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〝 夢 世 界 物 語 〟  作者: 神昴
〝日常編 後編〟
23/44

第二三話〝時空〟

ヨウと澪狗の戦い... ――時ノ守護者〝リロード〟

04月26日

PM 02:37


「オメェーを殺さねえとオレの気分が晴れねぇ...ッ!!」


ヨウが激怒しながら澪狗に荒々しく話しかける。

こんなにも怒っているヨウを見るのは初めてだ。

そして、ヨウの槍を澪狗に当てた時に俺達を苦しめる世界は突如消えた。

俺は楽になったのだが、光はまだ気を失っている状況だった。


「ありがとう... 助かったよ...っ」

「ああ、気にすんな、仲間だろうよ?

  それよりも、寝てろよ!  まだヤツの力が残ってるだろ?」

「す、すまない...。」


俺は光を安全な所へ運び... 戦いをヨウに任せた。


「クソ!! 何故... 此処が分かった...ッ!?」

「へっ! オメェーの幻想なんたすぐに気づけたぜッ!!」


どうやら屋上付近には澪狗の幻覚、幻想をばら撒いて、

屋上に俺と光が戦っていることを分からないようにさせていた。


「まあ、いい...。 さっきの槍攻撃のお返しを... してやろうじゃねえかっ!!」


澪狗はまたも紫色のオーラを放ち、自分の武器を変化させる。


「幻っていいなー。 自分の好きな武器に変えられるなんた...

  変なのがすることじゃねーか(笑)」

「…ダマレ...ッ!!!

  幻〝ファンタジー・ウエポン〟 ――槍〝チェンジ・ロッド〟」


今度は槍状態に変化させ... ヨウに攻撃を仕掛ける。


「マネすんじゃねーよッ!!」


ヨウも澪狗が突撃してくるのを見計らって、突撃を仕掛ける。

そして、二人は槍で突き刺し攻撃をする。

ヨウ、澪狗とも攻撃をかわし次なる攻撃を仕掛けている。


ヨウは二本の槍をうまく使っているのだが... 澪狗は一本の槍で、

うまく攻撃を受け流し攻撃態勢をすぐにとっている。


「へへ... まだだぜッ!!」


ヨウは澪狗に対し少し距離をとる。

澪狗は相手の攻撃を待つ為にその場に立ち止る。


「行くぜ...ッ!! 〝ジャンピング...


ヨウは一つ目の槍を投げ...もう一つの槍を持ちながら相手の頭上にジャンプし、


                    ...・ブレイクッ!!」


もう一つの槍の刃を向けながら落下する!!

そう、一つ目の槍ともう一つの槍が同時に刺さるような感じになる。


澪狗は一つ目の槍をうまく弾き返すのだが、

その槍が頭上に居たヨウに丁度よく受け取って、

二つの槍で攻撃するような形となった。


「くらえええええええぇぇぇぇーっ!!!」

(丁度よく受け取れるってラッキーッ!!)


澪狗に二つの槍の刃が両肩に直撃した。


「グ... アアアアアッ!!!!」


攻撃をもろにくらってしまった澪狗は屋上の床に手をついた。


「…く、クソ...ッ!!!!」

「面倒な技なんだけどさ、オレだって面倒なんだぜ?」

「…と、言いたい所なんだが...」

「――!?」


澪狗は突如紫色のオーラとともに消えた。


「何と戦っているんだ? 時ノ守護者〝リロード〟ッ!!」


ヨウはすぐさま後ろを振り向くと澪狗が無傷のまま立っていた。


「…な、オマエ...!?」

「フフ... あれは幻想だ。」


そう、ヨウが技を決めたのは澪狗が造った幻想だった。


「…そ、そんなのありかよ...!?」

「そりゃ、普通幻術を使える人はこの程度... 楽だぜ?」

「だが、あの時確かに肉と骨を...」

「フフ... そこも幻術使いは生成出来るんだからな!!」


澪狗は再び攻撃を開始させる。

ヨウは少しの苛立ちとともに澪狗に立ち向かっていった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



PM 02:37

教室で普段通りに授業を受けている奏空。

しかし、その顔には普段通りではない顔の表情と心の中に不安がある。

悠と光は何かを感じそのまま教室を出たのだが... やっぱり帰ってこない。

これはあの二人に何かあったことが明確に分かることだ。

しかし、奏空は悠と光に安心して待っていてね!

と、言われたのを信じて待っている。 しかし、奏空は正直者だ。

いくら言われたからって、不安で仕方ない時には授業も関係ない。

だが、奏空は授業を抜け出せない状況でもあった。


と、そんな時... 突如4組の教室のドアが開く。

奏空はそのドアが空いた瞬間には... 二人が普通に帰ってくることを願っていた。


…しかし、入って来た人物は悠と光ではなく...


「姫神さん... 少し来てもえませんか?」


友達の清水 怜だった。

授業中にも関わらず、かと言って違うクラスに入ってくるなど、

怜に対してはないと思われていた奏空だった。


「…ぇ? 私... が?」

「えぇ... 少し重要なお話が...。」

「で、でも今は授業中だよ...!?」

「えぇ、それは承知の上です。」


「じゃあ、なんで...!?」

「良いんですよ... 僕について来れば分かります。」

「ぇ、あ、ちょっと!? 怜くん!!」


そう言って奏空の手をひき教室から出て行った。

驚く教師とクラスの生徒達... しかし、そのことは怜には関係なかった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



PM 02:37

再びヨウと澪狗の戦闘が始まる。

俺と光は離れて二人の戦闘を見ていた。

すると... 光が目を覚ました。


「ゆ... 悠くん...。 ごめん...」

「ああ、大丈夫だよ。 今はヨウが駆けつけて来てくれたから。」

「…そう...。」

「あ、俺達ももう少し気分がよくなったら... 再び行こうぜっ!」

「うん... 悠くん... あ、少し良いかな?」

「ぇ?」


光は俺の胸に飛び込んで来た。 こんな戦闘している所で良いのか!?


「悠くん... 光... やっぱり怖いよ...。」

「光...。」


光の表情は不安でいっぱいだった。


「悠くん... ここでなんだけど... 光を抱きしめて...。」

「…ぇ、ちょ...!?」


ビックリしたのだが... 光が不安でいっぱいだったから、

俺はそのまま光を抱きしめた。

実際には俺も不安だったのだが... 光を抱きしめたらなんだか、

不安が不安じゃなくなってきたような気分になった。


どうせなら... こんな戦いの時じゃなくて... ――もっと違う時に。


「悠くん、ありがとね 光、もう元気だよっ!」

「あ、そう?  こっちもありがとな!」


そう、俺は... 光を安心させられたならいいんだ。 と、思った。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



PM 02:38

ヨウと澪狗の戦闘中である。


「おいおいッ!! さっきの余裕はどーした!? 時ノ守護者〝リロード〟!!」

「クソッ!!」


かなりの勢いで押されているヨウ。

先程よりも澪狗の戦闘能力はあがっていた。


「お前が少しでも俺に対抗出来そうだったから、

  俺があえて戦闘能力をあげてやっているのによ!

   なんだ... 弱いじゃないか... それともなんだ?」

「…う、うるせーッ!!!」


ヨウは二つの槍で攻撃をしているのだが、澪狗はもう攻撃パターンを呼んだのか、

全ての攻撃はかわされ、ヨウは攻撃を受けている状況である。


「これじゃ、この武器のまま... 終わりそうだな。」

「ヘッ... こ、こんな所で終わらせてたまるかよ!!」

「お前に何が出来る…?」

「此処で使いたくなかったし... まだ、調整が分からないが...

  ――この技に賭けてみるしかねぇ...ッ!!」

「なんだと?」


ヨウは一つの槍を地面に立たせた。


「行くぜ...  オレはこれに賭けるしかねぇッ!! ――〝リロード〟ッ!!」


その言葉とともに立っている槍の中心に閃光伸びが時計の針ような形になり、

その場に橙色のオーラを放った。


「…なんだ? ただの時計じゃないか! それは!!」


澪狗が余裕を浮かべたその時...ッ!!


「何余裕を浮かべてんだ...? このヤローッ!!」


突如澪狗の目の前にヨウが槍で攻撃を仕掛けようとしていた瞬間だった。

澪狗は突如のことなのだが、うまく攻撃をかわし、距離をとった。


「…い、今... 一瞬が止まったように感じたが...ッ!!」


「そうだ... ――オレはオマエの一瞬を止めた。」


「――!?」


「オレの能力は... 〝時〟 ――つまり時空...

  そして、オレは... 時間、時空をも統べる ――時ノ守護者だッ!!

   今は力が弱くて... 相手の一瞬しか止められないが...

    何時の日か時間も時空も止める力をこの手で手に入れてやるぜッ!!」


「…フハハ... 面白いッ!! ならば、俺もまた本気で行こうじゃないかッ!!」


再び澪狗はヨウに素早く攻撃を仕掛ける。

それは先程よりもスピードが遥かに上である。

これ以上の能力を持っているのか分からない澪狗である。


「だから... どんな速さでも! どんな強さでも...ッ!!

  時が止まれば... ――全て同じなんだよ...ッ!!」


ヨウは一瞬を止める。 その一瞬で相手の後ろに飛び込む...そして、一瞬が流れた。


カキンッ!!


澪狗は予想していたかのように後ろを向きに槍で攻撃を防いでいた。


「これぐらい... 俺にだって予想はつく...ッ!!」

「チッ!!」


二人の戦いは互角であった。

能力的にはヨウの方が今は上だが... 澪狗は能力なしで戦っている。

実際には能力を使ってしまえばヨウは負けそうになると思われるのだが、

どう見ても... これは時間稼ぎにしか見えなかった。

それをヨウは気づいてはいなかった。


「時間稼ぎはこのぐらいでいいだろう」

「…な!?」

「もっと強くなってから... また会おうじゃないかッ!!」


そう言って、澪狗は紫色のオーラとともに姿を消した。


「…クソ... 逃げられたか...。」

「オーイッ! ヨウー!」


俺と光はついさっき復活して... ヨウの元に駆け寄った。


「ちょ、遅すぎだぜ?」

「いやさ... 二人の戦いにどーも手を出せそうにもなかったから。」

「…ぇぇ!?」

「すごいね... ヨウッ! なに? あの能力?」

「ああ、一瞬を止めるってヤツだよ...。」


そう言って、ヨウは発動を解除させた。


「…あ、アイツさ... なんだか時間稼ぎはこれくらいでいいとか言ってたけど...

  何か心当たりとかないか?」

「…え? 時間稼ぎ...?」

「光にも分かんないや...。」

「まぁ、いいのか...  あ、奏空ちゃんは大丈夫なのか?」

「あ、俺は教室をすぐ出たから分からないけど... 光、知ってるよね?」

「ぇ、教室で待ってくれてると思うっ!」

「思うって。。」

「んじゃ... まぁー... この件はこんな風にして教室に戻ろうぜ!」

「ヨウが教室に戻るとか... 光、初めて聞いたよ!!」

「…た、確かに俺も聞いたことがない。」

「い、いや気にすんなYO!」


そんなワケで一件落着的な感じで俺達は屋上を後にした。

丁度よく授業終了のチャイムも鳴った。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



PM 02:40

清水 怜は奏空の手を握ったまま... 学校内を走っていた。


「れ、怜くん... 一体、どーなっているの!?」


奏空は焦っていた。

何故... 怜がこんなことをするのかが分からないからだ。


「…。」


しかし、何も言わずに怜は奏空の手を握りながら走っている。

奏空が手を振り離そうとするも怜の力が強く中々手を離せない。

そんな中... 場所は体育館へと来た。

そのまま怜は手を強く握りしめたまま、倉庫へと進んでいる。


「怜くん!  いい加減に離してよ!! 何が目的な...ッ...」

 

だが、怜の握る強さは半端がなく、奏空が少し痛がっていた。

そして、倉庫の錠前を片手で握り、錠前を破壊し...

倉庫の中に奏空を投げ入れた。


「キャッ!!」

「…。」


そして、奏空に近づき背後にまわる。


「れ... 怜くん...!? や、やめ...てッ!!」


奏空を抱きしめ動けないようにし、手錠を取り出し...


「い、痛い...ッ!!」


両手を後ろ側へ持ってきてその両手首に手錠をつけた。


「少し... 静かにしてくださいよ。 姫神さん。」

「ふぇ!?」


怜は奏空の腹部に軽い一撃を加えた。


「...ッ!!」


奏空はそのダメージで気を失い... 横たわった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



PM 02:52

俺達は教室へと戻ったが... 奏空の姿が何処にもなかった。


「お、サボり三人衆」

「…あー。」


声をかけて来たのはこのクラスの級長である道中くんだった。


「あ、道中くん! 奏空知らないか?」

「…え、お前ら知らない... って、居なかったもんな。」

「ぇ?」

「姫神さんなら... 1組の清水 怜に連れて行かれたよ。」

「え!? どうしてだ!?」

「いやさ、俺達にも分からないんだよ、

  授業中に清水 怜が勝手に教室に入ってきて、

   姫神さんの手を握ってどこかに行ったんだぜ。」


怜が...!? なんで怜がそんな行動を!?


「…じゃ、何処に行ったか分かるかい?」

「さあな。」

「ありがとな!」


俺は級長に礼を言ってすぐに教室を出た。

俺、光、ヨウで手分けして探すことにした。


「オイオイ... またサボりになるぞ!?」


道中くんは少し吹っ切れた感じで言った。



PM 02:54

俺達は手分けをして学校中を探している。

学校内は俺と光... 外はヨウに頼んでいる。

何か情報があったら携帯に知らせると言う対策をとっている。

…しかし、携帯をこんな風に使うだなんて初めてだ。


ちなみにこの学校内と外は相当大きい。

学園ってもいいんじゃないのか? と言うぐらいに広くて大きい。

それなら学校じゃなくて、学園じゃね? いや、学院じゃね!?


すると俺の携帯から電話の着信音が鳴った。

俺は携帯を取り出し着信人物の名前を見るが...非通知設定となっていた。

それを構わず俺は出てみることにした。


「ハイ、どちら様でしょうか?」

『…。』

「ぇ、聞こえてますかー?」

『…ゆ... く... ん...』

「ハイ...?」

『…悠くんっ!!』


――奏空の声が聞こえた。


「か、奏空なんだね!? い、今何処に...」


すると突如声が変わった。


『悠くん、授業は如何したんですか?』


そう... この声は清水 怜である。

怜は冷静な口調でいつも通りに俺に話しかけるように電話に出ている。


「れ、怜!! お、お前も何をしているんだ!?

  ぇーと、俺の耳が可笑しくなきゃ、奏空の声が聞こえたハズなんだが...?」

『えぇ、姫神さんなら僕の隣にいますよ。』

「…!?」

『僕の隣でお休みになっていますよ。』

「…ど、どういうことだ...ッ!?」

『来てみれば分かりますよ。 貴方の大切な人を頂きました。 では。』

「ちょ、待てっ!!!」


…ポッ... ツーツーツー


怜が... 何故... ――奏空を...!?

俺はすぐさまヨウと光にメールを送った。

奏空を早く... なんとしてでも早く...早く...ッ!!



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



PM 02:56

電話を終えて怜は再び奏空に話しかけた。


「さっきの攻撃ではあんまり効果なかったみたいですから...

  ちょっとでもこの状況を把握させてもらう為に電話に出て貰いました。

   姫神さんは本当に可愛いですね。 こんな状況でも、

    悠くんに助けてとは言わなかったんですよね。」

「…ッ... わ... 私に何の目的があるの...ッ!?」


先程の腹部に軽いダメージをくらったのだが、

そのダメージは軽すぎた為にすぐに気を取り戻せた。


「僕は... 貴女が欲しいんですよ。」

「…!?」

「僕は貴女は、世界を救える力の持ち主なんですよ。」

「…ど、どういうことなの...!?」

「時期に分かるでしょう... 貴女は... 世界ノ奏者〝キボウ〟なんですから。」

「…世界ノ奏者〝キボウ〟...!? それは...ッ...」


そして、またも腹部に軽いダメージを与えた怜。

また奏空は気を失う...

今度こそ気を失ったのを確認した怜は、 

外から倉庫を閉め、新たに倉庫の錠前をとりつけた。


「さあ... 世界ノ奏者〝キボウ〟よ...

  貴女の覚醒すべきセフィラで覚醒してもらおう...。」


そう言って怜は体育館から去って行った。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



PM 03:04

とっくに6時間目の授業は始まっている。

そんな中、学校の中を堂々と歩いているだなんて不思議な感じがする。

先程、メールを送ったのだが、電話が同時にかかってきて大変だった。

だから、二人に一回会って話したんだが、これが結構分かんない展開に。

で、最終的に3人で学校内を捜索中である。


「なあ、やっぱり、監禁的には体育館倉庫じゃね!?」


ヨウ... そろそろ二次元と三次元の区別つけようぜ?


「あ、でもヨウが言う通りにそうだったらどうする?」


光が真面目に応答していた。


「…。」


と、そこに昇さんに出会ってしまった。


「…なんでお前ら3人は教室に入らないんだ!!」


少しとがった口調である。


「…いや、聞いてください...ッ!!」

「なんだ...?」

「奏空が清水 怜によって... 行方不明になりました。」

「…そ、それは本当か...ッ!?」

「はい... さっき、清水 怜から電話があったんですよ。」

「清水 怜か...。  あ…そういえば。」

「え、どうしたんですか!?」

「清水 怜なら先程、体育館へ行った。」


「「「!?」」」


「悠、ほれ見ろ! 最初からオレのが正解だったじゃねーか!!」

「…。」

「ど、どっちにしても早く行こうよ! 悠くん、ヨウっ!!」

「…教室へはもう戻らないんだな...?」


昇さんがなんだか妙な顔で聞く。


「「「はい!!」」」


三人で同時にハモりました。


「…よし、俺も行こう。」


と、言うことで教師も巻き込んでしまったこの事件。

ってより、他の教師とかは気づいていないのか!?

そんなワケで俺と光とヨウと... 昇さんで体育館へと向かった。



PM 03:06

体育館へ到着する俺達4人。


「体育館倉庫...あれか!」


俺が走って行こうとした瞬間。


「待ちなよ。」


反対側から聞き覚えがある声がする。

俺達はその声が聞こえた方向を向く。


「やっぱりお前だったのか...ッ!! ――怜ッ!!」


怜は俺達の方向を見てニヤリと笑う。


「やっぱりさ... 僕の狙いは正しかったんだよ。」

「何が言いたい...ッ!?」

「ほらさ... こういうことだよ。 …悠くん...ッ!!」


その言葉を言った直後... 俺の目には体育館の中が捻じれる現象が起きた。

これは... 先程の澪狗の幻想と全く同じ感じだ。

そんな中...。


「キャッ!!!」

「うおおおおおあああああっ!?」

「…グアアアアッ!!!」


光、ヨウ、昇さんの悲鳴が聞こえたのだが、俺の目からでは確認出来ず...

幻想で気分がまたも悪くなっていく状況だった。


「さぁ... これからが君達の終末〝エンディング〟ですよ。」


その言葉とともに俺は気を失いかけていた。

もう... 起きあがれる自信がなかった。 ――俺の目の前が真っ暗になっていった。

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