第五話〝感動〟
管理人の力... ――慣れてしまった俺
04月10日
AM 11:02
出会ってしまった俺。
しかも、出会ったのが、初っ端から変な方向へ行ってしまう登場の仕方なので、
俺もただ何も言わず、ずーっと立ってることにしよう。
しかし、そこはあえて... とのことで、話しかけてみよう。
「ヨウさんであってるんですよね?」
「…ゆ、悠かよー!! なんだよう、うわんうわん!!
ってより、なぜに、さんつけで敬語? おぉ!? まさかの!?
おやー? ついにオレは、お前の上を立つことが出来たのか!?」
「いや、すまん、あえてなんだ、うん、許せ。」
「ってより、なんで途切れ途切れの喋りなんだよ!?」
「ま、あ、遊、び、だ、か、ら、ね!」
「う、る、せ、え!」
ってことで、俺とヨウって人はこーいう関係らしいね。
俺が知らなくてもこんな感じのノリになれるなら、俺も絡みやすい。
ともあれ、話し方といい、変人オーラが分かるんだが...。
「んで、オレの奏空ちゃんはどーした?」
「お前のじゃない、俺のだ!」
と、俺は瞬間的に言ったが。
「…いや、嘘だ。」
それを聞いてニヤけるヨウはこう言う。
「おぉ!? じゃぁ、オレのでいいんだな! うっしゃあああああっ」
「いやいや、嘘だって、俺のだってば!」
なんだ、これ。
「だ、だまれよ、学生NEETめっ!」
「…あ、いや、それは許してくれ!」
「あれ... こんなのが弱みなのか? …あれ、悠ってこんなんだっけ?」
「いやいや、そーじゃないんだ、あえてなんだっ」
あえて… あぁ、あえて。 ん…?
そんな中、ヨウが落ち着いていた。
「…まぁ、落ち着こうか、悠。 俺は今コンピュータウイルスと戦っててな。
で... …少し手伝ってくれないか? 暇だろ? 学生NEETっ」
「あー、それ言うなら手伝わんぞ...?」
「いや、手伝ってくださいませ! 悠様!」
「…うん、なんだか違和感が感じるからいいよ。」
そんな会話がぐるんぐるんと変わっていく会話。
気付けば俺は変人と会話が弾むらしい。 ってより、こーいうのは得意かも。
そんなワケでヨウは俺と同い年に見える。 いや、同い年だね!
壁から横スクロールで開いたドアから見えるのは...
ヨウの座る椅子から見て、扇型に並んだPCの画面が5つと、大きなサーバー。
PCの画面にはRPG的なネットゲームのグラフィックや色々なの見える。
…この調子だと、ヨウって人はあるタイトルのネットゲームの管理人者らしい。
しかし、こんな一軒家で出来ることなのか!? と、焦る俺。
「悠、ちとな... 管理が失敗してな... まさかのウイルスがぶち込まれてな...
んで、一緒に駆除... ってより、ウイルス情報を教えてもらいたいんだが...。」
「…あ、俺そんなにPCを弄れる人じゃねーぞ?」
「ああ、大丈夫だぜ! …右から2番目のウィルス解析をしている画面がある。
その画面の表示されてるウイルス情報を言ってくれ。」
「…あぁ、そー来るんですね。 了解。」
俺は右から2番目の見る。 ウイルス情報は...っと。
コンピュータとか弱いんだよなぁ。よく分からんけど、ネットゲームなら楽しいんだよね。
俺はウイルス情報を読み、それをヨウに伝える。
「トロイの木馬のクリッカー型だってさ。」
「…あぁ、前にもやれたな...。 あいよ、さんくすー!」
その情報を聞くと、ヨウは驚きの早さでサーバーを分析し...
ネットゲームの情報を切り替える為に素早いタイピング能力を発揮する。
そして、元々ネットゲームの要望のメールから、ばら撒かれたウイルスを分析を、
終了し、それに対抗するアンチウイルスソフトをその要望メールからばら撒く。
もっとも実行されたIPが分かるシステムなんだから、やっても無駄らしい。
まぁ、ネットってのは面倒なもので、一回やられたら全て消すのが正しい判断なんだが...
…あれ、正しいのか? これ...。 すまん、分からん。
俺が分からない説明をしている間にその要望メールを送った人のIPが判明する。
まぁ、時間が経ち... 色々と行われたワケでありまして...。
「ありがとな、まぁ、そこの見る程度ならさ、オレはそっちを向くのが面倒でね...。」
「あ、ああ。 その位なら俺だって、出来るからね。」
なんだこれ... 一気に友情が深まったパターン? そんなワケでこの件は終了した。
まぁ、ヨウってのはそんなにも悪くない奴... だと言うこと。
あるタイトルを一人で経営している管理人。 まぁ、コンピュータのプログラムに、
ほとんど任せてるって所もあるけど、ほぼ一人で管理している管理人だった。
PM 12:14
先程の俺はヨウの一件から、リビングへ戻った。
ヨウと出会ってから、此処まででもあり... 気が付いたらお腹が減っている状態。
朝の時では、奏空には... お昼には何かを食べていてね!
…と、聞いていたのだが... まさかの冷蔵庫には何もなく...
家庭的なスキルが全くない俺なんだが... 何も作れるハズがなく...
思い当たるのはヨウの所へ行き... 何かを... 何かを...ッ
そんなワケにて、俺はヨウの部屋... いや、ドアとされている...
壁の... 前で... さ...け... ん... だ...
そう、俺は力の限り... 叫んだ!!
「お腹減ったああああああああああああああああああああああああああ!」
ヨウが出てきた。 なんか、嫌そうな顔してるよ、ヨウ。
ってより、何か美味しい物食べてるじゃん!!
「…奏空ちゃんは冷蔵庫に何か作って行ったんじゃないのか?」
「ドヂっ子性格のせいで忘れられたんですよ。」
「萌えるぬぅ」
「いや、そこは... ってより、何食べてるんだ?」
「見れば分かるだろうよ...? ラーメンなんだが?」
…うん、見れば分かるんだが、一応な確認なんだが...ね。
「くださいませ! ヨウ様!」
「…なんか、ツッコミを入れるのか? それ...? まぁ、待ってろっ」
そんなワケでヨウは俺にラーメンを分けてくれた。ああ、優しい。
ってより、ヨウって一体何者なんだろうか...?
俺はそこでも疑問が浮かぶ...。
あるタイトルでのネットゲームを運営、管理する管理人。
最近の技術を取り入れたり、プログラム技術では結構なプロ。
で、この姫神家にありえない感じの部屋に住んでいる。
…まぁ、こんなワケの分からないキャラクターも大切だよね。
ってことで、こんな感じで放置してみよう、ああ! それがいい!
PM 08:12
今日も一日が終わった。 いい感じに終わった。
そんなワケでお風呂! お風呂! の時間である。
俺は実はと言うと... お風呂が好きだ! ああ! あのゆっくり浸かるのが好きだ!
ってことで、今はお風呂でゆっくり浸かっています。 この状況。
さて、この時点で... 俺はもう、日常じゃないってことは把握した。
…が、実際日常なのか、非日常なのか... よく分からない。
それとも...これは俺の〝夢〟なんじゃないのか... とも思える。
まぁ、そこら辺では俺は〝夢〟として考えている。
俺の中で一昨日に寝てからのこの状況の二日目だからね...。
そんなことを考えながらも、俺はゆっくり浸かる。浸かる。
と、そんな中だった。 俺がゆっくりしている時に。
「悠くんー? 湯加減どうー?」
「あぁ、いい感じだよー。」
奏空だ。洗面台の所になんの用だろうか...?
そうそう、この家の風呂場は、洗面台の先に風呂場がある。
まぁ、説明が面倒なのでそこら辺は許してあげてね!
「悠くん... その... 悠くんが... 良かったらさ...。」
「ん? どーしたの?」
「…あ、そ、そのね。 …い、一緒に入りますっ!!」
奏空が風呂場に!?俺はびっくりして、湯船の壁に後頭部をぶつけた。
「な、なななななな!?」
「えへへ。 びっくりした?」
俺はすぐさま後ろを向く、ああ! 向かなきゃヤベェ。
ってより、裸で突撃とか... ないですよ、驚きますよ、それ。
し、思春期やら発情期やらの俺の目の前でサービス的なことされると!
「あ、あのね... 電気代とか、うん、節約、節約っ」
「そ、そんな理由でいいの!? 俺、喜んでビックリだよ!?」
「…あ、うん!」
ひゃっほおおおおおおおおおおおおい!!
「勘違いしていいのかな? 奏空っ!?」
「冗談、冗談っ 久々に背中を流してあげるサービスだよっ
…あ、それと昼間の件についてもね、それに関しての... お詫びかも。」
「ああ、大丈夫、大丈夫。 安心して! ビックリするほどお腹減ってたから!」
まぁ、昼にヨウからラーメンを貰ったけど。
「わわ。 ご、ごめんね! 悠くんっ! わざとじゃないから許してね!
…色々お詫び出来るなら... 私でよければ...っ」
…わー! ヤベェ! …喜んでお詫びしてくれ!! …とは、言えず…。
「あ、奏空! 俺、あがるから! ご自由に浸かって行ってね!」
そんな中、湯船から、俺が後ろ向きであがろうとした時、俺の左腕を掴まれる。
「悠くん...? ダメだよ? 私、お詫びしてないもんっ」
「…ハイ! も、勿論です、奏空!」
ってことで、俺はこの状況からどーすればいいのか分からずにいた。
PM 08:23
どうしようもなく、10分程度が過ぎた辺りであり、俺は風呂場からあがらずにいる。
結局... 俺は奏空と一緒にお風呂に入ってることになってるこの状況。
…男子高校生としては突発的な感じより、めちゃくちゃ嬉しいっ
し、しかし... 規制的なのでカバーされてるし。 普通だったらね、その(以下略)
…ってことで、前を向いていいですか? …ダメだよね。
奏空は抜群のスタイルだと俺は出会ってから、思っていたが...
本当にいいのでビックリ状態である! そして、前を向けば見える!
見ちゃいけないんだ!な男子高校生フィルターとかさ、外しちゃえよ!
そんな中、奏空が話しかけて来た。
「悠くんさ... 私のこと興味ある?」
「…なーっ!!」
「冗談だよっ そりゃ、まぁ、うんっ」
「…な... あ、あがるよ、俺、危ないしっ」
「ぇー、もっと二人の時間を楽しもうよっ」
これは本気にしていいものなのか!?ってより、奏空に冗談...いや、冗談なのか?
俺はワケが分からず、興奮してきた。
「嘘だよっ! まぁ、男子高校生なら仕方ないよねっ」
「…分かっていらっしゃったんですか?」
「悠くんは分かりやすいから、そーいう所が悠くんの好きな所なんだよね。」
ダメだ... 奏空を見れない。
そして、この後は愛し合う感じになりませんかね?
「か、奏空... その... これからもよろしくねっ」
「あ、はい。 此方こそよろしくだよ♪ 悠くんっ
…あ、そうだ! 明日はちょっと付き合って欲しい所があるんだけどいいかな?」
「お!? ぜ、是非一緒について行きたいっ!!」
「ありがとね、やっぱり悠くんは優しいなぁ...!」
そんな具合で俺達は少し会話をして、俺は先にあがった。
やっぱり、同い年で一つ屋根の下で一緒に暮らしてる女子っていいなぁ。
あ、明日は二人っきりのデートってことでいいんだよね!? やたー!
PM 09:18
風呂からあがり、一段落ついて俺はいつものグダグダしている時間。
そんな時間がいつものいい感じの俺の休める感じの時間でもある。
リビングには、昇さん、奏空、俺... と、ヨウが居る。
あれ... ヨウってリビングに来るんだー。 と、思いつつ。
アタッシュケース? …ヨウは一体何を...? すると、ヨウが...
「奏空ちゃん、昇さん... これが今月の稼いだ分でありますっ!」
ヨウは持っているアタッシュケースを開く。 パカッ!!!
「今月の稼いだ分はこんな具合だぜ! 毎回、どうもですぜっ!」
「ヨウ、毎月ご苦労様。 いつも助かっている。」
「ヨウくん、ありがとね。 今回も家計のことに使わせてもらうねっ」
わー、スゲェ、金額が目の前のアタッシュケースから見えるんだが...
ってより、一万円の札束が... 百桁位あるみたいな...?
本当に稼いでたんだな... やっぱり管理人はすげぇ。
そんなワケでヨウはすごかったです。 僕は学生NEETだと分かりました。
PM 23:41
俺は寝る為に自分の部屋に戻り、ベットの上である。
今日の一日終わる。 なんだか、学校より微妙に疲れた気がする。
ともあれ、もう〝夢〟ってことにしてみようかな... 俺。
いや、これは非日常であって日常じゃない... ってこと... かな?
俺はそんなワケでまだ一昨日から寝ていることにしているのだが...
無駄に寝てるよね... これ...。 俺、大丈夫かな?
そんな疑問を浮かべながら... 俺はあることを思い出す。
そう、一昨日に拾った綺麗な白色の丸い物と通行手帳。
俺はそれを確認する為に、自分の部屋の中を探す。
俺は昨日、登校した時のカバンの中を見てみると... なぜかあった。
可笑しい... 確か一昨日では机の上に置いていたはずなのだが...。
俺は両方手に取り再度確認してみる。
しかし、それといって得には特徴などがない... と、思ったら...
通行手帳に挟まっているカードがあった。 それと取り出し見てみる。
〝現実世界〟⇔〝別世界〟と書いてあった。
まぁ、電車とかに乗る為の定期券とかのカードとかを思い浮かべて欲しい。
後ろには読めない謎の文字でズラズラと書かれてあった。
〝現実世界〟ってのは、俺が元々居た世界ってことなのか?
〝別世界〟ってのは、俺が来た世界ってことなのか?
…よく分からないが、多分... 俺は違う世界に来たってことになるよな…。
それとも、この定期券の表すのが本当に正しいのかが分からなかった。
しかし、この綺麗で白くて丸い物...。
これの正体が全く分からない状況でもある...。 まぁ、でもそのうちだよな。
そんなことを思いながら明日のことが楽しみである俺。
二人っきりのデートなんて初めてなんだからさ。
俺はそんな楽しみで、両方の謎のことを忘れそうになる俺。
…まぁ、楽しみなことを考えるのはいいことだよね! …そんな長い一日だった。