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第4話:あーしのネイルとミノのヒダ

【夜・焼肉店『たまらんや』店内】 (数日後の夜。りむはカウンターで、新しく新調したネイルを眺めながらミノ先輩を待っている。カランコロン、と鈴が鳴る)


りむ「あ、きた! いらっしゃい、ミノ先輩。……お疲れ? 今日なんか顔色、白くない?」


ミノ先輩「……。大型プロジェクトの図面チェックで徹夜した。……いつものやつを頼む。今日は噛んで脳を活性化させたい」


りむ「了解! 脳に効く最高に弾力あるやつ出すわ。……あ、それより見てよこれ。ネイル変えたんだけど、気づく?」


(りむがカウンター越しに、指先をミノ先輩の目の前に差し出す。白パールのベースに、細かな凹凸加工が施された、独特なデザインのネイル)


ミノ先輩「(じっと指先を見つめる)……。このランダムな隆起、そして乳白色の光沢。……まさか、これは」


りむ「そう! 題して『ミノ・フリルネイル』! ミノのあのヒダヒダ感を再現してみたんだよね。ウケるっしょ?」


ミノ先輩「……。……狂っているな」


りむ「は!? 褒めてるわけ!?」


ミノ先輩「……褒めている。ミノの構造美を爪に宿そうとするその姿勢、設計士として敬意を表する。……だが、その爪でトングは握れるのか?」


りむ「当たり前じゃん。あーしを誰だと思ってんの? ほら、貸して」


(りむが先輩のマイ・トングを奪い取る。派手なネイルとは裏腹に、無駄のない動きで網の上のミノを整えていく)


りむ「……ミノ先輩さ、疲れてる時は焼きが甘くなるよね。ほら、これはあーしが焼いてあげる。……はい、あーん……とかは流石にしないけど(笑)、食べな」


ミノ先輩「……(小声で)……ありがとう、りむ」


りむ「えっ、今なんて!? りむって呼んだ!?」


ミノ先輩「……。早く次を焼け。焦げるぞ」


りむ(心の声:今絶対言ったし! 名前呼んだし! ……ヤバ、ミノの火力のせいかな。顔、超熱いんだけど)

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