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第10話:店長の逆襲!ミノ100枚勝負

【深夜・焼肉店『たまらんや』店内】 (閉店後の静まり返った店内。カウンターにはミノ先輩が一人、証人として座っている。調理場から出てきたのは、タオルを頭に巻いた強面の店長。その手には、創業以来使い込まれた年季の入ったトングがあった)


店長「りむ。……ミノ先輩から話は聞いた。新しい店を任せたいんだってな。……だがな、俺はこの『たまらんや』を畳んで、そろそろ引退しようと思ってたんだ」


りむ「えっ……店長、引退!? まだ早いし! あーし、店長からもっと盗みたいこといっぱいあるのに……」


店長「うるせえ。俺の膝はもうガクガクなんだよ。……だが、この店をこのまま消すのも惜しい。……りむ、お前がその男のところへ行くにしても、俺を納得させてからにしろ。今のままで看板を背負えるのか、それともただの逃げか……ここで見極めてやる」


りむ「……店長……」


店長「(バケツ一杯の仕込み済みミノをドンと置く)……今からこの100枚のミノを、一枚のミスもなく、すべて『たまらんや』の最高状態で焼き上げろ。……一枚でも焦がしたら、お前には何も任せられねえ。ミノへの愛を、腕で証明してみせろ!」


ミノ先輩「……店長。覚悟はできているようです。……りむ、いけるか」


りむ「……当たり前。あーし、ミノ先輩に誘われて、自分の『本当の力』が知りたくなったんだ。……あーしが店長を超えなきゃ、新しい場所になんて行けないっしょ!」


(勝負開始。りむはブラックトングを握り、網に向かう。一枚、また一枚。炭の爆ぜる音が、まるで鼓動のように店内に響く)


りむ(心の声:……これは包丁を教えてくれた店長への恩返し。これはあーしを信じてくれたミノ先輩への証明……! 一枚だって、逃がさない!)


(50枚、80枚……。店内の熱気でりむの意識が遠のきかけるが、ブラックトングの鋭い感触が彼女を繋ぎ止める)


店長「……(驚きを隠せない)……おいおい、マジかよ。火の入り方、裏返しのタイミング……。俺が教えたことを、もう自分なりに昇華させてやがる」


りむ「……これで、最後! 100枚目!!」


(最後の一枚が、黄金色に輝き、網の上で美しく花開く。りむはそれを小皿に乗せ、店長の前に突き出した)


店長「……。……たまらん。……完璧だ、りむ。……お前のミノは、もう俺の背中を追い越してやがる」


りむ「……店長……っ!」


店長「……行け。この『たまらんや』の看板、お前に託したぞ。……どこへ行こうが、誰と組もうが、お前が焼くのは『たまらんや』のミノだ。……誇りを持って行ってこい」


りむ「……(泣きながら深く頭を下げる)……あーし、絶対……世界一のミノ、焼いてみせるから……っ!」


ミノ先輩「……決まりだな。……さあ、行こうか、りむ。……私たちの、新しい戦場へ」

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