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〝 夢 世 界 物 語 〟  作者: 神昴
〝双花編〟
32/44

第三二話〝激闘〟

茜の想い... ――二人の熱き激闘

05月11日

PM 04:08

場所は屋上、状況は悠と蒼雨 茜が激闘している所である。

茜のセフィラのケセド発動のにより、屋上は雨が降ってきている。

そんな中、二人の衝突が始まった…。


「ハアアアアッ!!!」

「ウオオオオオオッ!」


悠の〝無限ノ剣〟と茜の〝村雨〟が衝突し、

悠と茜の周りに衝撃と起こし屋上の床のコンクリートが宙に飛ぶ。

そんな中、悠は茜に話しかけていた。


「茜さん、何時から覚醒者だったんですかッ?」

「最近だよ、最近...ッ

  気づいたら... 俺は覚醒者だった。 と、言えば簡単だよなッ!」


茜は〝村雨〟を器用に使い、悠の〝無限ノ剣〟ごと弾き、

その衝撃で悠は少し距離をとる形となった。


「俺と同じですね...」

「…。」


茜は無言のまま悠に向かって攻撃を仕掛けた。

先程と同様に刀を横から振り、斬撃攻撃をしてくる。

悠はそれを剣で防ぐ形となっている。

悠は刀の攻撃の一瞬の隙を探して攻撃を防いでいる。

しかし、茜の刀の斬撃のスピードはかなり早く、悠は攻撃に出られないようだ。


この戦いでは近距離戦となっている為、二人の距離は近い。

そう考えれば、相手との会話が可能になるかもしれない。


「茜さん... …本当の目的を教えてくださいッ!!」


悠はとにかく、茜の隠し事が知りたかった。


「黙れ...ッ!!」


茜はその内容が自分の双子の妹のことであり...

本人は自分の問題は自分で解決した為、そう簡単には言えないことである。


「…じゃ、茜さんは守りたい人はいるんですか...?」

「…!?」


剣と刀がまたも衝突する中... 悠の言葉が茜の心に届いた。

確かに茜は双子の妹... あやめを守る為に今戦っている。

その悠の言葉が茜の戦う理由となっている為、どうしようも返す言葉が浮かばない。


しかし...


「茜さん...ッ!!」

「…ッ!!!」


茜は無言のまま、衝突している刀にさらに力を加え... ぐんぐん悠を押していく。

悠もそれに耐え続けているのだが、茜の力が強すぎる為、

衝突している剣が弾かれそうになっている。


「茜えええええええッ!!!」

「な...!?」


悠は茜を呼び捨てにし、悠の底力で刀を剣で弾いた。

そして、茜の刀の弾いたお陰で茜に一瞬の隙ができ、

そこに悠は斬撃攻撃をくらわせようと、横から剣で斬撃攻撃をくらわせようとしていた。


キンッ!!


しかし、一瞬の隙をついたのだが、茜は刀で剣を防御した。

素早い動きが可能な刀... しかし、強度は脆いと分かったいた茜は、

すぐさま、防御を解除し、刀で剣を弾き... 悠から距離をとった。


「クソッ...」

「…危ねェ...」


二人の武器の扱い、戦闘能力はほぼ互角であった。

そんな中... 茜が自分の能力を使おうとしていた。


「悠... じゃ、俺はそろそろ能力を使わせてもらうッ!!」


その言葉を言った瞬間に茜の身体に青きオーラが渦を巻く...


「始まりの雨...  ――即ち...〝小雨〟...ッ!!」


先程の渦を巻いていた青きオーラは、

茜に青きオーラが包み込み、茜は攻撃をする為構える。

次に青きオーラの色が濃くなり始め、茜は刀を悠に向け... 構えた。


「行くぞ...ッ!!」


〝小雨〟の補助によってかなり走る速度が違うことに悠は気づき...

すぐさま、防御態勢に入るのだが...


「ウオオオオッ!!」

「ク...ッ!!!」


戦闘能力が格段に増し、剣で防御するも弱々しい防御と言った形となった。

茜は防御されたので刀のをすぐさま違う方向から斬撃攻撃を始める。

今は茜の猛攻撃となっており、悠は何もできず、ただ斬撃に耐えている。


さらに茜は防御されないように後ろにまわり込み、斬撃攻撃を加えようとした。

まわり込まれた悠は茜に対して防御体制を構えられず、

茜の刀の斬撃攻撃が悠を襲おうとしていた。


――キンッ!!


後ろにまわりこまれた悠だが、とっさの回避行動で刀の斬撃を、

剣での防御に成功したのだ。

これは運が良かった... と、言えばいいのだろうか。

後ろにまわり込まれて、防御出来る体制ではなかったはずなのだが、

突如の勢いで茜の攻撃が来る後ろへ回れて、剣で防御出来たのだ。


茜は防御され少し後ろへ下がり、悠に対して少し距離をとった。


「運が良かったらしいな... 悠。」

「こんな所で死んでたまるかよ...ッ!!」

「だが... 俺は... ――負けない...ッ!!!」


茜は刀を右膝の近くに下に向けて持ち、悠に向かって走りだした。

その間、〝村雨〟の為の雨が突如強さを増した。


「静かな雨... ――即ち... 〝霧雨〟...ッ!!」


悠に向け青いオーラを纏った〝村雨〟の斬撃攻撃が悠を襲おうとしていた。

しかし、悠は斬撃攻撃を受けているだけではなく... 悠も能力を発動させる。


「〝インフィニット・アクセルシュート〟ッ!!」


二人の技が零距離で激突する!!

白き光、青き光が激突している為、屋上ではかなり綺麗な輝きを放っている。

勿論、二人の衝撃は半端なく... 屋上の床のコンクリートが飛ぶ。


「ハアアアアアアアアッ!!!!」

「ウオオオオオオオオオオオッ!!!」


二人の攻撃が二人の強い発動力の衝撃により中和され、

強い力を纏った剣と刀が交わっている状況となった。


「強いですね... 茜さん...ッ!!」

「ああ、悠もな...ッ!!」


互いに力が同じことだと二人は感じていた。

この戦い、先に運が尽きた者が負ける... と、感じていた。

悠と茜は互いに少し距離をとる。


「じゃ、今度は... 俺から...ッ!!」


そう断言し、悠は白きオーラを身体に纏わし、剣を頭上に掲げ...


「〝インフィニット・クロスドライブ〟ッ!!!」


白きオーラが剣に注がれ、それを一気に茜の方に放つ。


「そんな閃光... 俺に効くハズ...」


茜が余裕な表情をしていた所に、

一つだった白き閃光が茜の7m程で二つに分かれ、茜に襲おうとしている。

直前で回転... つまり途中で回転が加わり、一つの閃光が突如二つに分かれるこの技。

茜には予想は出来なかったはずである。


「…!?」

「いっけえええええッ!!」


茜は一つ目の閃光を刀でかき消したのだが、

直後に二つ目の閃光が茜に直撃する形となった!


「クソ...ッ!!!」


茜の左腕に大ダメージを加えることに成功した。

茜の左腕は制服が破け、血だらけであり... 左腕をかばっている。


「茜さん...ッ!!」

「…ッ。」


茜は答えようとせず... 再び戦闘態勢に入る。


「もう... いいんじゃないですか!?」

「うるせエッ!!!!  ウオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」


茜は突如として俺に刀で斬りかかって来た。

左腕を構うことなく、悠に斬撃攻撃を仕掛けてくる。


「負けてられねェーんだよッ!!! テメェーだけにはアアアアッ!!」


茜はもはや悠を本気で倒そうとしている。


「俺の違う技で、倒してやるぜ...ッ!!!

  …後の雨... 即ち... ――〝長雨〟...ッ!!」


そう言い... 雨の強さが先程よりもさらに増した。

突如仕掛けた左横斬のモーションである斬撃攻撃は悠を襲う。


「〝アイン〟...ッ!!」


悠は技を無効化させようと、左横から斬りつけるのを左横から受け止める為、

〝無限ノ剣〟を縦に持ち... 茜の〝長雨〟を受け止める体制に入る。

この時に白き光とともに〝無限ノ剣〟が発光している。


しかし...


「…グアアアアッ!!!!」


〝アイン〟を唱え、悠は攻撃を無効化させる体制へと入ったいたのだが...

その〝アイン〟の効果を無視された形の技であった。

悠は右横腹を抑えながら、地に足と手を着く...


「…クッ」

「これで... 状況は同じとなったな。」


確かに悠の特殊技、〝アイン〟は相手の攻撃を無効化する技である。

しかし、悠は右横腹へと攻撃を受けたのであった。

左横斬のモーションから... 右横腹への斬撃。


悠は斬られた右横腹をかばいながらを茜に話しかける。


「トリックがまるで分からない...」

「そうだろうな。」


茜は戦略の為か、全く内容を言うつもりはなさそうだ。


「俺のチャンスだな...ッ!!」


茜はこのチャンスを逃さない為にもに攻撃を仕掛ける為... 悠に近づく。

悠は必死に先程の茜の技を考える...。


「〝長雨〟...ッ!!」


茜の先程と同じ斬撃攻撃が悠を襲う!!

今度は右横斬のモーションでの斬撃攻撃である。


――キンッ!!!


先程の肉がきれるような鈍い音はせず... 剣と刀の当たった高い音がした。

そう... 先程の攻撃を防ぐことに悠は成功したのだ。

茜は驚いた表情で悠から少し距離をとった。


「分かったんだよ... トリックが... なッ!!!」

「…!?」

「水たまりを見たんだ。」

「…チッ…。」


そう、茜の〝長雨〟と言う技は...

相手をくらまし斬りかかった方向とは反対方向からの斬撃を与える技。

この技は茜が発動時に降らせた雨を使う技である。


茜が左横斬りからのモーションで斬撃をするとする。

その時には自分から見ると、左横斬りのモーションに見えるが、

茜からすると右横斬りのモーションとなっている。

その原因となったのは茜が降らせた雨である。

この雨はただ降っているワケではなく、反射をさせるように雨が降っている。

一つ一つの雨の粒が反射し、相手の行動が反対に見えるワケだ。

だから、先程より雨の強さが増したワケだ。


だが、水たまりはただ上下逆に映し、反射はしていない。

それを見ることにより、斬撃の来る場所が分かったワケだ。


「…まあ、いい。 俺は面倒な斬撃攻撃は好きじゃない。

  ただ、使えるなら使ってみただけだ。」

「…。」

「と、言うことでさらに行くぞ...ッ!!!」


茜は面倒な斬撃攻撃... 〝長雨〟のトリックが知られただけで使うのを止めたらしい。

茜は斬撃攻撃を仕掛けてくる。

悠はそれを受け、攻撃のチャンスをうかがっている状況だ。


二人の傷は深く、かなり危険な状態で戦っているのだが、

男には負けられない戦いがある。

簡単に言えば、男の意地の張り合いでもある。


と、茜が急に刀の斬撃を止め... 悠に話しかけた。


「此処まで来ると... お前は俺の敵対者〝ライバル〟にでも認定出来そうだ。」

「はは... こんな所で面白い冗談じゃないですかっ

  …俺みたいなまだ弱い覚醒者なんて... 茜さんの敵対者〝ライバル〟には

    なれそうにはありませんよ...ッ」


この戦いで少なくともお互いの力が分かったハズである。


「お前の様な戦い方をした〝戦闘ノ歴史〟があるんだよ。」

「…え?」

「俺のケセドの能力... 〝戦闘ノ歴史〟は

  このセフィラ〝ケセド〟を使用した者の戦闘の記録が、残っていてな

   その戦闘時の様子や戦闘時の戦い方などが全て俺の頭の中に浮かぶ...

    俺はその〝戦闘ノ歴史〟から相手との戦い方を導き出しているワケだ。」


茜は自分のセフィラの能力を教えた。

これは悠に対する少しのハンデであろうか?


「…お前も初代セフィラと同じ... いや、それ以上に... …なんでもない。」


そう言って茜は悠に向け、再び刀を構えた。


「そろそろ、終わりにしようか...ッ!!」


茜は悠めがけ、走った。 …が...


「オイオイ... 二人の能力と力は一緒ってことか...。」


そこに紫色のオーラを纏った澪狗が邪魔をして来た。

茜は急に走るのを止めて、澪狗に話しかけた。


「遅ェんだよ...ッ!!」

「だから、どーした?」

「…ッ!!」


どうやら悠はこの状況から、ケテルを狙っている理由が分かった。

…が、本当はケテルを狙っている理由は違うのだが...


「茜さん... …茜さんは...ッ 澪狗の仲間なのかッ!?」


悠は少し表情を変え、茜に話しかける...

茜が喋ろうとした時、澪狗が割り込んで話しをし始めた。


「そうだ... 蒼雨 茜は俺達の仲間。」

「――!?」


悠は茜を見る。

それを確認し、茜も黙って悠の方を見ていた。


「茜さん...ッ!!!」

「俺は... 俺の双子の妹、あやめを救いたいんだ...ッ!!

  だから、お前のセフィラ〝ケテル〟が必要なんだッ!!」


茜は悠に対し強くそのことを言った。

悠はそのことに対して、何も言えることがなかった。


「…フフフッ …今日は撤回だ... 帰るぞ? 蒼雨 茜。」

「チッ...」


そう言い、澪狗が放った紫色のオーラで二人は姿を消した…。


「茜さんの双子の妹... あやめさんのことで俺のセフィラが必要なのか...」

 

悠は少し現状を把握出来なかった。

今日の昼休みに初めて会った人である... 蒼雨 あやめさん。

その人が俺のセフィラを必要としている理由がさっぱり分からない。

…しかし、本当のことが聞けたのだが... これからどうするべきか。。

そんなことを考えながら屋上を後にした。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



PM 04:39

場所は茜が在籍する3-2の教室である。

そこに突如紫色のオーラとともに茜と澪狗が突如現れた。


「何故... 言ったんだ?」


茜は黙っていた。


「まぁ... 俺達の計画には支障はないと思うんだが... まぁ、いいだろう。」

「…なあ。」

「?」

「お前は本当にあやめを救うのを手伝ってくれるんだよな?」

「ああ、そうさ。」


茜は正直、信用していなかった。

しかも、澪狗に仲間発言をされたことにより、悠にかなり近づきにくくなった。


「次は明日の放課後... 明日こそ悠からケテルを回収してこいよ。

  あやめちゃんももう時間がないんじゃないのか?」


茜を煽る様に言い...


「んじゃ、また頼むぜ? 鬼〝オーガ〟よ」


そう言い、また紫色のオーラとともに姿を消した。


「やるしかない...ッ …あやめの為に...ッ!!」


茜はそう呟き、教室を後にした。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



PM 16:32


「俺が考える物語ってのは...

  鬼〝オーガ〟がケテルを手にしたところを、俺が鬼〝オーガ〟を殺して...

   んで、楽々〝ケテル〟〝ケセド〟が手に入るってことだ。

    まぁ... 鬼〝オーガ〟には悪いけどな。」


澪狗が一人で呟いていた。

どうやら、澪狗はこのような計画だったのだろう...。


想いと嘘が交錯する中... 悠と茜はどう... ――戦って行くのか?

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