第11話 王都への旅立ち
今日から投稿の時間を21時に変更します。
数日後、大聖堂の神父さまから、
「どうか!どうか来訪をお控えください!死人が出ます、本当に!!」と、
土下座で懇願されてしまった。
その結果――大聖堂のお手伝いは、月に二、三回にまで大幅縮小。
いや、ぼくたち何も悪いことしてないよ?
結局、お茶会の時間が増えただけで、ぼくの日常は相変わらず。
……ピシバシ訓練とは??(遠い目)
姉さまや父さまに時間がある時は剣の特訓に混ぜてもらい、
ジェシカに容赦なく玩具にされ、
母さまに聖職者としてのあれこれを習ったり、
貴族としてのマナーやら社交やらを教えてもらううちに。
気が付けば、あっという間に五か月。
そして今日。
姉さまが学園入学のため、王都へ旅立つ日が来てしまった。
王都までは馬車で十日。父さまも用事を兼ねて同行するらしい。
ぼくとメルは、もう最初から涙腺崩壊モード。
「ふぐぅ……お姉さま……お元気でぇ……」
「おねーさま行かないでぇぇぇ……」
その横でジェシカは、もはや呼吸困難レベルの大号泣。
「うわああああん!! ひっく……うわああああん!!」
会話する余裕ゼロ。完全に壊れた。
そんなぼくらの頭を、姉さまは優しく、優しく撫でてくれる。
その瞳が少し潤んでるのを見て、さらに涙が止まらなくなる。
「ステラ、家族のみんなをお願いね。無茶はしすぎちゃダメよ?」
「メル、泣かないで。長いお休みは帰ってくるからね」
「ジェシカもステラも、二年後には学生になるんだからね」
「体に気を付けて、元気でね」
ああ、時間って残酷だ。
ぼくがずっと憧れた、最高の騎士――姉さまは、また先に進んでいくんだ。
そんな中、
「健やかに~、自分の信じるままに~、元気にがんばるのよ~」
と、相変わらずのゆるい声色で祈りを捧げる母さま。
「はいっ! 私は立派な騎士になって、この地へ胸を張って帰ってきます!」
気合いを込めて宣言すると、別れはあっさりとやってきた。
姉さまと父さまを乗せた馬車は、丘の向こうへ揺られていった。
次に会えるのは……いつだろう。
「ステラも、もうすぐ十二歳の鑑定式ねぇ~。ほんと、時が流れるのは早いわ~」
そうだ。
ぼく自身にも、大事な日が近づいている。




