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〝 夢 世 界 物 語 〟  作者: 神昴
〝日常編 前編〟
2/44

第二話〝出会〟

突然の出会い... ――非日常の開始

04月09日

AM 7:35

いつもの時計のアラームの音が響き渡る...

今日も始まってしまったのか、今日の俺の日常。

昨日はあんな出来事... って、ただ拾っただけの出来事。

そんな拾っただけで何も起こりやしないよな... と、思いつつ...

俺は時計のアラームを消そうと、手を伸ばした瞬間...


「おはよう。 今日もいい天気だよ!! 早く起きなきゃ、学校に遅刻しちゃうよ?」


何やら可愛らしい女の子の声が俺の耳に響く。

…可笑しいな、俺は一人っ子なんだが。 ちなみに俺の家族は両親に俺しかいない。

ともあれ、俺はアラームを消し、恐る恐る起きてみると...。


まるで見たことのないような感じの美少女が。

所謂、二次元的な感じの... いや、三次元でも表してもスゲェ。

年齢は俺と同じぐらいな感じ。

顔はスッキリとした小顔、髪の毛は肩まで伸びたストレート。

声はまるで天使のようだ。 いや、普通の女子では難しそうな感じの可愛らしさの声。

俺は生まれて初めて、一目惚れをしてしまったようだ…。

いや、すごいことを考えてるようなんだが、実際にはメロメロな感じだった。


俺は何も言えずにそのままただ彼女の方を見ていた。

行動がない俺を見たのか、彼女から...


「あれ? ほ、本当に遅刻しちゃうから、

  顔洗ってきてね!! ぁ、ご飯も冷めちゃうから、早く早く!!」


俺は急いで顔を洗いにドキドキしながら、洗面台へ。

っても、部屋から出て階段を降りたはいいのだが...

洗面台の場所が分からない... ってより、この家は俺の家じゃないみたい。

…俺... 昨日は俺の家で寝たんだよね?  あれ?

頭の中が混乱してきた、朝からこんなに焦るのは初めてかもしれない。

するとリビングらしき部屋から、一人の男の人が...


「学校に先に行ってるからな。 奏空、遅刻するなよ?

  それと、悠。 起きるの遅いぞ? 遅刻したら、後で宿題出すからな。」


…どうやらこの言葉から学校の教師らしい。

先ほどの美少女は奏空(かなた)というらしい。

すると俺の部屋となっていた部屋から奏空が降りて来た。


「遅刻しないようにするよ! いってらっしゃい、お兄ちゃん。」

「あぁ、行って来る。 今日もご飯が美味しかったぞ。 じゃ、また後で。」


お兄さんは学校へ向かった。

…いや、待て... 俺がいつの時からか憧れていたこのシーン。

俺、泣いちゃうかも…。


「悠くん、早くご飯食べよ。 早くしないと冷めちゃうよっ!!」

「あぁ、すまない!! い、今準備してくるからっ」


俺は急いで自分の部屋とされている部屋に向かい、準備を始める。

ともあれ、一番の疑問でもある、俺の名前。

(ゆう)というのが今の俺の名前だ。

って、実際は全然違うんだが...。 ともあれ、〝夢〟なら、仕方ないのかな。

…実際こんなリアルな〝夢〟は初めてである。

それに、これは〝夢〟じゃなかったら一体なんだろうか...。

そんなことを考えつつ、奏空のご飯を食べつつ、彼女の笑顔を見ていた。


AM 8:21

奏空の手作り朝ご飯を食べ終わり、家を出て、登校中。

こんなに可愛い子と二人っきりで登校とか実際の所、俺はまだ体験してないのだ。

どうしよう、ドキドキが止まらないのである。

そして、こんな時間で遅刻しないのか、とビクビクしながら緊張しているのである。


「どーしたの? 悠くん? いつもより、歩くスピード速くないかな?」

「ああ、いや、すまん。 遅刻しないか、ビクビクしててね。」

「ぇ? 学校の朝のHR開始時間は8:40からだよ? …だ、大丈夫かな?

  あ、金曜日だからだよね、疲れてるなら言ってね?」

「すまない... 俺はど忘れの斜め上な感じでね... うん。」

(今日は金曜日なのか... よかった。 ともあれ、斜め上って!?)

「何かあったら言ってよね? あの時のようなことはもうダメだからね?」

「あぁ、うん。 ありがとね、奏空。」


この時、俺はこんなに可愛い子をこんなくだらない話をしてもいいのか? いや、ダメだろう。

しかも、俺は初めて会った人に対して、名前で呼んでいる。 すごく、ドキドキしてます。

そんな登校。 これはやっぱり〝夢〟なのかなぁ...。 と、思う。

憧れてたこんな登校。  ってより、やっぱりワケが分からないけどね。

この時間が終わらないように俺はやっぱり願う。

いつもの違う日常。 これは〝夢〟なのかもしれない。

でも、俺は現実だと願ってもいい。  そんな朝だった...。


AM 8:27

先ほどのドキドキ感はまだある。

俺の心は奪われそうな... いや、はっきり言うと奪われてる勢いだ。

すると、奏空は交差点の十字路で止まった。

可笑しい感じなので、そこで俺は話かけてみる。


「奏空? どーしたの?」

「いつものあの二人を待ってるんだけど?  ぇ、悠くん大丈夫?」

「あぁああああ! うん、あの二人ね!  安心だよ、バッチリだよっ」

(すまない、嘘だよ。 許して。 奏空っ)


すると、十字路の右からその二人がやってきた。

一人は奏空より少し身長が小さめの元気そうな女性。

もう一人はクールな感じの男性。


「奏空ーっ! 悠!! おはよーっ!」

「奏空さん、悠くん、お早う御座います。 えぇ、いい天気ですね。」

「菜々美ちゃん、怜くん、おはよう。 いい天気だねっ」


菜々(ななみ)という女性と(れん)という男性。

この二人は家が近くだから一緒に学校へ行っているらしい。…俺の推測。

まぁ、この4人組でいつも学校に通っているみたいだ。

俺はこんなに早くも友達が出来てしまったようだ。

あぁ、俺ってそんなに人気者なのかな?

そんな変な考えでもあるが、特に気にしないでください。

でも、やっぱりこれは〝夢〟なのかな?


「悠? どーしたの? いつもの悠じゃないぞー?」

「そーですねぇ、此処で悠くんのツッコミが来るはずなんですが...」


どうやら、俺が一人で考えている時に話はあれから進んでいたらしい。


「い、いや、ボーっとしたかったんだよ。 大丈夫だからね!」

「悠くん... 本当に大丈夫かな?」

「か、奏空...ッ お、俺はいつもの俺だってばっ!」

(いつもの俺が分からないけどね)

「そ、そう? じゃぁ、早く学校に行こうよっ、急がないと遅刻しちゃうかもっ」


遅刻... 俺、怖い。


「俺が一番に学校に入ったら何か奢る! よーい、どんっ!」


俺は駆け抜けた。 いつもの俺を演じる為。 ってより、意味不明だ。


「お、ちょ、まて、悠! あたしが一番なんだからっ!」


菜々美が走り出す。 ヤバイ、あの子足速い。

ってことで、すぐに越されたので、もう走る気がしな...


「悠くん、急いで!  ヤバイ、本当に遅れそうっ」

「そうですよ、悠くん、僕達は本当に遅れそうなんですよ!!」

「え、マジか!?  走るぞっみんなっ」


そんないつもの日常な感じに学校へ向かって俺達は走った。



AM 8:40

なんとか、4人は自分達の教室へと着いた。

多分、あそこで俺が走るきっかけを作らなかったら真面目に遅刻だったのかもしれない。

まぁ、でも残り5分もあるし... まぁ、いつもの俺の日常なら当たり前か...。

ってより、〝夢〟でいいよな... もう。

こんなに朝から楽しいことなんて、中学生のワクワクしてた春の入学式ぐらいだ。

まぁ、俺も歳をとった... いや、まだ若いね。 うん。

ともあれそんなことを考えつつ、俺達は自分達の席に座る。

どうも、俺は幸運らしく、一番窓側の一番後ろから二番目の席だった。

なんて、ベタな感じ。  そして、後ろの席には... …誰もいないけど。

俺は窓側の席が大好きだ。 そして、寝る。  うん、最高だ。

そして、今の季節は春。

窓から見える、桜の木が素晴らしく、俺の心をゆるゆる揺さぶる。

さぁ、寝てくれ! と、言わんばかりの温かさでもあるからね...。

そして、隣の席には奏空が座っている。 俺のドキドキがまた続いてるよっ!!

すると、HR(ホームルーム)の開始のチャイムと同時に教師が入ってくる...


「今日は出席は... …またあいつがいないのか。

  あいつは春から何をしているんだか...。 ってことで、今日の連絡は...」


…奏空のお兄ちゃんっ!!!

やっぱり、そーいう展開になっちゃうんだね、お兄様。


「やっぱり、お兄ちゃんが教師でよかったなぁ...」

「奏空... やっぱり、お兄様がいいよね!」

「あー、うんうんっ」


すると、その話を聞いたのか... お兄様が。


「こら、そこ、俺を話題にするなっ。 ってより、連絡を聞きなさい。  まったく。」


でも、やっぱりこーいう先生って俺... 憧れるんだよね...。

勿論、かなりカッコイイ先生です。  まぁ、イケメン先生ってヤツだね。


「さて、今日も一日、怪我なく、集中して授業を受けるように。 では」


…でも、やっぱり先生らしいな。  集中とか、難しいよ。

と、先生は教室を出て、すぐさまチャイムが鳴り... 今日の授業が始まった。



俺はこんな日常を憧れていたのかもしれない。

こんな楽しそうな日常... 普通じゃ考えられないしさ。

そんなワケで俺はこれを〝夢〟として、考えていいのかな...。


俺の想像のつかないことがこれから起きるだなんて... 全く予想していなかった。

でも、これは〝別世界〟として考えてもいいかもしれないと...。

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