そしてヤツのほっぺに『バカ!!』と書いた
さっき中間テストの初日が終了!!
思いつきを書きなぐったよ!
(歌詞じゃないよ~!!)
アノ子が送って寄こす
ため息が聞こえそうな書き込みが
まるでツバメが巣を編むように
ひとつひとつ
私の心の中に降り積もる
「カレの前髪ふわふわ可愛いの♡」
「カレ、今、ダンク決めたよ!!」
「6限のカレのおやつ あんドーナツにカレーパン♡」
「カレにゴミ袋を持ってもらったんだ!!☆」
「カレ、3組のコと立ち話してた……」
「そのコと付き合ってたらどうしよう!!」
「ねえ! どう思う??」
巣は私の心の中で
すっぽりと大きくなって
アノ子は私に
“想い”を托卵させた
私、“卵”を抱くつもりなんて
無いのに……
アノ子と心の痛みを
分かち合うつもりも無いのに!
気が付くと……
私はエサをくれない親鳥を探すように
“カレ”の姿を追っていた
あー!!
不毛だ!不毛だ!不毛だ!
ひとは自分の冷えた心に
ダウンコートを着せたい時
他人の翼に手を突っ込んで
羽毛をむしり取る
そうやって
むしり取られた他人の心が冷えるのを
見やってほっとする
突っ伏した机の上で
真夜中に目が覚めたら
遠くを走りゆく列車が
鳴くのを聞いて
私は
ちっとも自由でない
自分の心を思い知る
だからもう!!
落とし穴の底に置かれていた巣は
壊してしまおう!
カレはいらないヤツ!!
そして
カノジョには……
プレゼントをあげよう!!
カノジョから送って来られた“ヤツ”の写真に
『I』を込めた
プレゼントを!!
“加工アプリ”を立ち上げて
散らされた♡や☆を
♥や★に変えて
ヤツのほっぺに
『バカ!!』と手書きした
プレゼントを
まだまだテストは続くけど……(T_T)
一瞬の解放感はクセになる??( *´艸`)
(^O^)/
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