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地球が終わる、59分前。
初めまして、青ちひろです。よろしくお願いします!
「皆さん、今日が地球最後、人類最後の日となりました。どうか後悔のない1日をお過ごし下さい」
テレビから流れるニュースは決してふざけてなんかなく、事実を映していた。
青かった空は炎のように真っ赤に染まり、空に飛んでいた鳥達は一切姿を見せなくなり、テレビから流れるインタビューを受ける人達は様々で、覚悟を決めた人、嘆く人、事実を受け止められない人が居た。
僕は――僕も、覚悟を決めていた。
今日、ハナちゃんに告白する。
隣の家に住む同じ歳のハナちゃん。
小学校から高校まで一緒で、僕らは幼じみだった。
ハナちゃんは大きな瞳にキラキラと輝く世界を映して、いつも口角を上げて笑っていた。
僕を「タロちゃん」って呼んで、何気ない日常を鮮やかに彩ってくれるんだ。
ハナちゃんが笑うと、全ての生命がにこやかになるんだ。
いつも手を引いて前を歩くハナちゃんに、優柔不断の僕は何度も助けられた。
知らない僕を見つけて、心の奥底の本音を引き出してくれる。
そうして、僕は気づいたんだ。
ハナちゃん、君が好きだって。