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獅子は芍薬を手に  作者: ゆき
幸福の王女
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1.王女ピアン ナレ

各話毎に視点が変わります。どうぞ、お楽しみください。

ここは、シャスアーネ国の王宮である。シャスアーネ国は北の大国、歴史も深く、文化的な国である。

シャスアーネ国のピアン王女は、今、従弟のナレの前にいる。 雪のように白く滑らかな肌。ドレスの襟元から覗く胸元の皮膚はどこまでも薄いが、頰の肉はふんわりとしている。少し出すぎている顎も柔らかな肉に優しく包まれ愛らしく、美しい。髪は漆黒。今日は、絹のように滑らかで艶やかな髪を繊細に結い上げている。

小さな宇宙が入っているかのように輝く黒い瞳で穏やかに従弟の目を見つめ、

「ごきげんよう、ナレ。今日は、私のお誕生日よ。貴方も宴に来てくださるわね?」

と、おっとりと言った。ナレは、ピアンの柔らかな薔薇色の唇に見とれていた。が、数秒後には、

「もちろんでございます。ピアン王女殿下。私は、この日を待ち望んでおりました。」

と言った。ピアンは、その大きな目を驚きにわずかに見開いた。そして、「まあ」と、言って、微笑んだ。目眩がするほど美しく、完璧な優雅さだ。

「今日はね、大事なお知らせがあるの。でも、まだ、教えないわ。」

「少し戯れただけだよ。ピアン。お誕生日、おめでとう。でも、待ち望んでいたのは本当のことだよ」

「ありがとう。嬉しいわ」

ピアンは、白い頰を薔薇色に染めた。

「それでは、私は、支度を致します。また、後ほど会いましょうね。」

従姉は、そう言って立ち上がった。

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