戦いに行く。生徒は逃げている。

俺と奏空は逃げようとしなかった。

光が心配だった。 しかし、彼女は戦える力があるのだが...。

俺達は何故か、光のことがとても心配だった。


「ゆ、悠くん! 奏空! 逃げてよ!」

「い、いや... えーと。」

「心配なんだよ! 光ちゃん!」

「光は大丈夫だってば! 安心してよっ!」


光は3匹のヴァングルスへと行く。

勿論、光は自信満々なようで一体ずつ倒していく。


しかし... この不可思議な現象はまだ続き...同じヴァングルスの数が増えていく。

ちなみに現在は10匹へと増えている。 倒した数を入れると... 合計15体になる。

勿論、光は体力を消耗している為、そろそろ限界に近づいているのが分かる。


PM 05:21

光はヴァングルスを倒しているのだが... 現在15匹のヴァングルスが居る為...

一人では戦闘が追いつかない程度のギリギリな場所にある。


そんな中... ヴァングルスは予想を反して、またも増えた。

一体... このヴァングルスは何をしに来たのかが全く分からない...

このヴァングルスは誰かに動かされているようにも見える。

攻撃方法といい、ヴァングルス自体には精神がないように見えた。


その時... ――真っ黒なビーム光線がヴァングルス達を襲った。

ヴァングルスは一気に数が減り... かなりのダメージを与えた。

その光線は屋上の方からだった。

俺はその方向を見てみると...。


「光ッ!  すまない、教師の用事で遅れた...

  此処からは俺に任せて、生徒を頼むっ!」

「り、了解です... ってより、遅いですよっ!」

「…あー、それはまた後で話す... とにかく今は生徒守れっ!」


昇さんが居た。 まさかの昇さんも光のような力を使えたらしい。

勿論、昇さんは此処から見れば、めちゃくちゃ強いらしく...

あっという間に全てのヴァングルスを倒した。

…しかし... またもヴァングルスは増えていく。

その数は可笑しいほどの数へと今度はなり...

50匹ほどにも増えた。


「ふふふ... 今回のヴァングルスってくどいのがポイントなのか?」

「分かりませんっ  こんなに多いのは初めてですよっ!」


そんな会話をしているのだが、敵を次々と倒していく二人が怖い。


「暗黒槍... ――〝グングニル〟ッ!!」


昇さんは槍のような武器を取り出し...


「ダーク・ビームッ!!」


強力なビームを放ち、うまく戦闘をしていく。


その時... 突如、相手を替え、俺達の方にヴァングルスがやって来た。

やっぱり、他の生徒には来ないのに... 何故、俺達だけに...?

俺は奏空の手を握り、逃げる。


「なんで... 俺達だけを突如、狙ってくるんだろうか?」

「そ、そんなの分かんないよっ!」


確かにそんな会話は無駄だったのかもしれないのだが...

俺は奏空の手を握りしめたまま走る。


「光、そっちを頼むっ!」

「は、はいっ!」


昇さんはダーク・ビームを連続的に放ち、ヴァングルスを一掃した。

光は俺達の方に来た、ヴァングルスを倒しにく来る...


しかし、光はヴァングルスの罠らしきものに引っかかり、足止めされた。

それを見かねて、昇さんが光の方向へと行ったのだが...

残りのヴァングルス達に足止めされた。


そして、1匹のヴァングルスが俺達めがけて突撃して来た。


ガアアアアアアアアアアッ!!!


ヴァングルスは口から強力な一撃のビームを放つ...

それは俺達めがけて飛んできた。


――間一髪、俺は奏空を抱きしめ、空中を軽く飛んだ。俺達は回避出来た。


「あ、ありがとう... 悠くん。 大丈夫?」

「ああ... くっ...。」


しかし、俺はその時に足を... くじいてしまった。

俺はその時にうまく立てずに奏空にバレてしまった。


「悠くん、足...!? 大丈夫なの!?」

「あぁ... すまん、大丈夫じゃないんだよ...

  け、けど... 奏空、俺のことはいい! 逃げてくれっ!」

「でも!!」


俺達はそんな会話をする時間があったなら、逃げてればよかったと思う。


なぜならば...


――ヴァングルスの強力な一撃が目の前で放たれようとしていた瞬間だった。


あの瞬間に少しでも逃げていれば...二人のうち、奏空だけでも回避出来たと思う。


「悠! 奏空ッ!!!」


俺は目の前の恐怖より、奏空のことが心配だった。


「悠くん! 奏空ッ!!」


そして、自分の判断の遅さ... そして、後悔...


「悠くんっ!!」


そう、此処で俺は... ――死を選んだことになる。


まさか... これが〝夢〟であって欲しいと思った。


しかし、〝夢〟だとしても... また意味のない日常が待っている。


此処に来た理由も全く分からず... 死ぬのか?


俺は〝夢〟だと思って、〝夢〟で死ぬのか?


此処に来れた理由だけでも... 知りたかった。


みんなのことをもっと知りたかった。


考えても仕方ないことばかり、目の前の恐怖より浮かんでしまう。


俺は... 無駄に目の前の恐怖より、考え事が浮かぶんだな... と。


〝夢〟... その言葉が俺の現実なら... もう俺は死ぬ。


――が、それが〝夢〟ならば、くだらない日常を過ごすしかないし...


奏空達はただの俺の〝夢〟の架空の人物だった... と、言うことになる。


それが俺にとってはとても... ――悲しかった。


この短い期間だけであっても... 俺の思い出だ...


〝夢〟でも、実際には... ――残る記憶としてもある。


俺は... 俺は...ッ 俺は...ッ!!


強力なビームが俺の真正面から放たれた。

俺の〝夢〟は... これで終わりだと... ――そう、思っていた。

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