第16話:銀座の王は、俺(カルビ)だ!
【夜・銀座『たまらんや』店内】 (乱入してきたカルビ将軍。取り巻きが勝手に店の椅子を並べ、彼はその上に脚を組んでふんぞり返る)
カルビ将軍「フハハハ! 見ろ、この狭い店。まるでミノの胃袋みたいに窮屈じゃねえか。お前が『たまらんや』の二代目か? 見た目は清楚だが、言葉遣いは……ほう、ギャルか。悪くないギャップだ」
りむ「……あんた、どこの馬の骨か知らないけど。あーしの店で勝手にくつろいでんじゃないわよ。営業妨害で警察呼ぶし!」
カルビ将軍「おっと、無駄だぜ。この界隈の地主とは、俺がカルビを食いながら話をつけてある。……単刀直入に言おう。この『たまらんや』、俺が5億で買ってやる」
りむ「……5億? ……はぁ!? 金の問題じゃないし! ここは店長から預かった大事な場所なの!」
カルビ将軍「いいか、小娘。銀座は弱肉強食だ。マヨネーズをぶっかけた霜降りカルビこそが至高。お前みたいな地味なホルモン屋は、俺の『キングダム』の離れ(はなれ)……いや、トイレ掃除用の倉庫にでもしてやるよ」
りむ(トングを震わせて)「……地味、だと……? ミノのあのコリコリした歯ごたえと、噛めば噛むほど溢れる旨味……。それを知らないなんて、人生損してるどころか、あんたの舌はマヨネーズで腐ってんじゃないの!?」
ミノ先輩「(静かに立ち上がり、カルビ将軍の前に立つ)……。……どいてくれないか。君の安っぽい香水の匂いで、ミノの香りの構造が乱れる」
カルビ将軍「あぁ? 何だお前、そのスカしたインテリ眼鏡は」
ミノ先輩「私はこの店の設計者だ。……君は『5億』と言ったが、計算が甘いな。この店には、この街の気流、光の反射、そして彼女という唯一無二の職人の動きが完全に融合している。……その価値、私の試算では最低でも100億。……君の、脂ぎった財布では到底足りない」
カルビ将軍「……チッ、屁理屈を。……いいだろう。なら腕でわからせてやる。来週、うちのメインシェフと『焼肉対決』をしてもらう。負けたら、この看板は俺が叩き割って、お前を俺の専属焼肉ギャルにしてやるよ!」
りむ「……やってやろーじゃん! あーしのミノで、その脂ぎった脳みそ、シャキッとさせてやるし!」




